ロボット工学を志す長男に渡そうと思いながら読み始めた「フューチャー・オブ・マインド」。
脳から出る電気シグナルを記録し、解析することで、
自然界最大の謎である「心」の仕組みや働きが、劇的に解明されつつあるという。
脳をコンピュータにつなげて物を動かしたり、
さらには記憶や知能の強化をも可能にするBMI(ブレインマシン・インターフェース)やブレインネットと呼ばれるテクノロジー。
感情や感覚をインターネットで送信したり、コンピュータやロボットに意識をアップロードする未来が本当に来るのだろうか。
(長男の学割期間が切れるので、やむなくキャリアを変えてiPhone5から6へと機種変更、これが最初の写真になった。)
心や意識というものを、「意識の時空理論」という視点で捉える切り口が新鮮だ。
脳の量子論については、以前にも少し取り上げたことがあるが、
(場を考える ~ 意識や生命の見える化に成功した。 )
(脳の記憶の仕方とホログラムは似ている ~ 現実と本質とNujabesと)
記憶の仕方についての説明がユニークだった。
脳細胞という物質的・空間的な場所に依存しない、情報の存在の仕方。量子コンピュータ的な情報の在り方。
かつて、記憶は互いに物理的に近い場所に保存されていると考えられていたが、
記憶は空間的にリンクしているのではなく、同時に振動することによって、時間的にリンクしているのだ。
脳の全体に満ちている電磁信号が、様々な領域を結びつけることによって、記憶が結びつき、記憶の全部が再現される。
脳の海馬、前頭前皮質、視床、各種皮質といったものの間の情報の流れは、
すべてが神経によるものではなく、様々な脳組織に渡る「共鳴」という形をとる可能性もあるのだ。
2013年にオバマ政権下で「BRAINイニシアチブ」と呼ばれる、
脳のリバースエンジニアリング(逆行分析)によって、脳をニューロン一個一個まで分解して組み立て直し、
生体の脳を生み出すための巨大な設計図を作成する試みが始まったらしい。
アルツハイマーやパーキンソン病、精神疾患や認知症などの治療法を見つけるだけでなく、
「意識」の秘密も解き明かし、ひょっとしたら我々の「意識」をコンピュータにアップロードできるようになるかもしれないという壮大な企て。
膨大な数のニューロンを複製し、脳の電気シグナルの再生に成功すれば、
数十年後には、ロボットやAI(人工知能)が「意識」や「感情」を持つようになるかもしれない、と予想する声がある一方で、
ヒトゲノム計画同様に、全遺伝子や全ニューロンの配列や地図を手に入れるだけでは不十分で、
それらがどう機能してどんな反応をするかまでを解明する作業にはまだまだ時間がかかるとも言われています。
(なんで生物の本なんか読んでんの)
リバースエンジニアリングで再現された脳は、いかに複雑であっても、トランジスタと導線の集まりであることに変わりはなく、
未来の振る舞いを正確に予想できる、決定論的な系である。
ところが脳が量子的な系だとすると、よく分かっているはずの運動の法則があてはまらず、系の未来や運動の結果は予想できなくなる。
不確定性原理のために、計算できるのは、あることが起きる確率だけになる。
記憶の仕方についての説明にあったように、
脳の働きに量子的な系(物質的な系ではなく、自由意志によって共鳴し、波動収束する系)の影響があるのであれば、
その量子的な部分の差分は、人間とロボットの差分として残るのであろうと思う。
ロボットは完全に人間にはなり得ないし、人間性を特徴づける量子性や自由意志は持ち得ないはずだ。
それとも量子コンピュータならぬ量子ロボットまで進化していくのだろうか。
こういう話は一見難しそうなので、量子論ありきになりがちなのですが、素朴な疑問も湧いてきます。
運動の法則がよく分かっているにもかかわらず、
一見予測しなかったような振る舞いを見せる「ラングストンの蟻」のような現象が
生命や意識の不思議を説明するシンプルな仕組みである、というのは誤った考え方なのでしょうか。
やはり量子論を持ち出してこないと、生命や意識の不思議は説明できないものなのでしょうか。
(神秘を創造するシンプルな仕組み)
著者が案内役をつとめた2015年1月放送の「Next World」。
本当に世界は、根元的には情報で出来ているのかもしれない、と思えてくる。(イマジンの世界観)
認識する情報世界を、まるでiPhoneのデータを消去して初期化するかのように操作一つでリセットできてしまうのは怖い気がする。
↓ ” 記憶を失うがよろしいか? 自己責任でお願いしますよ! ” が、インフォームド・コンセント(informed consent)になるのでしょうか。そんなことを考えさせられる同意取得画面。
Next Worldへのエントリーに同意して、ひとまず私のアバターをこしらえておいた。
いつかこいつに、私の意識をアップロードしたりするのだろか。。
future of mind、
入学式で耳にした imagine the future、
そして明後日には来日の報もある、ポールの歌う hope for the future、
セレンディピティ、共時性みたいなものを感じます。
ロボットを引き連れてやって来ながら、急病で開催直前での公演中止となった昨年のリベンジ公演まで
いよいよカウントダウンとなった歌の匠、Meistersinger(singer(歌い手の)マイスター(匠)Meister)。
昨夏にも取り上げたが、再々掲。(ポールの新曲、Destiny(運命)のテーマ)
病を得てから二年間、節目までがんばれたんだから、まだまだ堪えていける。
理不尽はむしろふつうのことだ。人生は自動販売機ではないから、100円入れたから100円分くれ、というほうが幼稚だ。
悪く考えるな。暗闇だからこそ光れ。
Paul McCartney - Hope For The Future
From out of the darkness our future will come まったくの暗闇の中から 僕らの未来は立ち顕れる
If we leave the past behind 過去を置いてこれたなら
we’ll fly beyond the sun 太陽の向こう側にだって行ける
We will build bridges up to the sky 我らは空に向かって橋を架け
Heavenly light surrounding you and I 天上の光が僕らを包み込む
Hope shines brightest in the dark 希望は暗闇の中でこそ、もっとも輝く
Where nothing’s ever seen 何も見えない暗闇にあろうとも
Lighting undiscovered places no one’s ever been 知られざる、誰も知らない所を照らしている
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