ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

目指すはスクラップ・ブックか、はたまたビジョン・ボードか。
隠れ家CLUBゴルフィーにようこそ♪

平和について語ろう ~ パイプス・オブ・ピース

2010年08月29日 | お気に入り♪(ビートリー)

内田 樹(たつる)先生とポール マッカートニーのコラボ。

期間限定の思想―「おじさん」的思考〈2〉
内田 樹
晶文社


ウチダ先生の箴言に、頷くことしきり。

~ 相反する二つの力が一つのシステムの中で同時に作用する時、
   そのシステムそのものが物凄いエネルギーを放出する。
   あまり知られていないけど、これは武道に限らず、身体運用における非常にベーシックな原理なんです。
   複数のファクターを同時に容認しておいて、そこでバランスをとるというのがいいね、ということです。
   この本の全体を通じて書いているのは、そのようなことなんです。

   自分の中に邪悪なキャラクターやろくでもない性格が混在していると分かっている人間というのは、
   自分には人を裁く権利がないというふうに考える。
   自分が善良であるという確信を持っている人間がいちばん恐い。
   「正義の名において」「愛の名において」される迷惑というのは一番つらい。
   そういう人は、逆にいくらでも残酷になれる。
   宗教戦争が一番凄惨な戦争になるのと同じです。

~ 社会矛盾というのは絶対になくならない。対立も続く。
   絶対に折り合わない多様性というものもある。
   矛盾や対立を維持しながら、
   そのコンフリクトの中で人が苦しんだり死んだりということが起こらないようにするにはどうしたらいいのか、
   それを考えるべきです。
   
   憲法を改正するか、自衛隊を廃止するか、どっちかにすべきだと言う。
   先進国の中で57年間(*出版当時)兵士が外国へ行ってよその国民を殺していないというのは日本だけで、
   戦争に関して言えば、日本はもっとも成功している国なわけです。
   にもかかわらず、それを成功している、と言う人はいない。
   良くないことだ、どっちかに片づけようと言う。

   こういう議論の立て方自体がおかしいんじゃないかということを誰も言わない。
   現に日本は成功しているのに、成功していると言わない。
   憲法と自衛隊は拮抗する関係にあって、
   それによって日本が戦争をしない状態が維持されていると私は思っているのです。

   いろいろなファクターがあって、時々に拮抗させながら使っていくのであって、
   誰が正義であるか、という議論で白黒はっきりさせようとしている限り、それは永遠に終わらない。死人が増えるだけです。
   万人が納得する解決策、単純明快な判断を下すことが、何よりも優先するのだ、という考え方はもうやめたほうがいい。

   
ウチダ先生は、"いろんな水準で同じことが言える"、といいます。

自分の中の邪悪さを認めて受け入れる、なんと心地よく 優しく響くパッセージなのでしょう。
天使の面や悪魔の面、だらけた面や勤勉な面、という相反する要素を自分の中にも飼っておく。   
複数の要請の中に引き裂かれた状態を、
不幸な、緊張を強いられた状態とはとらずに、
むしろ引き裂かれてある状態のほうが、可能性が開けるし、身体的にも気持ちがいいのではないか。

先生曰く、力んだ書き方をしてしまった、と言いながら紹介する、著書の一つ「ためらいの倫理学」からの引用です。
~ 「当為」と「欲望」、「本質」と「実存」のあいだに引き裂かれていて、
   どちらかに片づけ難く、ふたつの要請の間で必死にバランスをとっている状態こそが人間。

にわかフランス思想かぶれ、となった私、ためらうことなく、お買い上げ。
とにかく、氏の独特の語り口はコンフォタブルなのです。

ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫)
内田 樹
角川書店



Paul McCartney - Pipes Of Peace

初めて聴いた時には、
I light a candle to our Love、、で始まる、暖かいメロディとピアノが刻むリズムの高揚感に酔いました。
しかし、burn baby burn、という陰惨なフレーズも出てきます。
防空壕で赤ん坊が泣くと皆殺しになってしまうので、そのような事が実際にあったという。

それまで、軽い音楽ばかり作って、みたいなことを言われても、
"それのどこが悪い。愛すべき普通の生活や普通の人たちのことを曲にするんだ"みたいなことを言ってたポール マッカートニーが、
ジョン レノンを失って目覚めたかのように、平和や人生について語り始める。


(↓)楽しいことと同じようにシリアスな問題について語るのもいい。47歳の頃。

Paul McCartney - interview (1990 Japan) ポール来日インタビュー

(↓) スティービーとの共演ではなく、レアなソロ バージョンをチョイス。
    Ebony and ivory
   live together in perfect harmony
   side by side on my piano、keyboard
   oh Lord、Why don't we ?


   ピアノの黒鍵と白鍵はピアノの上で完全なハーモニーを成しているのに
   どうして我々にはできないのか?

   why don't we ?、たったの3ワードに深い感情、エモーションを込めることができる。
       
Paul McCartney - Ebony & Ivory [solo version]

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« かけがえのない時間 | トップ | なつやす »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿