転載: richardkoshimizu’s blog
IHIさんへ 作成日時 : 2011/08/21 17:57
http://richardkoshimizu.at.webry.info/201108/article_71.html
「P11の図13のところ。 汚染レベルとガン発生率に有意なガン増加が認められたとある。よって、スウェーデンのケース(7万ベクレル/㎡より多い汚染量の福島原発周辺地域はさらにガン増加となる。」
やっと何を言いたいのかわかりました。最初からそこまで解説していただければありがたかったです。過剰相対リスクが100kBq/m2 当り0.11ということであり、100,000ベクレル/m2汚染地帯でみれば、放射線が原因で癌発症が11%ほど増加するということですね。ひとつのデータとしては有用であると思いますが、トンデル論文だけでは客観的な判断は無理でしょう。被曝量の調査もしていないとのことですので。
ちなみに環境ファシリテーターの高見景子さんは、「健康への影響としては、将来50年間の間に(スウェーデンで)チェルノブイリ事故が原因でガンにかかって亡くなる人が300人出るだろうという予測がされています。しかし、スウェーデンでは、年間2万人の人がガンで亡くなっており、年によって死亡者の数値の差が300人以上あるなかで、300人という数は少な過ぎて、チェルノブイリ事故と結びつけることは難しいとされています。その他の健康への害は、確認されていません。」と言われています。健康被害の可能性については、特定の線量の高い地区を対象に限定して論じるべきでしょうね。
いずれにせよ、特定地域を除いては、ここまで小さいリスクを気にするよりもほかにやるべきことがあると思います。
↓の論文では、スウェーデンでの低線量~中線量の体内被曝と甲状腺がん発がんの関係を否定していますね。
http://jnm.snmjournals.org/content/30/5/721.full.pdf
↓の記事では、「チェルノブイリの放射性降下物に露出したスウェーデン北部の110万の人口のうち、22400人が癌になったが、そのうち849人がチェルノブイリが原因だった」となっています。これもトンデル先生の説のようですが、特定の高汚染地域でない限りは、平均すれば「被曝で癌発症が3.7%増加する」ということであると思います。トンデル先生以外のデータがないのは困りものですが。
http://tribes.tribe.net/367ae640-2b3a-4c07-ad59-85258c3d7ddc/thread/4bd88880-5194-472b-8c77-8ebe7509445e
↓そして、トンデル論文を「トンデモ論文」とおっしゃる方もいらっしゃります。
●福島原発事故による影響は全くありません。
http://blog.livedoor.jp/jieotaka/archives/3908020.html#
「私がある意味信頼していたのが、チェルノブイリの原発事故の放射線の影響をスウェーデンで大規模に調査したトンデル論文でした。 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/tyt2004/tondel …
ところが低線量放射線が人体に影響を与える事を広く世界に知らしめたこの論文さえも、そうとうなデータの改ざんを含んでおり、生のデータを見ても放射線による影響は出ていないというのが私の理解です。」
http://d.hatena.ne.jp/buvery/20110520
トンデル先生の「生のデータを見ても放射線による影響は出ていない」と判断されています。おかしな話ですね。論文がねつ造ということでしょうか?
ただし、福島原発周辺は少なからず「小型核爆発」で汚染されていると私も判断しているわけでして、その「300万Bq/㎡」が事実ならば発がんリスクは他所とは異なると思います。ただし、その数字が事実ではありえないといっている方もおられますが。
私が言いたいのは、「日本では、浪江町などでかなり高いセシウム137値が検出されているようですが、これらは3月15日の「水素爆発」を偽装した小型核「爆破」によって意図的に作られた高汚染地域の数値であり、これらの地点の数値を基準に広域で深刻な汚染が発生していると大衆に思わせる工作がなされているとみます。」という点です。
特定の地域の高い汚染度から、あたかも全体がひどい汚染をこうむっていると印象付ける勢力がいることは大いに問題であると思います。まあ、黒幕さんの戦略なのでしょうが。
「福島のケースはチェルノブイリのような急性被爆症状での死亡が出るレベルの爆発ではないが、むしろ収束する見込みのない放射性物質の漏出による低線量被爆による先天性異常がチェルノブイリ以上に及ぶ危険性が継続している。」
とは思いません。福島のケースは、メルトダウン・メルトスルーを偽装したもので、線源がほかにあったとみてまず間違いないと考えますので、「収束する見込みのない放射性物質の漏出による低線量被爆」には該当しないと考えます。もし、それが事実であるならば、各地の線量が漸減していることの説明がつきません。
「③1945年以降、白血病やガンは有意に増加しているデータは公開データで沢山あります。 放射線被爆に対する生命への影響を先入観無しで調べなおして下さい。宜しくお願い致します。」
信頼のおける「1945年以降、白血病やガンは有意に増加しているデータ」をご開示ください。煽り屋さんのデータでは参考にはなりませんので。
以下は参考資料です。
http://www.bestofuniversity.com/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%81%A8%E4%BA%BA%E4%BD%93%E3%80%80%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E8%A9%B1
「1960年代、世界は今よりはるかに被爆していた 米ソ冷戦時代、両国を中心に国連常任理事国の国々は核実験を繰り返していました。特に1963年までは地上にて核実験を行っていましたため、当時の空気中のセシウム137やストロンチウム90の濃度は現在の数百~数千倍にも及んでいたことが分かっています。(2000年、UNSCEAR) つまり、世界は今よりはるかに放射線を浴び続けていたのです。しかし、その世界がもっとも放射線を浴びていた時代より、現在ははるかにがんが多いことは承知の事実です。」 作成:: 加藤 直哉
●1960年代の日本 自然放射線による被曝は今より高いとの報告(週刊ポスト)
2011.04.02 16:00 http://www.news-postseven.com/archives/20110402_16229.html
自然界にはもともと多くの放射性物質と放射線が存在する。これを自然放射線と呼ぶ。日本の自然放射線による被曝は年間1.5ミリシーベルトと述べたが、1960年代の平均的な被曝量は、これよりはるかに多かった。米ソ冷戦時代で、両国が核実験を繰り返していたからである。
当時、北半球全域にわたり、空気中のセシウム137やストロンチウム90の濃度は現在の数百~数千倍に及んでいた(UNSCEAR 2000年報告書)。
もちろんこれは自然放射線ではないが、核実験により、世界中が高い放射線を浴び続けた時代もあったわけで、日々の生活で受ける放射線量は、この程度の幅では健康被害は起こさないと考えられている。
※週刊ポスト2011年4月8日号
●「福島は心配ない」と言える理由はある
http://kodomo-kenkou.com/shinsai/info/show/985
――1週間福島にいたスタッフの個人線量計の線量はどのくらいだったのでしょうか。
1日3~4μSv、1週間で20μSvぐらいです。一番高い時で。1960年代、70年代の東西冷戦時代、核実験が行われていた時代は、日本国民はこれよりもケタが違う線量の放射線を浴びていました。
――米国や旧ソ連などの核実験により、日本の空間線量は高かった。
そうです。しかし、その結果、がんが増えたという証拠はありません。米国では、ネバダでの実験の状況をオープンにしているため、どのくらい被曝したかが分かります。その量から考えても、今の福島の被曝量は、騒ぐほどでないことは明確です。
以上。