舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

Lei Na Hoku Valentine's Day Concerts 2013リポート!! (2)

2013-02-06 02:47:39 | ダンス話&スタジオM
レイナホクの模様を記事にしていたら、本番前の話だけで5400字を超えてしまったため、2分割する事にしました
う~む、簡略化におよそ向かない我が脳がたいへん恨めしい。そういや学生時代も「~字以上で書け」と言われると何の苦労も無かったのに、字数制限があると苦しめられましたっけ…って、こういうゴタク並べてるから長くなるんだよ(笑)。


ともあれ、今年最初の祭の話、後半です。

18時の開演に合わせ、私達スタジオM(総称)のメンバーは、後ろの席の人に迷惑のかかりそうなモノ以外のすべての装備を済ませて客席に行きました。
もちろん、カムエラのオープニング・カヒコを観るためです。


舞台はクム・カウイさんのオリから始まり、まずは子供たちが王朝後期の内容(間違ってたらごめんよ、何しろタイトル書いてなくてヒアリングだけが頼りなんだ)を踊り、続いて大人のダンサーがメリーモナークで踊ったのと同じものを見せてくださいました。
チャント聴いてて思ったけど、やっぱカウイさんの声は良いよね。もちろん踊りもそうとう凄いんだけどね。


カヒコが終わったら、先程の正面玄関のお花の前に行って写真を撮り、いよいよ自分達の出番に向けて出動体制に入りました。




まずは我々と「フラダンスとりあえず」がトップバッターです。
「とりあえず」の皆さんは、この日のためにメイクもヘアメイクも研究を重ねたそうで、とても上品ゴージャスなヴィジュアルに仕上がってました
普段は人によって全然違う髪型なのですが、それもこの日は美しく統一感のある仕上がりになっていました

舞台袖でサウンドチェック時に生じた幾つかの改善点を説明し、いよいよ出演の時です。
Weldonさんは前回の記事でも書いたように喉の調子が非常に辛いようで、本番前にマミちゃんが「大丈夫?風邪引いたの?」と訊いたら(←彼女の英語は誰に対してもこういうフランクな口調である)、「そうなんだよ…」とおっしゃっていたとか
そんな体調の時にハードワークなWeldonさんにハラハラしながら客席や袖から拝見していた訳ですが、そこはさすがプロ。本番では普段通りの素晴らしい歌声でした。いえ、むしろ(ご本人は辛かろうと思うけど)却って声のハスキーさが増して、いつもとは違う魅力すら感じました。


そんな素敵なWeldonさんの歌声にのせて、まず登場したのが我々二人のAloha No
このとき着た衣装は上から下まで、ということはヘッドドレスからシューズに至るまですべて新作、すべて我々のオリジナルです。
コレ、実はとんでもない生地がとんでもない量使われているのですが、一見するとそうは見えないのがこだわりです。
また、ピアスとチョーカーのアクセサリーは私の手作りで、実は二人合わせて1,000粒くらいのスワロフスキーを使っていたりするのですが、これまた一見そうは見えないのがこだわりです。

そういう数多のこだわりを経て出来上がったフツウじゃない衣装をまといながらも、踊り方は敢えてイリマ・スタイルを前面に押し出し、ハワイの様々なスタイルに精通している人にはノスタルジーすら感じさせるフラを踊るという、ある意味これ以上ないくらいスタジオMらしいモノを、このAloha Noではお見せしました。
ま、それでこその「デモンストレーション」ですものね。


Weldonさんにアイコンタクトで感謝の意を伝えて我々が退場し、入れ替わりに登場したのが「フラダンスとりあえず」によるMele O Lana'iです。
「とりあえず」のメンバーがオレンジの色鮮やかな衣装で登場すると、照明もガラリと変わり、ステージは一気に華やかな暖色系の色彩に。
我々はもちろん、舞台袖で見守りつつ振りやフォーメーションを忘れた人が居たらカンペの役を果たそうと思っていた訳ですが、その必要がないくらい完成度の高いパフォーマンスでした
おそらく皆さん緊張していたと思いますし、ハワイのミュージシャンに合わせて踊るのは生まれて初めてのメンバーが殆どだというのに、リハーサルを受けて我々からアドバイスした事もしっかりこなしていて、安心しながら観ていられる出来映えでした。
退場してきた皆さんの表情も非常に満足そうで、きっとこの日まで入念な練習を重ねてきて、それに見合った手応えを自分でも感じられたのだろうと思います。


急いで楽屋に戻り、次のスタジオの出演曲の衣装に着替えた頃、我々の楽屋を思いがけない人物が訪ねてきました。
カムエラのクム、カウイ・カマナオさんです。

それだけでも充分に驚くのに(だってカウイさん、ついさっきまで舞台で踊ってらっしゃったじゃないですか)、我々を目玉が飛び出るほど驚かせたのは次のひと言でした。
「あなた達の衣装の写真を撮らせてくれないか」。



カムエラが!!
あの衣装で名高いカムエラの先生が!!!
我々の衣装を撮らせてですとー!?!?!?




卒倒しそうな私の脳裏をよぎってゆく、先代クム・パレカさん時代からの歴代のカムエラの素晴らしい衣装の数々…………
…おっと、気が遠くなっている場合ではありません。しかし、日本人がカムエラやカウイさんに写真を撮らせて欲しいと頼むのはよく聞くが、あちらから頼まれたという話は聞いたことがないぞ。


元々カウイさんは先程のデモ衣装を撮りたかったようですが(そのためにウチの生徒さんに我々の行方を訪ねていたらしい)、我々が着ていた次の衣装をご覧になり、「それも僕達とマッチしてるから撮らせて」という事になりました。



そんなやりとりの際に撮られたのがこちらです。
おお、確かにカムエラの皆さんもちょうど黒のヒカリモノで、色彩もイメージもピッタリだ。
しかしこの顔ぶれじゃとてもフラのイベントの出演者には見えん。



なので、その場に居合わせた唯一ハワイらしい装いのWeldonさんにもご参加いただきました(笑)。
撮影中、カウイさんが我々に「あなた達の踊りもとても良かった」とおっしゃるのを聞いて、Weldonさんも「うん、そうそう」と同意してくださいましたよ~。うれしいよ~。




そのコーフンも覚めやらぬまま、スタジオM(旗艦)の出番となりました。
まずは二人でKe Aloha、あくまでもみんなが心を落ち着かせるまでの間を持つ前説芸人のポジションで出たのですが、もう既にウットリするようなNatalieさんの美声でした。

続く(というかメインの)Kiowao / Ua Nani O Nu'uanuは最初の数十秒、敢えてダンサーは舞台に出ず、客席の方々にNatalieさんの美声を存分に堪能していただくようにしたんですが、これが大正解。
客席以前に、誰よりも舞台袖の我々が存分に堪能させていただきました。
だってNatalieさん、CDの声とは比べ物にならないほど情感たっぷりに歌い上げてくださるんですもの。も~全員鳥肌モノ。涙まで出たという人までいました。


それですっかりテンションを上げた32人、堂々の入場です。
実際の舞台を見ても「出るわ出るわ」な感じだったんじゃないでしょうか。
フツウならフォーメーションなどとてもムリと思いそうな人数ですが、そこは事前の入念な練習によって、きっちり18変化いたしましたよ。

1曲目はスタジオMらしく…というよりイリマ・スタイルらしく、曲のイメージ通りエレガントかつ上品な踊り方で。
あのヘッドドレスが功を奏し頭の動きも普段以上に静かになって、より上品に踊れてました。
やっぱり美しいフラに必要不可欠なのは「品」と「プライド」だと思うなあ。


そして2曲目Hula Baby、ガラリと変わってアップテンポの曲です。
先程のリハーサルの時点でそうとうノッてくださったNatalieさん、そのテンションそのままに、非常に遊びのある素敵な歌い方をしてくださいました。
うおお、コレよ、コレなのよ私の求めていたHula Babyはッッ
そう思った私はますますノッたわけですが、どうやらそれは他のメンバーも同じだったようで、このHula Babyでひたすら楽しくなって弾けたという方が多くいらっしゃいました。
こういう、マニュアル上に無いミュージシャンとダンサーの阿吽の呼吸こそ、生演奏の醍醐味


しかし、興奮に浸っている場合ではありません。
我々を含めた数名は急いで着替えて、最後の曲に備えねば。
全体のプログラムとしてもかなりトリに近いHanalei Moonです。


この曲に出演する皆さんは、通常レッスンの他にもレッスン日を設けたりして、かなり一生懸命取り組んできたメンバーです。
キャリアも長く、私から見たらいつも真面目に頑張っていると思っているような方でさえ、「この舞台は今までに無く真剣に取り組んでいる」とおっしゃってました。
ですので、事前のリハーサル時に細かな変更点が生じても、皆さんしっかりフレキシブルに対応出来ており、当日の場当たりで初めて決まったことであっても、まるで前々からそれで練習して来たかのように合わせられるなど、今までの練習の成果が如実に現れていました

もちろん本番でも、NatalieさんのCDバージョンには無い引っ張りを聴いても動じずしっかり音を取り、計算されたペースで入場していく所の美しさと言ったら
読売とティアレの2色の(でもちゃんと共通点のある)衣装が舞台中央で出会い、一旦混じりあってから反対側に分れてゆくその過程は、歌のイメージ通り実に流れるようにスムーズでした

フォーメーションだけでなく踊りをみても、たっぷりしたスカートがみな同じように揺れていて、にもかかわらず頭の動きはたいへん静かで、美しく踊れていたと言えましょう


ああ、よかった。
Hanalei Moonの出来に深く満足し、一緒に出た皆さんと写真を撮りつつ全曲つつがなく終わった余韻に浸りたかったのですが、各教室の先生は最後に舞台に上がれとの指示を当日に受けたので、カウイさんが撮りたがっていたあの衣装をもう一度身に纏い、舞台に上がる準備をせねばなりませんでした。

なので、Hanalei Moonの出演者のドレス写真が撮れなかったのです
撮った方、どなたか私達にもお見せくださいねー


先生集合コーナーには四代目も連れて行きました。
こんなコーナーがあると知っていたら、勘亭流の書体で「二代目」「三代目」「四代目」と染め抜いた法被なり団扇なりでも用意しておいたのですが仕方ありません。
とりあえず、アロンソがF1で優勝した時のアクションでウチのメンバー含む客席の皆さんにお応えしました。


舞台が跳ねた所で、待ってましたとばかりにカウイさんが我々のもとにいらっしゃいました。



お約束通り撮影したのがこちら。
カウイさん、ヘッドドレスなど気になる点は色々おありだったようで、衣装のいろんなことを沢山質問されてましたが、とりわけ気になったのはレース生地だったようです。
カムエラの企業秘密に関わるとマズいので詳細は書きませんが、何かをお探しのようでした。
しっかし、一瞬見ただけであの生地が只のレースではないと見抜くとは、さすがパレカさんの薫陶を受けたお方だけあります。

あと、ハワイのクム方が皆さんお訊きになるのと同じように、「あなた達のハワイの先生は誰?」とも尋ねてらっしゃいましたね。
母が「ルカ&ルイスよ」と言ったら(ああだからもうこの人の英語は何でそんなにフランクなの)、「じゃあ今はラニ・カレイキさんに習っているの?」ともおっしゃってました。
カレイキという姓を出さずともすぐ分る、この正確な認識は素晴らしいもっとも、ラニさんは母がイリマフラスタジオに所属していた当時まだ子供と言えるほどお若く、母と一緒にファイヤーナイフダンスとか習ってたんですけどね。


そうそう、Natalieさんも折に触れては我々の衣装を褒めてくださって、"I like your whole style!"とおっしゃってました。
wholeということはつまり、ウチのいろんなドレスはもちろんアクセサリーやらなんやらもみんな好き、って意味ですね。光栄すぎる~。


幸せな気分で会場近くのお店にご飯を食べにいきました。
集っていたメンバーは皆さん、本当に楽しいステージだったと声を揃えてました
よかったよかった。今回の舞台は、大成功を収めたと言っていいでしょう。


幸せついでにハシゴしてしっかり甘いモノを摂取しましたとさ。



ああ、せっかく一日食べる暇がなくて少し痩せた(※g単位レベル)のに、これでまた戻っちゃうぜ。

最新の画像もっと見る