舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

2013 Hula on ASUKA II 【二日目・エンターテインメント編】

2013-09-27 04:01:58 | おでかけ
前回の記事に引き続き、飛鳥二日目・9月21日(土)の模様をお届けします。


夕食を済ませて意気揚々とショー会場に到着した我々。
ナニ先生のお母様の隣にお邪魔し(というかホントの隣にはお母様のお友達がいらっしゃるはずだったそうなのだけど、けっきょく終演までお見えにならなかった)、モスコミュールをオーダーして開演を待ちました。

今回の飛鳥での酒は専らダイニングでは飛鳥オリジナルスパークリングワイン、ラウンジではモスコミュールかキールロワイヤルだったなあ。
こういうところで未体験のカクテルとかにチャレンジしてハズすと哀しさがハンパ無いので、どうしても保守的なチョイスになっちゃうのよね。


それはともかくショーです。
昨年同様、カヒコからのスタート。
カヒコと言ってもメリーモナークなどのコンペとは違い、衣装にも振付けにも斬新で大胆な解釈が施されていました。
おそらく、こういうところに才気あふれるナニ先生のご子息マナオラさんのセンスが活かされているのでしょう。
しかもただ奇抜な事をやっている訳ではなく、正統のカヒコの充分なバックグラウンドがなければ出来ないパフォーマンスでした。
故・中村勘三郎さんのおっしゃったところの「型をしっかり覚えた上で『型破り』になれる」という事ですね。
マナオラさんの美しいチャントを聴けば、彼がどれほど鍛錬を積んでいるか良く分ります。


彼の事は10年前から存じ上げているけれど、メキメキと上手くなったのはここ2~3年の事です。
とくに去年や今年あたりなど、「若い割に上手い」レベルではなく、年齢に関わらず非常に優秀なダンサーの一人として抜きん出た実力をお持ちです。

それもそのはず、先日ハワイに行った際にロバート様とナニ先生一家と夕食を共にさせていただく機会に恵まれたのですが、その時マナオラさんはもうとにかく前夜まで開催されていたメリーモナークについて立て板に水状態でロバート様のご意見をお聞きになっていたんですね。
あのグループのカヒコはどう思ったかとか。自分はこのチームのこれをこう思ったとか。
そして食後にロバート様がハーラウ・チャントを詠ってくださった時は、ビデオを撮りつつそれは熱心に聴いていらっしゃいました。

そんなマナオラさんの姿を見て、これほどまでに向学心をお持ちの方なら、たとえ若くともメキメキ上達してしかるべきだと納得した次第です。


普通、物事が上達するのは若い時だと思い込みがちですが、フラはそうじゃありません。
山崎のウイスキーが無印→12年→18年→25年とどんどんマイルドに上質になってゆくために相応の年数が必要なのと非常に良く似ています。フラも熟成に時間が必要なのです。
ですから、若いダンサーより年配のダンサーの方が観客のハートを鷲掴みにする名手が多いですね。

フラにおいて若さはむしろダンサーの魅力を阻害する要素になりやすいものです。
力み過ぎちゃったり、頑張ってチャカチャカ動きまくろうとして浮ついた感じになったり、ワザに走るあまりフラで最も重要な感情表現がおろそかになったり。

その点、今のマナオラさんのフラからは私がよく言うところの「悪い意味での若さ」が見事に取り去られています。
すなわち、程良く肩の力が抜けていて、なおかつ芯が一本しっかり通っている為、どれほどアップテンポの曲をパワフルに踊っても、ムダな力みがなくて地に足がついており、安心して観ていられるフラなのです。
そして若い人はつい機械的・記号的になりがちな表情も、マナオラさんのそれは完璧に自然に自分のものになっていて、観客を惹き付ける魅力に溢れていました。


う~む、マナオラさんの踊りに感激し過ぎて、思わず彼のフラにばっかり言及してしまいましたが、もちろん今回のショーの魅力はそれだけではありませんでした。

まず、前回以上に場面転換がドラマチックになった事。
昨年も充分に息もつかせぬ速さでダンサーが入れ替わり早着替えをして中弛みというものが一切ありませんでしたが、今回はローナさんの的確なアシストが加わった事で、より大幅な場面転換を図れるようになったようです。
ワヒネダンサーの衣装もヘアスタイルも、一曲ごとに劇的な変化をつけられるようになった上、前回はどうしても時間差で一人二人ずつ退場して着替えに入らなければならなかったのが、全員同時に着替えて瞬時に次の曲でまた登場する事が可能になりました。
この驚くべき早変わりスキル、私達も見習わねばッ。


そして、バラエティ豊かなショー構成も素晴らしい!!
楽器を持った曲やカネダンサーによるパニオロ、ナニさんのお嬢さんが色っぽく踊られた昔懐かし系ナンバーなどが、観客を飽きさせないテンポでめくるめく展開されてゆきます。
しかもこれらがすべてちゃんと「ホンモノ」なのが嬉しいですねえ。
どんなに遊びのある振付けでも、どれほど独創的なコスチュームでも、フラを熟知した作り手が、これまたフラをわかっている観客の鑑賞に堪えうるレベルのものを見せてくださるという、この素晴らしい安心感!!!

あ、私は「カウアイ島の曲は紫色のドレス着て踊らなくちゃダメ」系の事を言ってんじゃないですよ(笑)。
そういうのはあくまでもコンペでの話ね。たとえフラを熟知しているハワイの人でも、ショーにおける衣装のデザインやコーディネイトはもっとフレキシブルです。曲の意味や時代背景なんかに必ずしも合わせなきゃいけないって訳じゃないのです。
曲のイメージに合ってさえいれば、もっと自由でいいのです。


密度の濃いショーを堪能していると、あっという間に時間が過ぎ、終演の時間になってしまいました。
出口でお見送りしてくださったダンサーの皆さんに心からの賛辞を贈り、とりわけマナオラさんには「あなたのチャントは最高中の最高!!」とお伝えしました~。




余韻に浸る間もなく、中央にダンスフロアのあるラウンジに移動。
今夜のライヴはこちらで行われるのです。
ミュージシャンはキナさんとカラニさんにホオさんも加わった三人編成です。
キナさんとカラニさんの若々しい歌声に、ホオさんの安定感のあるコーラスと演奏が加わり、とても美しいコラボレーションです。

しかも、キナさんとカラニさんはダンサーでもありますから、要所要所でフラも披露してくださるのが嬉しいですね。
お二人が踊られる時はホオさんが弾き語り。それにしてもホオさん、ソロでも凄い迫力のミュージシャンです。




ますます酒が入って心地好くなった我々は、キナさんとカラニさんの即興フラレッスンにも参加させていただきました。
ワイキキの街角でやってる無料体験レッスンみたいな簡単な曲だったので、パラパラ(古)気分で楽しく踊れました。


楽しいライヴが終わったとき、キナさんが私達のところへいらっしゃって、「去年も来てたよね!? この子大きくなったね~」とおっしゃいました。
おお~、去年の事も覚えててくださったんですね。嬉しいなあ。
その上、「あなた達の踊りスゴい! ホオもそう言ってるよ」との有難いお言葉も
どうも昨夜のメレフラで我々がHula O Makeeを踊ったとき、こちらがたまげるほど盛大な歓声を送ってくださったのはこちらの皆さんだったようです。

で、この後おっしゃった言葉はやっぱりというかなんというか、「クムは誰なの?」でした。
何かこの日本人デヴ母娘を見かけたらそう聞くようにとの手配書がハワイの方々の間で出回ってでもいるのか、我々の踊りをご覧になったハワイの皆さんの第一声はほぼ必ずと言っていいほどコレで、ミカさんもカウイさんも(お別れになった後でしたので別々に訊かれましたw)、レイ・フォンセカさんの後継者ナーホークーさんも同じ事をお訊きになってました。

マミちゃんが「イリマ・フラスタジオよ、今のラニさんじゃなくて先代の」と答えた後の反応ももう見事なまでに皆さん同じで、いったい何のテンプレかというほど、全員が全員膝を叩かんばかりに納得なさいます。
その方のフラのキャリアが長いほど納得の度合が激しいみたいですね。

今回はホオさんがまさにそういう反応で、イリマの踊り方にもかなり覚えがおありらしく、ひとしきり納得された後で「じゃあこないだのメリーモナークの前夜祭にも出たの!?」とおっしゃってました。
いえいえ出てないですよ。何たってウチの母はちょうどイリマ全盛期のあの頃(※'70年代前半)、ばりばりハワイにいたくせにコンペに興味ないとかオアフ島を離れたくないとかのたまってメリモに行きもしなかったんですから、今更出しゃばるのは失礼ってもんです(笑)。


何故ホオさんがそれほどまでに精通しておられるのかと思いきや、彼女はミュージシャンであるだけでなく、ダンサーでもあるんですね。
ご本人は「もっとスリムだった頃の話よォ」とおっしゃってましたが(そ、そんな事言われたら恥ずかしげもなくこの体型で踊っている我々の立場は)、クルーズディレクターのボブさんによれば、彼女はかなり素晴らしいダンサーとの事!!
これは是非ホオさんのフラも拝見せねばと思った次第です。





双方に納得してスッキリしたところで、お夜食会場に移動です。
ちなみに我が家以外のウチの皆さんはこの日のお夜食は断念されました(笑)。
毎晩メニューが変わるのに勿体ないなあ…って、このへんの執着を棄てられるかどうかで、人の体型が決まってしまうんでしょうね。なんて事を考えつつ肉まんとカルアピッグをお代わりしました

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