渓流釣り 弐
T君とは中学の同級生で、その当時身長が一番高いのが私で、一番低いのがT君でした。授業などで”ウドの大木”などと話がでると私は背を丸めて小さくなり無駄な努力をしていました。一方”山椒は小粒でぴりりと辛い”T君の運動神経はすばらしくサッカー部では名ウイングでした。(卒業後T君は身長が伸びゴボウヌキしました)それに優しい男で、今回も竿から餌から食事まですべて用意してくれ迎えに来てくれたのです。
その迎えの車に乗り込むと
「酒臭い」
と言われてしまいました。
T君の携帯でやっと起きてこれたのです。
目指すは朝日鉱泉です。
ところが、木川ダムのところで通行止めで
しかたなく近くの川に入ることにしました。
まだ千鳥足で沢へと下りました。
私は渓流釣り2回目で前回はぼうずでした。
木や岩に針を引っ掛けたりT君には散々迷惑をかけたのです。
今回はどうなるのか?
一投目
前回よりはうまくいきそうです。
二投目
あれ?引っ張っても来ません。またさっそく岩に引っ掛けてしまった!
と思ったらなんと魚がかかっていました。
「やった!」
思わず出してはいけない大きな声を出してしまいました。
それからは絶好調
二匹目、三匹目と30分ほどの間に連続GETT!
早くも師匠越えか?
二匹目は大物です。(推定25センチ)
そして1時間ほどたったとき事件はおきました。
ふらふらで渓流を登っていたのですがこけのある岩で
足を滑らせてしまったのです。
一応渓流釣り用の靴は履いていたのですが、
やはり少し酔っていたのでしょうか。
3メートルくらいの高さの岩でした。しりもちをつき滑り台をすべるように
岩をすべり落ちていきました。水が渦を巻いているのが見えました。
「ウワー!!」
足がもう少しで入ってしまいます。
どうなってしまうのか?
続く