二代目モニカの日々・・・ときどき俳句

【日々のいろいろ、十七文字の世界】二代目モニカです✨日々の出来事やときどき俳句も🐰

響焔2月号〜聰俳句鑑賞

2021年01月26日 | 俳句

雪が降りつづく朝会って夜別れ
         (句集『海紅』)

 雪というものは、どうしてこうもドラマチックなのだろうかと思う。
 朝会って夜別れたのは男と女の二人のような気がする。恋人同士でもなく、だからと言ってただの知り合い程度の関係でもない。微妙な二人の距離感をこの句から感じた。
 朝から夜までの長い時間の中で何かがあったのだろうか。いや、何もなく距離感を保ちながら過ごしたのだ。だけれども心は動いた…。ああドラマチック。
 そう感じさせるのが、"雪が降りつづく"の措辞。一日中降る雪のように思いもどんどん積もっていったのだ。きっと。
 俳人はそういう秘めた思いを句に託すことができるのがいい。だが反面、想像力が旺盛な俳女によって、後年、このように詮索されてしまうのだ。気を付けようと思う。




この「聰俳句鑑賞」も二年目になりました

担当は二年間

師の俳句をじっくりと読み返す機会になりました

このチャンスは有り難いです

響焔1月号〜聰俳句鑑賞

2021年01月03日 | 俳句

面売りの寒ければまた海を見て

 映画のワンシーンを観ているようだ。
この面売りはどんな人生を送ってきたのだろう。四十代後半。家族はいるのか。場所は海の近くの神社か寺の参道か。見ている海は日本海がいい。お正月の参拝客目当てだろう。その割にはあまり売れていないようだ。売れないから寒さも身に沁みる。売れないから手持ち無沙汰で海を見てしまう。
 夏祭りでなく冬だから、面売りという堅気ではない商売をしている彼の侘しさを感じられた。そして「また海を見て」で、人付き合いが苦手な不愛想な人物が思い浮かぶ。
 想像の余地がたくさんあるこの句。さあ、自分が映画プロデューサーになったつもりで想像してみませんか?あなたならどの俳優を彼役にキャスティングしますか?このあとの展開は?お正月のお楽しみのひとつとして是非…。



皆さま

明けましておめでとうございます🎍🎍

穏やかな新年をお迎えのことと思います

今年はマスクなしで暮らしたい!ですね

今年もどうぞ宜しくお願い致します💖