フツーの見方

フツーの論理で考えれば当然だと思うことが、なぜかマスコミでは出てこない。そんな意見を書き残しておきたいと考えてます。

FMチューナーはオワコンか まとめ編-4

2022-11-20 | Weblog

・DENON TU-950 '85頃 \49.8K

 DENONのシンセとして型番からは最上級のはずだが、人気はなかったようで「足跡」とDENONの総合カタログ以外にはネット情報も全く見つからなかった。オークションで安く出て競争もなかったので、DENONシンセの実力を確認するため落札してみた。
 さて初見の感想は、デザインは薄型でスマートだが、J75や後述のT-X7に似ており発売年からすると旧式感。脚はプレス加工、ANTは同軸ケーブル直結型で、ここも時代遅れのチープ感。プリセットはAM/FM合計で8局であり少なすぎ。これでは他社(ST-S333ES '84発 \49.8K とか)と比較したらマニアは選ばないだろう。

 到着時の状態は、選局ボタン4のランプが切れてたのと一部SW反応が悪くなってたが、メモリは正常でパワーオフオンでも保持。しかしMEMORYボタンが選局と同形状かつ同列に並んでいて間違って押しやすい。緑点灯するのでミスに気付くがキャンセルは効かないようで消えるまで操作できないのでイラっとする。
感度は悪いながら一応正常周波数で受信したので本質的故障は無いようで一安心。
 カバーを開けたら中には平行ケーブル配線が多数這い回っており、基板の調整箇所も一部隠れてる有様。これでは組立も調整も手間がかかる上、トラブルも起きやすくてコストダウンが難しいだろう。ひろくん記事で「基板の作りが良い」と書いてある意味が、この悪例を見て初めて理解できた気がする。
 あと気になったのは、HS付のパワーTrがかなり熱く(70℃位?)なる点と、傍の大型ケミCが僅か液漏れしてた事ぐらい。中古状態としては大きな問題は無さそう。

(使用IC) の型番から機能を検索すると、
TC9147AP FM/MW/LW Digital Tuning System
HA12412 FM IF(クォードラチュア検波)
HA11223W PLL FM Stereo Demodulator
 HD14027BP J-K FLIP-FLOP
 ?メーカ不明 4558D Op-amp
LA1245 AM全般
LB1417 AC/DC Voltage Level Meter
TD6301AP 周波数表示ディスプレイ用ドライバー
 という感じで、至って標準的なFM/AMチューナー構成のようだ。
 ネットには調整記事がなかったのでICとの相関からの推定と試行錯誤で調整した。ひろくん氏と違い、回路追って解析した訳ではないので極めて適当。あまり信用しない方が良いかも。
(調整箇所)
FEの前段部…本機のウリらしい SSS回路と見てパス
・FE横Vt端子…VT確認 76MHz=2.88V|90MHz=20.8V 受信はできてるので確認のみ
・FE内のTC  感度=TP5電圧がmaxになるよう調整
・VR2|T1…多分Narrow関連 TP5がWideと整合するよう調整,Nar.は普段使わないので適当
・T2黒|T3白…同調点と歪 TP1~2間≦±5mV 黒=同調点,白=音質として調整
IF部:
・VR4 IF接続段? TP5最大←変化はあまり無く調整基準が判らないので触らない方が良いかも?
・VR402/403 多分歪補正? 回しても音の変化は殆ど判らなかったのでほぼ中央へ
・VR401/404 メータレベル? 触らない方が良,私は強弱局が判別できる様に微調
・LP201(3色コア) ノータッチ
MPX付近:
・VR201…VCO TP2=76kHzが正道だろうが、全局ST.になるよう合わせる方が簡単
・VR202…Pilot(L/R) スペアナで19kHz最小化 ≦-60dB達成
・LP202/203…多分LPF? キャリヤリーク十分低いのでノータッチ
・VR203…Sep(L/R) スペアナで逆ch最小化 ≦-50dB達成
AM部: ←使わないのでかなり適当
・T305|TC303|T301|TC302…トラッキング調整? TP5max
・T303…IF調整 TP5max
・VR3…不明 受信音質変化アリ←×{Muteレベルやメータ感度とは無関係}
 AM感度調整では Sメータはすぐ飽和するのでTP5電圧で判定する必要がある。

(ANT換装)
 実際使ってると、薄型軽量なため同軸ケーブル直結だと大変扱いづらいので F型へ換装した。背パネルを外し、ANT端子板のハンダを溶かして外し、同軸固定部を取り、その穴をヤスリで広げて F端子を固定し、ハンダ付け直したら無事受信成功。ずっと使いやすくなった。コストも大差ないし'85年にはF型も一般化してた筈だから採用しなかった方が不思議。
 選局ボタンの接触不良はスプレーして何度かpushで徐々に解消。ランプ切れは常用しないので放置。

 調整後の音質は割と良好で単独では不満ないレベル。透明系の音質で低音は少しボンツキ気味だが量感は十分。情報量もまぁ十分。だが、KT1と切替比較するとヌケ&アタック、静寂感で少し負け~全てに90点という印象。実用十分レベルとは言えるが、特長も無いので常用機としては没だ。
 ただ長期放置でも調整ズレが少なかったから安定性は良い(良部品を使ってる)のかも知れないが。

(SSS回路とは何か)
 DENONはシンセでは完全出遅れで、カタログによれば本機は「SSS回路(Super Searcher System)搭載で混信ビート排除」を差別化のウリとしている。だが私の見た所、可変式のトラップ回路にすぎないのではないだろうか(取説も無いので全くの推測)。
特定周波数だけを減衰させるトラップフィルタの中心周波数を変えられる回路がFE前に入ってて、SSS=オンにするとツマミで吸収周波数をSCANでき、その時の受信信号状態をSメータで表示するシステムと思われる。ツマミ動かしていくと局の周波数に一致したと思われる所で Sメータが大幅に減少する事が確かめられた。
しかしツマミ位置(相対fなのか絶対fなのか未験証)はメモリはされないだろうから選局ごとに一々手合せが必要なのかな。放送fの近くに混信fがある特殊なケースには有効かも知れないが、結局FMは多局化しなかったので現状使う場面はない。そもそも多局化対応をカタログに明記してるのにメモリがAM含め合計8局しかないのは完全に矛盾だ。商品戦略的にオカシイ。
 もし他に見落とした機能があるならば申し訳ないが、今の所無用の長物だな。
(追記)
 追加実験した結果、SSSのツマミの変化は吸収周波数の絶対値のようだ。ある局でSを最小に調整すると数MHz程度で隣接する局でもS値が下がる。遠い局の方が影響が小さい。従って妨害波が複数ある時は毎回調整する必要がある訳だ。寧ろ強電界用のRF-ATTとして使えるかも知れない。いずれにせよ、使えるケースは非常に限定的だろう。

 結局、KT770やKT1に2年も遅れ、基板の作りも含めて、これでは勝てない。以降DENONが高級機より普及機に注力したのは方向として正しかったと思われる。単体チューナーの国産メーカとして最後期まで頑張ってたし。

・Victor T-X7 '80.8発 \54.8K

 FX711入手後なので関心は薄かったが、VictorオリジナルのPTL検波の興味と安くてTU950と同梱可能だったので落札。
 80年発売ということはまだアナログの方が音質は上と言われていた時代。Victorはシンセに先進的で、初号機 74年 JT-V20(\160K)の後、78年に T-7070(\160K)を出し、本機で遂にコンシューマー価格帯にもシンセを投入。PTL検波という独自技術も発明して極めて意欲的だった。Sony ST-J75が同じ年で互いにライバル意識かな。YAMAHAはやっとシンセ初号機 T-6を出した頃で、Specからも技術では敵じゃなかった。デザイン面ではビクターの方が模倣的だったが。
(参考)
Vintage FM Synthesizer Tuners http://nice.kaze.com/av/tuner_hist.html
 なおこの表で T-X7は1981年発売となっているが、調べたら'80年8月というデータがあり、こちらの方が正確そうだ。

 初期状態は、Auto-tuneも効いて音は正常そう。当時としては高級ランクだから良部品を使っていたのだろう。パネル照明は切れてた。ボタンは一部青錆あり~この頃の物はメタル製なのでしょうがない。メモリは正常。時代的に標準なのだが ANTが同軸直結型なのが残念。後に TU950同様にF型換装して非常に使いやすくなった。
 ひろくんの記事に沿って調整。PTL検波では同調コイルが1コだけで音質調整の余地が無い。T101は高調波歪調整だが、いじっても音質変化は小さかった。一例だけだが、PTLは調整の再現性が高いと言えるのかな。

 照明が無いとやはりパネルが締まらない印象なのでLEDに換装。通常の低輝度LEDで十分だが、AC10Vが来てるので保護diodeと抵抗を直列に入れる必要あり。ひろくんは青にしてたが私は白(やや暗め)の方が好みだった。元の電球に薄青のCAPが付いてるので、そのまま流用すれば僅かに青みが付く。
 ボタンの錆はJ75同様に錆取りクリームできれいになった。

 音質は澄んだ音で軽く独特の心地よさがある。電波が弱いとSNが落ちるが、ある程度強ければクリヤ。VR上げると高域のサーというノイズが聞こえるのもJ75同様に高域フィルタが掛かってないからだろう。
 基本はKT1と似た透明系で線が細く明るい音。静寂感はKT1比でスタジオ的だが実用十分。KT2と比べると深い音&高分解で少し負けるかな。低音はKT系より引き締った感じで、この頃から既にビクターの音作りの特徴が見える。アタック速度は FX711と比べるとかなり遅い感じを受ける。やはり時代の差はある。
 しかしKT1の3年前に、この音質は立派と思う。デザインもアナログ機と比べればグッとスマートだ。「回顧録」に載ってるからマニア的評価はあったと思うが、それほど売れたという情報はない。PTLもすぐ消えちゃったし、何か問題があったのだろうか。
 現在でもBGMなら使えるレベルだが、KT1を置き換える力はないのでお蔵入り。

・SONY ST-S555ES '82発 \65K

 これも既にESXがあるので関心低めだったが、専用出力ケーブルが欠品という事で安く出てたのを見つけ、試しに入札してみたら競争なく落札できてしまった。ひろくん記事によれば単なるI-V変換回路なので簡単に自作できるハズ。
 初期状態は、無事通電して表示はok。穴開きカバーを開けると例によって埃一杯で清掃が大変。基板は、HSが銅板を曲げた物だったり、抵抗アレイがICでなく個別の抵抗がズラッと並んでたり、ANT切替やMuteが機械式リレーだったりと時代を感じる構成。基板の部品表記は明瞭でVRにも抵抗値が貼ってあって分かり易い。当時は修理や再調整も視野に入れてたからかも知れない。

 音出しのため、出力コネクタにミノムシで抵抗を終端して、万一壊れてもいいAMP内蔵SPに繋いでテスト。さて音は…ANT-A/B共全く受信してない模様で、Muteは無関係=小さなノイズは出てる。
 安い物には訳がある。こりゃ失敗だったかと思いながら、ひろくんHPに沿って調整を試みた。まずFEの電圧:TP3=0.3Vしかない。半固定VRを回しても変わらず、悩んだ挙げ句思い切って回し切ったら急に約2VになってSメータが信号表示した。Auto-tuneも効くようで音はノイズまみれだがかすかに放送が聞こえ、修理の可能性が出てきた。VRをちょっと回すといきなり0.3Vに落ちるのでVRが壊れてると判定。VRに1kΩと書いてあるので手持ちの1k半固定の足を基板に合わせて強引に曲げて交換したら調整可能になった。ヤレヤレ。
 本機ではFEがユニット構成になってて、ひろくんHPでDLできるサービスマニュアルにも内部は触るなと書いてある。内部を見るとLやTCもあるので経時変化は無いのだろうかと心配になるが、実際電圧を合せただけで全局問題なく受信できた。ちょっと納得いかないが良しとする。
 ANT系はリレーが酸化してると思われ、A/Bで感度が大きく違うし切替えてると毎回変化し、たまに良くなる。困ったものだが何度かTRYすれば一応感度上がるので先に進む。
 同調点を調整し STEREOも点灯するようになったが、音は相変わらずノイズまみれ。
ひろくんHPに記載のあるレシオ検波のIFT容量抜けと症例が似てるので、その修理例に習ってIFTにセラCを付けてみよう。本機は点検口があるので作業は楽。IFT102の2次側に20pFをパラってIFT調整したら音質が大きく改善。さらに ST.が消えない様に注意しながら赤コアで音質調整、黒コアで 0mV調整。これを数回繰り返してほぼ直ったようだ。
 VCOは全局でST.になるように調整。19kHzやSep.もスペアナ見て調整し高特性を確認。苦労させられたが非常に良い音になった。

 最後に、I-V回路を何とかしなければならないが、外付けは作るのも面倒だし特殊な4Pコネクタも無いので、内部に作り込む事にした。
ひろくんの解説によると元回路は620Ω+10uFとなっている。この出力CはDCバイアスカット用かと思っていたが、実測すると無信号時DC出力は0mVで直結しても問題ないようだ。コネクタの短絡事故に対しても、回路図を見たらMuting時にリレーでショートしてる位なので問題ない筈。万一外部から電圧が掛かった時に内部を保護するのが目的だろうか。私も安全のため Cは一応入れる事とした。昔よりケミCは格段に小さくなっているので十分内蔵可能だ。
 ミノムシ接続で予備実験:直結の音を基準として、手元にあった緑MUSE=無極性4.7uFを入れると少し荒々しく力強い印象。4.7uF*2個パラにすると高域が少し落着いてバランスは良くなり艶感も出るが分離は低下する印象。電源用ケミC(22uFを逆極性直列)だと少し高域の滑らかさが落ちる気がしたのでやはり音響用の方が優秀なようだ。
次にケミCの代わりに積層セラC=10uFにすると高域も低域も力強く、直結に近い印象なのでこれを採用する事にした。4.7uFもテストしたが差はあまり判らなかった。まあ元と同容量の方が無難だろう。
 実は当初からの予定通りで、セラCはf特や耐久性でケミCより絶対的に優位。今や10uF以下のケミCは積層セラCで殆ど代用可能と考えていた。中国製のセット品だが、多分中身は日本製と推察。50V・10uFの積層チップCなんて日本しか作れない筈だから(最近調べたらサムスンやYAGEOも出してた=日本の先進性も薄れてきたようだ)、それをコーティングしただけだろう。LCRメータでの実測は8uF位で許容範囲。なお6.3V・100uF品も買ってみたが実測したら31~35uFだった。容量は測定条件で変わるから不正とは断定できないが、耐圧も低いのでこれは使用せず。セラCは電圧を掛けると容量が下がるので耐圧が十分高くないと信用できない。
 しかしこの様にケミC*1箇所変えるだけで微妙に音が変わる(気がする)ので、こうやってメーカは音作りしてるのだろうか。大変だなぁ。私の印象だってどれだけ再現性があるか怪しいが。それでもメーカによる音質の差はあると私は感じてしまう。となると、よくある調整記事の様に全ケミC交換とか簡単に行って良いものか…。実際は単に面倒だからトラブルが判明しない限り交換しないだけなのだが。(閑話休題)
 抵抗も手持ちに620Ωがなく470Ωに変更したが、本機はL/R出力レベルが調整可能な設計になってるので多少ズレても問題ないハズ。
 実装は元の4Pコネクタを外して、その固定ネジ穴を拡げてパネル用RCAコネクタを取り付け、抵抗とセラCをRCA端子にハンダ付け。そこに元の4心ケーブルと黒いGND線を配線した。他にも色々なやり方を考えたが、これが一番シンプルだと判断。実際に着手するまでは部品手配等もあり結構時間が掛かったが、できてしまうと全く違和感なく普通のチューナー(≒555ESX?)として使えるようになった。
 ANTリレーは暫く使っている内に B側は安定してきた。A側は切替えて高感度化しても時間が経つと低下する傾向が再現するのでNG。最悪の場合はリレーを外して片側短絡しようと考えていたが、今のところANT-Bで安定に使えている。
 なお長時間通電してもPTがほの温かい程度、P-Trの銅板HSも十分触れる温度で、上級機だけあって熱設計に余裕があるようだ。あとMutingをリレーで行ってるため選局後にLRで出音タイミングが僅かにずれる。J75は電子制御なのに、なぜ本機は耐久性の劣るリレーMuteにしたのだろうか。電源オフ状態で電流出力を完全に短絡保護する為かな?

 音は333ESXと大変よく似てて、しっとり感のある音色でワイドレンジの少ドンシャリ傾向。重低音がボーンと響き、高SNで高メリハリ、細かいニュアンスも聴こえる。検波方式は違うのに同じ印象を受けるからこれがソニー技術陣が理想とする音なのかな。切替えても殆ど違いが判らない位だが、細かく聴き比べると本機はESXより重低音過剰感が薄い気がする程度の差。ただ、Cも変えてるし、単に個体差かも知れない。ひろくんHPでもESX以降の回路はほとんど同じと書いてあるから、音作りとしてはこの時点でほぼ完成していたと言えるのかも知れない。
 アタック速度は FX711と比較すると少し負けるがほとんど問題ないレベル。しっとり音色と相まってBGMやバラード系の曲では寧ろ聴き易いかも。
 FEの5段/4段の違いは遠方局を聴くなら差が出るかも知れないが、私の環境では差異不明。ソニーも4段で問題ないと考えてチューナーは333系に一本化していったのだろう。
 不揮発性メモリなのでコンセント抜いても半永久的に保つ利点もあり、現在でも常用機として使える力がある。しかし旧いから当然故障リスクは高くなるので現在中古で敢えて555シリーズを狙うメリットはないかな~。
(追記)
 スペアナで見てたら555ESの出力には20kHzのLPFが入ってる事に気づいた。FX711や333ESXと切替えると20kHz以上の応答で明らかに差が出る。ESXの頃に設計方針が変わったのだろう。
意識して聴くと高域情報がESXより少し薄めの気もするが、音作りの違いレベルとも言え、音質的に特に不満を感じる程では無い。19kHzのpilot信号も普通は聞こえないのだから20kHz以上の信号は音楽とは関係ないと思う。
 放送局側の帯域進化に適合させたという事だろうか。

(雑談)
 最近昔('80年代以前)の曲が見直されてるようでFMで結構頻繁に流れてるが、それを高級FMチューナーで聴くとバックのサウンドが記憶以上に豊富かつ高音質で驚く。当時は安いラジカセ等で聴いてたので全く気づかなかった音も入っている。'70年以降の録音なら音質も十分良いし、それ以前のヒスまみれの音楽でも意外なニュアンス(味)を感じる事もある。多く言われる通り最新のデジタル臭全盛音楽より暖かみを感じる。何が違うのかは解明できていない。CDの44.1kHzサンプリングより人間の時間分解能は高いのか。しかしハイレゾが出てきてもアナログの音を評価する人は多いようだ。私が聴いてもハイレゾは分解は高くなってる気がするが、アナログとは方向性が違うと感じる。雰囲気的なノイズ(主に偶数次高調波)の影響かな。現実世界ではノイズが存在している方が自然だし。
 あとデジタル音源の尖りすぎるアタックは時に心臓に悪い気もするが、これは寧ろ安い再生機なら問題ないのかな。余り積極的には聴かないけど、ハイレゾの様に情報量が多すぎるのも長く聴くと疲れる気がする。FM位が適度なレベルなのかも。
 まあ理屈はともあれ趣味の世界では自分の感性を信じれば良い。FMは良質のCDやLPと正面から聴き比べると、アタックの鋭さやDレンジの点では敵わない。でも全部のCDを買うのは到底無理だし、音楽鑑賞には十分なレベルの情報量はあるから、こういう楽しみはFMチューナーならではだろう。

 


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