フツーの見方

フツーの論理で考えれば当然だと思うことが、なぜかマスコミでは出てこない。そんな意見を書き残しておきたいと考えてます。

マイナンバーの提出は拒否できる

2023-08-29 | Weblog

 マイナンバーに関してはその目的自体に疑念があるが、運用の仕方は誤魔化しだらけで余りに酷く、国民を敢えて誤解に誘導しようとしている点で全く信用が置けない。
表向きは任意として政府は自身の責任回避しつつ、国民には実質強制と思わせようとしている。明らかに詐欺的手法であり、この様な手口を使う物が国民の為である筈がない。

 まず法律的には、個人はマイナンバー提供は拒否しても不利益は与えられない事が規定されている。一方で事務担当者には税務署に提出する書類にマイナンバー記入が義務付けられている。
完全に矛盾するが、個人に拒否された場合はその記録を残しておけば記入しないで提出しても良いという運用で誤魔化されている。

マイナンバーは提出しなければいけないの? 【弁護士 鹿島 裕輔】
https://www.tobu-law.com/bengosi/711/
 すなわち、マイナンバーの提出に関しては、各法律で各提出書類への記載が義務付けられていますが、提出を拒否された場合の強制力まではありません。つまり、マイナンバーの提出を拒否された場合には、提出書類の受理を拒んだり、行政サービスの提供を拒否するなどの不利益な扱いをすることはできないのです。

 実際の所、マイナンバーが書かれて無くても、税務署は職権で個人のマイナンバーを検索することができるので全く支障はないのだ。
金融機関だって手続きをすれば税務署経由で契約者のマイナンバーを入手できる。だから既存口座でマイナンバーを提出しなくても全く不都合はない。五月蝿い催促を放置してたら勝手に登録されてたりする。
但し、民間の新規契約の時には提出しないと断られる可能性はあるかも。会社側も顧客は欲しいだろうから可能性は低いと思うけど、民間はあくまで自由契約なので。

 ではなぜ事務側には強制しているかと言えば、窓口で「マイナンバー記入は義務です」と言われれば、本来事務側だけの義務なのに、普通の人はそれが個人の記入義務と誤解してしまうだろう。窓口の人間も面倒だから正確な説明はしないだろう。正にそれが政府の狙いだ。
 そこで実際に記入してしまうと、次はその数字が間違っていない事の証明用にマイナンバー入り住民票等と書類の本人である事の証明のために身分証明書のコピーも必要になる。書類取得の為に役所に行かなければならないし金も掛かる。事務的な手間や書類が増加してエコにも反している。
マイナンバー提出を拒否すればこれらの書類も提出不要だ。窓口ではそういう説明も自発的にはしないだろう。
 断る場合、ハッキリと「マイナンバー提出は拒否します」と言うべきで、その方が窓口担当も事情を書きやすいから寧ろ親切になる。無知な職員だとお伺いを立てに行って手間取るかも知れないが、知識のある担当者なら素直に受けてくれるはず。とにかく法的には拒否しても全く問題ない。

 さらに不合理な仕組みとして、受け取った企業側にはマイナンバーを極秘管理する義務が課せられる。

マイナンバーの提出を拒否する従業員に対し、提出を義務付けることは可能ですか? (タヨロウ)
https://www.tis.amano.co.jp/faq_column/2865/
マイナンバー法では、企業に対して従業員のマイナンバーを収集するよう義務付けていますが、従業員の側に提出を義務付ける規定はありません。

ガイドラインに規定されている4つの義務
1)本人確認 マイナンバーが記載された公的書類および身分証明書を確認
2)安全管理措置 組織的安全管理措置や物理的安全管理措置といった細部にわたる対策
3)監督責任 委託先にもマイナンバーの取り扱い状況を確認するなどの対策
4)説明責任 委託先等へ提供に関しても本人に対して用途や利用範囲を明示し説明

 これらは真面目にやったら相当な負担だ。安全管理の手続きを正確に規定するのも結構複雑だし、委託先にまで強制するのは現実には難しいだろう。まして、それらを個人に細かく説明してる企業なんてほとんど無いんじゃないだろうか。
 守秘義務を守るため具体的には、マイナンバー入りの書類は鍵の付いた金庫に保管した上で、その鍵は権限を規定された人しか触れない様に管理しなければならない。そのマイナンバーは役所に提出する時だけに用い、社内でも他用厳禁である。内部管理のための従業員名簿等はマイナンバー記載の無いものを別途作らねばならない。

 以上を厳守すれば大きなコストが掛かるが、企業にとっては全く利益にならない←利益にしたら違法になる。恐らく、場所も金も乏しい中小企業では実質違法状態化していると思う。
 つまり政府が責任を取らない事で各企業に負担を押し付けている訳だ。かつての米穀通帳並に酷い法律であり、現場で破綻するのが明らかだ。
 まともな管理ができず、バイトでもアクセスできる様な環境であれば、当然個人情報が流出するリスクも増える。実際に流出した場合は企業が責任を問われる。政府は絶対責任を取らない。

 本来、役所側で検索すれば企業は無駄なコストを掛けなくて良いし、企業からの情報流出リスクもなくなる。それなのに、国民に提出は義務だと誤解させる為、ついでに役所側の手間を減らす為に、社会全体に無駄と個人情報流出リスクを押し付けている訳だ。
これらは源泉徴収と同じ運用で、他の先進国では企業が徴税コストの負担に反発するのであり得ない仕組みだ。

 一方で、厳しく検査すればほぼ確実に違法行為が見つかるなら、企業への圧力に利用できるので、役所はこの手の運用が好きである。
 一番強力な手段は税務調査で、新聞が政府に都合の悪い記事を載せると、税務調査が入る事が続けば、政府への批判が書きにくくなる。脱税なんて解釈次第でいくらでも指摘できるし、調査に対応する手間だけでも負担が非常に大きいので強力な脅しになる。
マスコミが財務省に正面から盾突けないのは税務署の存在が大きい。本来徴税と脱税調査は強力過ぎるので権力分離すべきだが、それを陰で利用している政府は当然やらない。

 このような詐欺的な手法を使って騙しを仕掛けている物が、国民の為である筈がない。現状大多数の国民にメリットはほとんど無く、企業の事務に無駄なコストを押し付けて企業の利益を削っているだけだ。

年末調整の際にマイナンバーの提出を拒否された場合の対応策 (オフィスステーション 年末調整)
https://www.officestation.jp/nencho/article/538/
現在の法令では、従業員が会社にマイナンバーを提出する義務はありません。
従業員が提出を拒否しているにもかかわらず会社が提出を強く求めた場合には、パワハラなどの責任を追求されてしまいますし、最悪の場合には強要罪等の刑事責任を追及されてしまう可能性がありますので十分な注意が必要です。

社内向けに、住所録や給与計算の目的で従業員のリストを作成している会社が多いでしょう。このリストにマイナンバーを付け加えると、そのリストは法令上「個人情報データベース等」の取り扱いを受け、社会保障・税務・災害対策以外の目的で利用できなくなってしまいます。

一部の解説記事では無知なのか意図的なのか、誤解を招く記述もあった。

マイナンバーは会社に提出する義務がある? (セコム)
https://www.secom.co.jp/business/mynumber/about/requirement.html
 この説明の中で、
"業員等に対して「マイナンバーの記載は法律で定められた義務である」ことを説明し" ←敢えて主語を抜いており不正確。義務なのは企業側だけで個人の側に義務はない。さらに企業が個人に強制したら法律違反の可能性がある事を書かないのは説明不足。
"関係書類にマイナンバーの記載がないことは、従業員等個人の義務違反" ←この記述は完全に嘘。個人に義務は無い。セコムは上記の説明不足と合せて、意図的な誘導をして政府に協力してる様に思える。

 この様にネットの記事は他の情報と比較しないと騙される。大手企業のサイトだからといって正しいとは限らない実例だ。

 少なくとも国民側はマイナンバー提出は任意であり、流出のリスクがある事を理解した上で、提出するかどうかを自分で判断して欲しい。
 ちなみに私は税務署の確定申告、民間の保険金請求時に完全に無視したが、特にクレームもなく、税の還付や引落、保険金の支給は支障なく行われている。
民間金融機関(銀行、証券会社、FX業者)のマイナンバー提出要請も全部無視した結果、勝手に登録された所と未だに登録されていない所もあるものの、どちらでもその理由で取引を止められた所はない。現実に不利益は無いという事だ。


 マイナンバーの運用でも以上のような誤魔化しが横行しているが、マイナカードはさらに無茶苦茶な運用になっている。登録ミスが多数発覚した事で批判を受けているが、政府は人為的ミスと言い訳して逃れようとしている。
しかし大規模システムでは人為的ミスが起きるのは大前提であり、それを防ぐためにシステム側で極力エラーチェックする事が当然要求される。それが出来ていない事が判明した時点で、システムに根本的欠陥がある訳だから、運用を止めてシステム設計から見直すのが当たり前の責任だ。
不具合システムを運用したまま自治体に点検を丸投げすれば現場を混乱させ、自治体の事務作業を崩壊させるか別のミスを誘発しかねない。

 最近地方自治体による臨時職員募集のネットCMが増えているが、これが理由だとしたら無茶苦茶だ。もし臨時職が作業に当たれば、必然的に個人情報漏れのリスクを増やすだろう。

 なぜそこまでしてマイナカードを強制したいのか。当然利権が絡んでいる。まずシステムを作るITゼネコンにとっては大規模化し、紐づけが増えれば予算が増える。当然見返りの政治献金という名の賄賂も増えるし、役人の天下り先が増える。損をするのは国民だけだ。

危険すぎる「マイナ保険証」…!なぜ義務化? (全商連)
https://www.zenshoren.or.jp/mynumber_qa
Q5 国はなぜ、マイナンバーカードを押し付けようとしているの?
A 個人情報を民間事業者に提供して利活用するため

 ITゼネコン以外の大企業にとってのマイナカード利権は個人の情報だ。個人の活動を追跡した大量のデータは分析すれば営業の参考になるからビッグデータとして売買されている。Suicaが情報を勝手に売ろうとして大騒ぎになったが、その様に個人情報は金になるのである。
そこに紐付けられたデータは多いほど、さらに各個人ごとに連携したデータの方が精度が上がるので価値が上がる。しかし一企業では収集できるデータには限りがあり、別企業のデータを集めても個人情報保護の壁があるので連携は容易ではない。氏名や住所のデータはビッグデータに含めてはならないからだ。
そこにマイナンバーという共通キーがあればデータの連携が容易になる。無論マイナンバーそのものの利用は違法になるが、マイナカードに使われているICにもシリアル番号(総務省はマイキーIDと呼称)が付けられていて、その番号は商用利用が可能という抜け道が作られている。

民間向け マイナンバーカードご参考資料 - デジタル庁
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/3f10dd8b-8c2a-4585-9cdc-674ad2112731/32d0bfff/20230224_policies_mynumber_private-business_reference_01.pdf

マイナポイント/よくあるご質問 (総務省) ←この情報は解り易いが、期限が過ぎたら消されそう。
https://faq-mynumbercard.point.soumu.go.jp/kb/ja/article/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%92%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%81%E5%9B%BD%E3%81%AB%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E6%B0%8F%E5%90%8D%E3%82%84%E8%B2%B7%E3%81%84%E7%89%A9%E6%83%85%E5%A0%B1%E7%AD%89%E3%81%AE%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%81%8C%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%80%82
マイキーIDは法律で利用が規定されているマイナンバー(数字12桁)とは異なる記号番号で、マイキーIDからマイナンバー(数字12桁)や氏名や住所などの個人情報を特定することはできません。

 このマイキーIDを使えば複数のビッグデータを統合する事が可能になる訳だ。マイナンバーに紐付けられた情報は商用利用不可だが、このIDに紐付けられた情報は売買できるのだ。
確かにマイキーIDだけから氏名を特定する事はできないが、別途紐付けられた名簿を入手できれば可能になるし、その名簿は各企業に蓄積されてる。流出したら企業の責任であり政府は責任を取らない。さらに、マイナポータルの利用規約には政府の免責規定まで入れているから質が悪い。
今後マイナカードを使う場面が増えるほど、紐づけられた情報が多いほど価値が上がる。
もしも本当に普及すれば、表向きは一応個人の名前は消されているが、その活動が全て把握されるという世界になる。
 それだけでも気持ちが悪いが、闇の世界では当然企業等の名簿が流出して個人の氏名等も紐付けられた情報が売買されるだろう。住所氏名だけでは不正確なのはマイナカードの紐づけミスでも明らかだが、マイキーIDでリスト化されたら個人が完全に同定され、犯罪のターゲットにされるだろう。
 さらに言えば、マイナンバーに紐付けられた情報は政府がその気になれば利用可能だ。用途の規定は省令だから改変は思いのまま。個人の資産状況、取引情報、勤務先、銀行口座等々の情報を握れば税を取りはぐれない。健康診断情報はそのまま徴兵検査に使える。マイナンバー無しでは転入も就職も口座開設もできないなら逃げても追跡できる。

 情報はデータ化されたら必ず流出するリスクが有ると考えるべき。完全なセキュリティは存在しないし、システムをハッキングするまでもなく、金で買収できるバイトや正社員に盗み出させる事は容易だ。個人情報を守るためには情報を分散化して流出被害を小さくするしか手は無い。全てを一つの番号に集約する日本は世界のセキュリティ対策に逆行している。

 国民から金を巻き上げて、自分たちの利権を守ることだけが目的の棄民党政権が強制する政策は国民にとってロクなことにならない見事な実例になっている。

 そもそも国民の命に関わる健康保険システムを変えるなら、事前にしっかりした制度設計と周到な験証を行ってから実施するのが当然である。今のように続々とボロが出て、それに対しいい加減な弥縫策をでっち上げ、地方自治体にすべてのデータ確認作業を押し付ける事では絶対こぼれ落ちる人が出てくる。
 世界でも健康保険とIDシステムの統合は危険すぎるので行われていないのに、IT後進国の日本で上手く行くはずがない。国民が自衛するために、現在の保険証を使い続けてマイナカード拒否を棄民政府に突きつけるしか無い。

 それより利権ばかり熱心で国民の福祉を全く考えていない政権を変える方が本質的だ。しかし国民の半数が選挙権(民主主義)を放棄してる現状では、国民が奴隷扱いされるのは当分避けがたいのか。
 現状に満足しているならともかく、生活が苦しいと感じても投票に行かない人の考えは理解不能だ。
投票に行ってもどうせ社会は変わらない、ではなく、投票して政権を変えない限り絶対現状は変えられない。


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