フツーの見方

フツーの論理で考えれば当然だと思うことが、なぜかマスコミでは出てこない。そんな意見を書き残しておきたいと考えてます。

小型スピーカで遊ぶ (1)

2022-06-15 | Weblog

 サブシステムではパイオニアの S-1300DV(公称22cmの3way)をメインSPとしているが、ウーファーエッジがボロボロに崩壊しており、代替機が必要と考えていた。
フロア型スピーカも絶滅危惧種と知ったので、ネットで色々見回ってたら長岡鉄男氏が推してた小型スピーカがあるという情報を見つけた。それが KENWOODのLS-SG7(LS-VH7説もあり)。
(B級オーディオファン) https://audiof.zouri.jp/ls-sg7.html
 ミニコンポ付属のSPで基本構成は、12cmウーファ+2.5cmソフトドーム の2way。これで高級SP並みの音が出るというのは、にわかには信じがたい。ネットでも評価は二分。理系としては自分の耳で確かめるのが一番。という事で Hオフへ行ったらそのLS-SG7が\3.3Kで出てた。が、よく似た外観のLS-SA7も「旧年式なので処分」表記がついて\1.1Kで出てた。カバーを外しエッジの様子を見たが結構良好でコーンもきれい。様子を見るならこれで十分かと思い入手した。

・KENWOOD LS-SA7 '96発 Avino SA-7(本体R-SA7=\25K位?)付属のSP

 「足跡」にも掲載なく公式的なSpecは見つからず。個人サイトで書かれた数値によれば、
 サイズ:W160×H283×D239mm 重量:4.0kg 12cmコーン+2.5cmドーム インピ:6Ω 入力:30W f特:55Hz~20kHz 効率:85dB/W(?もっと低い気がする)
 KENWOODの同タイプのシリーズは、SA7('96 単体売ナシ)→SE7('97 \16K)→SG7('99 \21K)→VH7('01 \20K)という流れ。
 SE7以降のツイータは逆ドーム型だが本機は普通のドーム型。ユニットが異なっているがお試しレベルなら十分だろう。
 持ち帰ってサブシステムに繋いだらすんなり良い音で鳴った。しかも非常にワイドレンジでビックリした。S-1300DVと切替えると流石に重低音も高域の伸びも及ばないが、非常にフラットな印象で音楽を聴くには十分なレンジは確保できていると思えた。これなら日常的なSPとして十分使えそうだ。
 12cm前後のスピーカーサイズは耳で聴こえる帯域をカバーするにはちょうど良いのだろう。小口径だけにスピード感は優良。ただ効率が低いので50W級以上のパワーアンプでないと力不足と感じる。f特フラットなSPはある程度音量を上げないと真価を出せない。小音量でラウドネスを効かしてもフラットになる訳ではないからだ。
 SG7のオリジナルアンプR-SG7のAB級20W(A級7.5W)出力では完全にパワー不足だろう。その中でSPの潜在力を見抜いた長岡氏の慧眼(耳?)には感服だ。

 小型SPの限界は当然あって fレンジと共に Dレンジもやはり大口径には敵わない。スピーカはコーンの振動で空気を動かして音にする。即ち、音圧はコーン面積×振幅に比例する。だから小口径で大口径と同じ音量をだすにはより大きな振幅が必要になる。しかし振幅には機械的限界があるから、どうしたって負ける訳だ。
ただ、50Hz以下の重低音は耳より体で感じる振動に近く、出せる楽器も限られるからレベルが低くなっても音楽を聴く上では問題は少ないのだろう。
本機は音質比較には十分使えるし、オケを聴いても違和感はない。エレキベースの重低音も腹に響く程度には出る。S1300と切替比較すると体全体を揺するような重低音感は明らかに負けるが、音楽鑑賞として重大な支障はない。

 一方、大口径SPの問題としては、近距離で聴くと音像が大きくなる事だろう。私の場合、S1300から2m未満の距離だと、ピアノ等の大型楽器なら気にならないが、人の声だとちょっと違和感を受ける。基本的に距離が取れない狭い部屋では配置の自由度が大きい小型SPの方が総合的に勝るケースも多いだろう。
 長岡氏は定位感覚が非常に鋭かったと思われるので、小型のSPをより高評価したとも推測できる。氏の設計したスワンやマトリクス型SPは小型フルレンジユニットを使ってf・Dレンジを犠牲にしても音像定位を徹底重視した物で、楽器の定位が前後・上下まで解ると記述していたように記憶している。
 当時記事を読んで、私も真似して作ってみたのだが、残念ながら私にはそこまで定位を聴き取れる耳は無いと分かった。という事で私の評価は情報量と音色の印象がメインで定位に関しては甘々である。大体作業BGMとして聴くことが多いので、音質比較をする時以外は正面からでなく横や斜めから音を流してるから、優秀な耳を持ったマニアのレビューとは違うかもね。
 SA7は音楽鑑賞の情報量としては十分で、12cmクラスでこれだけの音が出せるのは驚きだった。さらに上級の制動力の高いハイパワーアンプで鳴らせば(定格超えるのでちょっとリスキー)、f・Dレンジだって伸びる可能性もあり、長岡氏の言う「本格アンプで鳴らすと高級SP並みの音」に近づくのかも知れない。私は持ってないので験証不可。まあ現状でも十分レファレンスに使える音質と思うので満足してる。

(追記)普通に聴いてるとどうしても重低音不足というかバスドラ等が 3wayに比べ軽い音色で不満を感じていた。試しに思い切って音量を上げてみたら重低音レベルが上ってf特バランスがぐっと良くなってきて驚いた。逆ラウドネス効果とでも言うべきか。音量はクラシック系でないとうるさくて耐えられないギリギリレベル。クラシックだと平均音量は小さいので何とか鑑賞に堪える。高域ノイズもしっかり聴こえてくるのでソースの質も重要になる。
このスピーカーは他の小型SPより大音量時の音の質・分解が優れているように感じた。また 3wayを大音量で鳴らすとSP間のバランスがズレてくる印象も受けたので 2wayの方が有利な面もある。多分長岡氏はこういう状態の音を評していたのかと改めて納得できた。と言っても防音室のない我が家ではさすがに近所迷惑になるので滅多に大音量で鳴らす事はできないが。
 なお大音量で半日ほど鳴らした後、普通の音量に戻したが重低音が前より重く響く音になった気がする。3wayにはまだ及ばないがバスドラが重い響きになって不満が減った。エージング効果か後述のラバープロテクタントの効果か?同時期にやったので判定不可。ともあれサイズ比で非常に優秀なSPと思う。SG7やVH7も多分近いものだろう。

 しかし同クラスのSPも多数販売されている中で長岡氏があえてミニコン付属のSPを推奨したのはなぜかと言う疑問が残る。じゃあ他社のレベルはどんなもんかと、また比較してみたくなった。
 このクラスは種類も数も豊富で中古だと非常に安く(数千円)出ており、遊ぶのに丁度良い。何より小型軽量で設置が楽だ。大型SPは重くて動かすのさえシンドイ。

 小型SPでよく目に付くメーカーはオンキョーとデノンかな、とオークションで探して安く買えたのが、

・ONKYO D-052A '95発 単体売=\20K(ペア) Intec185シリーズのSP

 これもミニコン付属SPだが、単体売りもされたので「足跡」に掲載されてる。検索Hitも多く知名度も結構高いようだ。
 幅157x高259x奥行233mm(サランネット含) 3.3kg 13cmコーン+2.5cmドーム 6Ω 70W 88dB/W 50Hz~30kHz
 オークション人気は薄くて超安値落札。到着後にネットを開けて見たらウーファーエッジがボロボロ。出品時にはネットを外した写真が無かったので気付かなかった。底面カバー紙もペロンと剥がれてる。出品コメントは「写真で判断して下さい」だけで、半分騙され感。オークションはこれだから…。
 しかし旧いSPのエッジが劣化してるのは常識的で、特に90年代の安いSPは薄いポリウレタン製エッジが多く経年で硬化し割れる事が多いというネット記事もあり、要は私の調査不足であった。
 そのまま鳴らしてみたら意外にも低音はそれなりに出て(元々バスレフだし)、寧ろ高音不足が酷い。TONEで高域を目一杯上げてようやく聴けるバランス→一応名の通ったSPなので明らかに異常だ。
でもしばらく鳴らしていたら、SA7と比べなければ、それなりに聴ける音になってきて修理する価値はあるかもしれないと思えてきた。失敗しても惜しくない価格だし。
 という流れでこれを練習台にSP修理に手を伸ばし、遂にはS1300まで直せたので、正に塞翁が馬となった。

 SPトラブルについてネットで調べ、ソフトドームツィーターはコーティングが剥げると音が出ないという記事を見つけた。
Soundcraft Spirit Absolute2 ツイーター修理記(1) ムラサキノオト
https://ameblo.jp/purplesounds/entry-12113905050.html
 実際ツイータ・ドームを触るとフニャフニャで腰が全く無い。要するに柔らかすぎて空気を押せてないと判断。記事の修繕法に添ってパワーエース(木工ボンド)を墨汁で薄めて塗布する方法を試してみた。安いから壊れても仕方ないという覚悟ができるのが中古のイイところ。
 一回塗布したら高音が俄然出るように成ってバランス改善。TONE補正なしでも聴けるレベルになった。ネット情報すごい有益!! だがSA7に比べると中域が強く高域は負けてる感。更に追加塗布してみたがそれ以上バランスが良くなる事は無く、重くなって繊細度が落ちたような感じがしてきた。あわててバフ研磨してみたが元に戻ったかは怪しい。何でもやり過ぎは良くない。
 やり方は別途書こうと思うが、後にウーファのエッジ交換にも成功し、低音もより響くようになって、十分音楽が聴けるレベルに修復できた。
 剥がれたカバー紙も、パワーエースで接着し解決。スピーカーは素人でも意外に直せるものだった。
 エッジもオリジナルとは別物だし、素人が手を加えたので本来の音とは違う可能性が高いが、予備やテスト用としては十分使えるようになったから損にはならなかった。
なお現状よく鳴っているが、SA7と比べ低音の分解が低い気もする。元の音を知らないのでエッジ交換のせいなのかは不明。
 結局 f特がフラットでは無さそうなのでレファレンスには使いづらい。本機は中域感度を上げ、非力なAMPでも鳴らせる事を優先したのだろうか。歌メインだとボーカルが前に出てきて、小音量時でも聴き易い気がする。小さな部屋で聴く用途にtuneしてあるのかも知れない。大音量でロックを流しても結構ノリがいい。
 一方KENWOODは効率を犠牲にしても、チューナー同様あくまでフラットな原音忠実を追及したと言った所だろうか。
 総合としてはKENWOODの広域フラットの方がHiFiとしては上だと思うので、長岡氏の選定は的確であると理解できた。

 本SPはSA7同様に大音量で鳴らすと、重低音は多少増加するが中域がかなりうるさくなるのでやはりバランスが悪い。

・DENON SC-ME33 '04.9発 一体型シスコン ラピシア D-ME33(Op≒3万)のSP

 これもシスコン(エントリー級)のSP。比較的新しいのでカカクコムにデータが有り、ネット記事も見つかり、Specは以下の通り。
 W160xH270xD243mm 2.9kg 防磁型 14cmグラスファイバーコーン+2.5cmソフトドーム 6Ω 50W 効率やf特は記載無。
 個人サイト情報によれば、バッフルはMDF材、板厚は9tでやや弱い、吸音材が入ってない、ネットワークはTweeter(Tw)のCカットのみ=手抜き、で音質評は今一だった。
エッジ修理ができると知る前の頃で、新しい機種ならエッジも大丈夫だろうと予想し、格安だけど一応デノンだし箱が大きめで Woofer(Wf)が14cmなので低音がよく出るかな、12cmとどれほど差があるかな、と入札してみたら競合無く落札。

 到着時、薄く埃はかぶっていたが外観はキレイで、エッジも正常。音も正常に出たが、高域の伸びでSA7に完敗、低域もSA7と大差なし。効率的にはD052と同程度と感じた。
 D052の様にTwの劣化を疑って、ドームにパワーエース塗布してみたが本質的には変わらず。原液塗布まで試みたが塗りムラが出来て大失敗。やはり薄めて塗らないと危険だ。バフ研磨して何とか目立たない程度には修復した。
 単独で聴いていれば特に問題を感じる音でも無いのだが、SA7や改修したD052と切替えると高域がスーと広がるので明らかに差がある。いくらTONEいじっても高域の伸びは及ばない。
スマホのスペアナアプリ(Spectroid)を使って相対的なf特を測ったら、SA7に比べて10kHz以上の高域レベルが低めで、特に15kHz以上はほとんど出ていないように見える。出ないものはTONEでもリカバーできないという事か。低音はそれなりに出ているので、価格的に下の機種では安物Twを使って差別化してるのかも知れない。
 箱はしっかりしてるからTwを替えれば改善できそうだが、購入価格を考えると新規Twの方が高く付くので馬鹿馬鹿しく思われる。それにTwを外してみたら、フレーム一体型だったので市販Twを入れ替えて使うのは難しく、バッフルまで改造となると全く割に合わない。

 やはり価格的に2万クラスのSPでないと SA7の対抗馬にならないようだ。
という事でアブナイ機器の実験用に回し、普段は他の小型SPの置き台という事になった。小型SPではTwの指向性が強い(高域に余裕がない)から、Tw高を耳に近づける必要があり、置き台も必要だ。
 なお小型SPの多くは化粧シート貼りで、重ね置きすると結構滑るので、底面に同サイズでカットした滑り止めシートを両面テープで貼り付けた。クッション&傷防止にも成り丁度良い。マニア目線だといい加減過ぎか。でも上下入替えも簡単だし、結構安定だ。

・SONY SS-M90HD '06.11発 HDDコンポ・ネットニューク NAS-M90HD(Op≒\10万)のSP

 中古店で色々見てたら、真っ黒BODYと銀色アルミコーンが目についた。ちょっと気になってネット検索したが、情報、特に音レビューはほとんど見つからなかった。しかし、アルミコーンの音に興味があり、エッジは良好そうだしソニーで9ナンバーだからそれほど酷い事は無いだろうと思い購入。
NAS-M90HDの仕様 https://www.sony.jp/products/systemstereo/M90HD_spec.html
 公式Specは 130mmアルミコーン+25mmソフトドーム 4Ω だけ。サイズは実測:158Wx239Hx218D(ネット込)mm=前3機より一回り小さく、重量は持つとME33より僅か重い感じなので3kg位か。ユニット配置は左右対称でバスレフ穴は背面。
 音出しは正常で、効率は低め≒SA7と同じ位。聴いた印象ではSA7に非常に近い高域までよく伸びるフラットな音。サイズはSA7比かなり小さく感じるのに低音は壁に近づけなくてもSA7と同程度響く。もしかしてこれがアルミコーンの力かな。金属的な音色という印象は無い。ただ低音の分解が少し負けてるかも。fレンジもSA7の方が端の落ち方がなだらかな気がする。容積の差が効くのかも知れない。やはりトータルでSA7は優秀と思う。
 本機でも高域の伸びが改善するかとパワーエース塗布してみたが、変化は判らなかった。なお機種毎にドーム周りの構造=エッジ幅や凹凸量、バッフルとの距離等が違っていて塗りやすさに差がある。このSPではバッフルが非常に接近してて塗りにくかった。
当たり前だがメーカー想定外の邪道な方法であり、余程コーティングが剥げていない限り効果も薄そうなので、普通はやらない方が良いと思われる。でもオーディオは趣味の世界だから試すのは自由だ。
 本機の音質はワイド&フラットで僅かに重低音ボンつき気味…やっぱりSonyのチューナーと似てる印象を受けた。同じ技術陣がtuneしてるのだろうか。音もSA7比でしっとり感がある…気もするが、多少先入観入ってるかも。
 ともあれ、これもレファレンスに十分使える拾い物だった。単体売りはしてなくてもハイクラス価格帯なのでしっかり作ってるのだろう。
 しかしSA7同様、この低効率SPも20Wのアンプでは実力は発揮できなかったのではないだろうか。50W級以上のAMPと組み合わせるべきだった。実際の売上がどうだったかは知らないけどNet情報の少なさから見て知名度が低い事は確か。勿体ない。

 本SPはSA7同様に大音量で鳴らすと、低音は多少伸びるもののドンシャリ気味なので重低音の伸びはSA7に及ばない。小~通常音量時の方が低音がボンボン響く印象で向いているようだ。

・ONKYO D-032AX '98頃 \17K(ペア) INTEC185シリーズ(CR-185X)のSP

 4台で止めるつもりだったが、他との抱合せで落札。単体売りで「足跡」にも掲載あり。
 幅153x高さ259x奥行246mm(サランネット含む) 3.8kg 12cmバイオクロスコーン+2.5cmソフトドーム 55Hz~35kHz 6Ω 70W 87dB/W/m
 D052Aと比べ、数mm幅狭で奥行が約1cm長い。バッフルが厚い木製で重心が極端に前寄りになってる。サランネットの互換性はない。
 そういえば ONKYOも型番がランクと関連薄く、決め方の根拠が分からない。032もエントリ機ではなく052の後継に近い。SPは同時発売のシリーズにおいては数字が大きい方が上ランクのようだが、他シリーズの数字とはバランスが取れてないし、桁数もまちまち。
アンプはグレードを示すナンバリングの時もあるが、やはり根拠の分からないナンバーが多くて、寧ろ同型番にサフィックスを付けて展開し、途中でグダグダになって数字を変えてる感じだ。
チューナーは上級も低級もほとんど400番台になってる。結局型番からはグレードが判断できない困ったメーカーだ。

 今回は出品時からエッジは一部割れていると明示されていたが、残ってる部分も硬化気味で極薄なためちょっと押したら割れが広がってしまった。経時劣化が明らか。
 音は正常に出て、高域・低域もそれなり伸びてる。感度や音質はD052とよく似てて中域が前に出る感じ。やはりこの音が ONKYOの選択なのか。低音は僅かに軽くて分解が良い気もするが、明瞭な差ではない。逆に、修理したD052も意外にまともな音が出てるらしいと分かった。
音楽鑑賞としては十分使えるが、フラットf特ではないのでレファレンスとしては使えないかな。
 エッジも直したい所だが、音が似てるから急ぐ必要もないかな~。なおエッジの価格が、この半年の間にアホノミクスの円安影響で1.5倍ぐらいに値上りしてた。いい迷惑だ。

 その後しばらく鳴らして比較したら高域伸びは052より良く、感度も052より少し上の感じ。052はTw劣化してた影響もあるからこちらがONKYOの実力か。立上り/立下りはM90より上という感じもする。SA7とは微妙。一方、M90やSA7比で重低域は薄くバランスが劣る。こうなるとエッジ修理する価値もあるかと思えてきた。必要性は薄いのでどうしようかな。

(追記)最近、KURE ラバープロテクタント(ゴム製パーツ保護剤) を入手し、直接スプレーは危険なので紙に吹いて硬化したエッジに慎重に塗布したら柔軟性が明らかに回復した。スゴイ効果、最初に使えば良かった。艶も出て少し押しても弾力があって、低音がよく響くようになりトータルで052より上の音になった。SA7比でflatではないが Vocal曲は寧ろ聴き易いとも思える。
ただし大音量で鳴らすと割れたエッジがビリつくので流石にダメだった。小音量なら何とか使えるという話。やはり本気で使うならエッジ交換が必要だ。
 原理的にはエッジは柔らかい方が良いはずなので、他のウレタンエッジSPにも塗布してみた。硬化が進んでいた032程の変化はしなかったがいずれも柔軟さが多少向上した気がする。音の変化はハッキリとは判らないが悪くは無さそう。但し耐久性は課題。ゴムの性質を変えたという事は劣化しやすくなった可能性もある。使う場合は当然自己責任。私も保証はできない。

 小型SPはメチャ安で出てる物が多いからもっと比較で遊んでみたい気もするが、レファレンス級も2台見つかったし、S1300等も修理でき、さすがに置き場所がなくなってきたのでこの辺で打ち止め。
スピーカーは単に保管しているだけだとエッジの硬化が速まる気がするので、常時鳴らしてやる必要があると思う。しかしチューナーより切替が面倒で使い分けるにも限界がある。中古マニアとしてまだ使える物を捨てるのは忍びないからなぁ。

(考察)
 SPの評価基準として、他の条件が同じなら、重い方が良い可能性が高いと推定できる。空気を振動させて音を出す以上、SPにも反作用の力が掛かるから負けない重さが必要だ。それにキャビネットやフレームやマグネットを強化すれば当然重くなるから、重さと音質に相関が出るのは必然のはず。
実際 SA7を持った時にずっしり重い事に結構驚き、他機との比較パラメータとして重量を体積で割って大きさの違いを吸収する比重を使うことを思いついた。体積はネット部を含まない方が正確だと思うが、サイズ表記はネットを含む値が主流なので今回はざっくり公表値で計算した。あくまで目安なので相対的に同じ基準で比較すれば良いと思う。
ちなみに今回の5種では、
LS-SA7   ⇒比重370 (kg/m3)
D-052A   ⇒比重348
SC-ME33  ⇒比重276
SS-M90HD ⇒比重360位…仮定3kg
D-032AX  ⇒比重390
となって、結構納得が行く相関が出た。ただし低域を犠牲に小形化したSPだと比重は大きく出るから、似た構造で f特も近いSPでないと良い比較にならない。バスレフと密閉型でも違うし、板厚を薄くして箱鳴りを音の一部とするSPもあるので絶対的では無い。ただ必要条件の一つとして、レビュー情報が見つからない時に比重が極端に小さい物は回避するという利用はできると思う。
 データが見つかったいくつかの小型SPで計算してみると、
KENWOOD LS-SG7  ⇒比重350 99年 \21K 11cmウーファ
KENWOOD LSF-777 ⇒比重351 97頃 \90K 15cm
KENWOOD LS-300G ⇒比重347 93年 \60K 15cm
KENWOOD LS-NA7  ⇒比重582 16年 Op≒16K? 8cmウーファ 60Hz~40KHz ←小型SPは大きく出やすい
ONKYO D-200Liverpool ⇒比重392 87頃 \55K 16cm
ONKYO D-032A  ⇒比重371 98頃 \16K 12cm
Technics SB-M300 ⇒比重390 94頃 \66K 14cm*2
Technics SB-M20 ⇒比重377 95 \44K 14cm
DENON SC-F100 ⇒比重333 00頃 \21K 14cm
DENON USC-M50 ⇒比重404 00頃 \22K 12cm*2,3way
Sony SS-M95HD ⇒比重315 07 単体売無(NAS-M95HDのsetで\10万位) 12cmアラミドコーン
Sony SS-M75HD ⇒比重292 07 同シリーズ下位(set実売\6万位?) 12cmアルミコーン →ソニーはアラミドの方が上という判断か?
 これらの値から12cm級SPでは最低300、350超が望ましい比重となるだろうか。しかし価格と比重が正比例でない事も確か。どれほど音質と相関があるかも不確定。
 ちなみにスピーカの口径はJIS規定があるわけではなく、各社が勝手に決めてる自称値らしいのでメーカ間の比較は注意が必要。フレームまで含む例もあり実際のコーン径とは2cm以上差のある物が多い。趣味の世界はハッタリだらけ。
 なお明らかにクラス違いの3waySPで計算すると パイオニア S-1300DV ⇒比重389 は良い値が出るが、Sony SS-G5 ⇒比重249 となってやはり同クラス比較しか意味がないようだ。フロア型は容積大だから低く出るのは当然だ。

 最終的に高価格製品の方が音は良くなるようにメーカも差別化してると思われるので、定価の高い物を探すのが基本だが、当然中古売価も高い。それに中古では保存状態の影響が大きいので、コーンを見て選べる店頭で買う方がSPに関しては良さそうだ。SPは大体大きくて重いので送料が割高になるから、その点でもオークションより有利。
 但しエッジに関しては、機種にもよるが小型SPなら交換も意外に難しくないからエッジ割れがあっても他の状態が良くて格安な物であれば狙い目とも言える。

 

コメント
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