写真は親牛も仔牛も生後まもなく除角した牛たちである。
④除角する(3)
これらの除角を行う場合は、多量の出血が予想されることから、こめかみ周辺を大きめの輪ゴムなどできつめに縛ってから除角することにより、出血がかなり抑えられる。
しかし、何れもかなりの馬力が必要であったり、器具自体に重量感があったり、切断面が窪んでしまったり、一長一短ある。
2)3)5)は、やり方によっては、瞬時に除角出来るが、他は瞬時という訳にはいかない。
体力を差ほど必要としないのは、4)5)であり、ワイヤによる切断は、次第にワイヤに熱が加わるために、止血の効果がある。
器具を用いて角の生え際を切断した場合、何れも直線的な出血に見舞われる。
以前は、こめかみを締めつけることをしていなかったため、出血は想像を絶するものであった。
そのため術者の作業衣は、真っ赤に染まったものである。
止血は、木炭を燃やしハンダごて様の先が尖ったものや鉄筋などを真っ赤に焼いて、出血箇所を焼いて止血するのが一般的である。
出血が収まれば、乳房炎軟膏などを塗布して細菌等の侵入に備える。
また、サルファ剤の粉末を切断面に振り掛けガーゼでカバーすると大事に至らなかったこともある。
止血後数時間支障がなければ、一安心である。
筆者は、何れ除角するなら、生後間もない時期に除角する方が、子牛の除角時の痛みなども軽減され、跡形もなく除角出来ることから、この方法を推奨したい。
以上が除角の道具であるが、願わくば、子牛の頃からコミュニケーションを親密に取り、除角不要のまま牛たちと共存すべきと考えている。
一方、除角ではないが、角にカバーを装着することで競合防止などの効果があるとした角カバーが市販されている。
角が10cm程度伸びた頃に、角カバーをビス留めして装着する。
角カバーの材質は、ゴム製で内部にアルミと思われるものが使用され、左右の角用にコンビとなっている。
装着した角は、月齢が経つに従って、いずれも同じ方向に垂れ下がる。
矯角時に加重を加えることで角を整えているが、牛カバーの自重(片方約150g)のために垂れ下がることが考えられる。
角カバー
角カバーを装着して1年後は角は下向きに垂れ下がる(メーカーのパンフレットから引用)