牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

オレイン酸

2019-05-14 20:04:39 | 和牛産業
 前回オレイン酸について記述してから、1年4ヶ月が経ちました。
その間、オレイン酸値の測定頭数も倍を超し、オレイン酸値が高くなる要因が見え隠れし始めました。
筆者が関係する施設での考察であります。
①雌雄では去勢牛の平均は56.0、雌牛は57.5で比較的雌牛の数値が高い。
②肥育期間とオレイン酸値は、雌雄を合わせて、肥育に問題があり肥育期間が20ヶ月未満の平均は55.0、22-23ヶ月で56.8、23ヶ月以上で59.3と肥育期間が長期になるほど高い数値となる。
③枝肉重量とオレイン酸値の関係は、枝重による差は認められなかった。
④BMSナンバーとオレイン酸値ではBMSナンバー3から9まではの平均値は、ほぼ同様で56~57であり、BMSナンバー10は55.7、11は55.1、12では51.9とかなりの差があった。

前回記述した予測的な内容は、同様の傾向となっている。
上記の条件以外にも、給与飼料、遺伝子などが関わっていると予測できる。


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3 コメント

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Unknown (脱サラの牛飼い)
2019-05-18 13:21:31
貴重なデータありがとうございます。

美味しさに関する取り組みはNJ誌で3回連載する山形県のことが気になります。

牛肉はいろんな調理があるので、美味しさを単純な数値化するのは難しいかもしれませんが、BMSと併用できる物差しがあれば良いと思います。



最近、テレビで牛肉のことを言うときにBMS12や11が1万頭に1頭などの表現を聞いたまま放送することがありました。
ほんまか?ちゃんとデータ調べてから言えよ!て、思います。
,20年前ならいざ知らず、と思いますが、
実際のところは?


和牛のBMSナンバー別格付け頭数割合はどれくらいなのでしょうか?  BMS12はここ10年で急激に上昇していると思いますが、1000頭に1頭ぐらいでしょうか。
BMS (kuroiusi)
2019-05-21 17:35:27
コメントを拝見しました。
BMSナンバーは年々向上しています。全国平均は掌握しておりませんが、当方の施設での結果では、BMS12の発生率は50~60頭に1頭の割合で格付けされています。
発生率の高い血統に絞ればもっと高い割合で出現しています。血統が良く、VAコントロールがうまくいき、そこそこ枝重が出来ればBMSナンバーの高い結果が見込まれます。
Unknown (脱サラの牛飼い)
2019-05-21 20:24:35
回答ありがとうございます。

BMS12の出現率は、1施設での結果とはいえ、自分が思っているより遙かに高いものでした。
我が家は、母系の1~3代祖にyfhが全国平均より多めのことを差し引いても、BMS12の出現率がかなり高いのかと思っていましたが、今回のデータ、血統を考慮すると、特に高いわけではなく、それなりの出現率という感じでした。

今やBMS5以下を出す方が難しい時代になったんでしょうね。

BMS追求に必死にならなくてもよいので、「美味しさ追求にうってつけの時が来た」と言う感じですね。

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