瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

愛の公開トークショー25

2008年08月01日 22時51分26秒 | ワンピース
チャッチャチャチャチャチャ♪チャチャッチャ~♪チャチャッチャ~♪チャラ~ラ~~♪――パパパパパパパン♪

――ナミちゃん(オレンジ)を探せっ!!

本日紹介するナミちゃん(オレンジ)はこちら!――↑旧バージョンの都電です。
今でも偶に観光用の為か走らせてる。
現在は車体に宣伝ベタベタ貼っ付けた、風情の感じられないデザインで哀しい…。


本日2度目の更新は、そろそろ止めておけと言われそうな、あのバトンの続きです。(汗)




●急遽決まった同居生活の事、友達に話す? 話さない?

表示された着信ダイヤルは友人Tのものだった。
3回位鳴らした後、おもむろにボタンを押して出る。


「よお、生きてるかー?」


この切り出し文句は友人T独特のものだ。
つっけんどんな口調に、自分は8月末に約束していた那須旅行の件を思い出した。


「ああ…そういやぁ、スケジュールはっきりしたら連絡するったっけ…」
「毎度連絡してこねーで…どうする気よ?」
「どうしよう……ってか、ひょっとしたら行ってる場合じゃなくなるかも…」
「そんな忙しいのか?夏んなったら少し暇が空くとか言ってたじゃねーか」
「いや~暇は空いたんだけど……実は夏の間、お客さんが泊りに来てだなぁ~」
「お客さん???」


自分はナミさんの件を話そうかと思った…が、直ぐに思い直して止めた。
とても正気の沙汰と信じて貰えるようなこっちゃない。
暫し間を空け考えた末、適当にフィクションを交えて事情を話した。


「えっとだな…突然家追ん出された親戚が、行く所が無く困った果てに、自分ちに来て寝泊りしててさ~」
「お前んちに寝泊り!?……そんな空間無ーだろ?」


自分の家の極めて狭い間取りを承知している友人が冷静に突っ込んでくる。
言われて思わず玄関~ベランダ迄を見回し…「確かに無いな」と納得してしまった。


「何処に寝かせてんだ?まさかベランダか??」
「いや実は今丁度、自分を残して家族全員、田舎に行っちゃっててさ…」
「ふーん…で、お前だけ何で残ったん?」
「仕事が休めなかったから…自分、先に夏休み取っちゃったし…」
「皆は何時戻って来んだ?」
「……そういやぁ、明日帰って来るって言ってたっけ…」
「そしたら困るだろ。どうやって寝る気だ?」
「どうやって寝ようか?」
「知らねーよ。オレに訊くなよ!」


…そうだ…明日になったら家族が帰って来る。
今更ながら思い出し、自分の背中に冷たい汗が流れた。
帰って来て説明を求められて…勿論真実なんか話せない。
暫くは「友人が遊びに来た」で通すとしても…無期限に通用するもんじゃない。
精々3~4日………

………………過ぎたら、どうする?

いっそナミさん連れて家を出て、海の見えるアパートででも暮すとか?
しかし戸籍の無いナミさん連れて、アパート上手く借りられるだろうか??
保証人親に頼むとして…やっぱ説明無くって訳に行きそうもない…。

いかん、頭が痛くなって来た。


「…ゴメン、自分これから仕事だから…」
「おう、じゃあ帰って来たら連絡くれ。今度こそ必ず寄越せよ」


都合良く仕事を理由にして電話を切る。
実際時間が迫ってた事も有り、ノロノロと行く準備に取り掛かった。
そうしながら切迫する事態に頭を悩ます。

タイムリミットは近い。

元に戻る方法を考えるのも重要だが、直ぐに戻れなかった場合、どうするかも考えとかなくてわ。

モヤモヤを抱えて部屋を右往左往してる途中、テーブルの上きっちり用意してある朝食が目に止った。
遅刻する間際に於いても、己の分だけでなく、他人の自分の分まで用意する律儀さが胸に迫って痛い。

何とか…何とかしなくちゃ…!


「けどもう、どうしていいか解んないよ~~~!!!」


己の無力さを噛締めつつ、頭を掻き毟って悩むしかない、役立たずな自分だった。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




珍しく早帰り出来たのを幸いに、自分はナミさんがバイトしてると言う、am/pmに寄ってみた。
雑誌コーナーで立ち読みする人間に混じり、こっそり彼女の様子を探る。
夕方過ぎのコンビニは、会社帰りが引っ切り無しに詰掛け、かなり忙しい。
けれど持前の愛嬌と機転で、上手い事レジを切り回してる様に見えた。
安堵して並んでいた雑誌に目を落とす。
今日はもう木曜だが、発端となったジャンプ34号が、1冊だけ売れ残っていた。

そういえばナミさんがこっちの世界に来てるって事は……

……来週からワンピースどうなっちゃうんだろか?

尾田っち今頃困ってるだろうな。
己の描いた展開を裏切り、ヒロインが突然消えちゃったんだから…。

いっその事編集部に連絡取って、尾田っちにナミさんを引き渡すとか?
「お宅の大切な娘さんを預かっています」とか言って。


『なんかそれって誘拐犯みたいだな』


我ながら笑えない冗談だと心中で苦笑いながら、ジャンプを手に取り頁を繰る。

『ワンピース』をパラパラと捲って読みながら――想像すらしてなかった事実を知り、思わず雑誌を落としそうになった。


――そのジャンプ34号には、ちゃんとナミさんが居たのだ!


反射的にレジの方を振り返って見る。
やはりナミさんはリアルな姿で、店員として働いていた。
再び雑誌に目を落とす。
こっちにもナミさんは確かに居た。
ラスト頁、ゾロとロビンの間に立って。

あっちにナミさん、こっちにもナミさん。

…どうゆう事だ…?

無意識に呟きが漏れる。

慌てて家に帰った。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




靴を脱ぎ捨て玄関に上がり、部屋に無造作に転がしたままだったジャンプ34号を掴む。
件の頁を捲ってみれば、今日も麦藁クルー達は消えたナミさんの名を必死に呼んでいる。


「ナミィ~~~!!ナミィ~~~!!!」
「ナミさぁ~~~~~~~ん!!!」
「おぅ~~~~~い!!!ナミィ~~~~~…!!!」


今度こそ、自分の手からジャンプがスルリとずり落ちた。

パラレルワールドだ…世界が分離しちまった…!
世間に出回ってるジャンプ34号と、こっちの34号と、別展開を辿ってしまっている!
本誌で活躍するナミさんは、あくまで尾田っちが描く展開通り。
ただ、自分が持ってる34号だけが、世界を異にしてしまったんだ!!

どうしよう…どうすりゃいい…?
尾田っちに頼む訳にもいかない、本当に自分自身で何とかオチ着けるしかないんだ…!!

暗澹とした部屋で蹲る自分の耳に、ガチャガチャと鍵を開ける音が届いた。


●帰ってきた彼(女)に言う台詞、『お帰りなさい。○○にする? △△にする?』

「…あれ?今日は先に帰ってたんだ」


ドアを開け、ナミさんが驚いた顔を見せる。
振向いた自分は反射的に態度をシャンとさせ、にこやかスマイルで彼女を出迎えた。


「お帰りなさいナミさんv
 御飯にする?お風呂にする?それとも…自分――」


――メキャッッ!!!


言い終わるのも待たずに右パンチが飛んで来た。


「何処ぞのコックか!!?あんたはーーー!!!?」

「…ああいや…やはりお約束ギャグは守らねばと……グフッ…!!」


●夜ご飯にて、彼(女)に好き嫌いがあった事が発覚。彼(女)の嫌いな物とその時彼(女)が取った行動を教えて下さい。

「帰って来たんなら電気くらい点けなさいよ、暗いわねー」


帰って来るなりナミさんは、即座にエプロンに袖を通し、夕飯の準備に取り掛かった。
自分も慌てて支度を手伝おうと手を洗う。


「何か悩んでたように見えたけど…ひょっとして私が元に戻る手段でも考えててくれたの?」

「まぁ…そんなトコと言いますか…」

「ふーん、で、良い手は思い付けた?」

「いや、ちっとも~♪」


おどけて見せたその顔に皿がぶち当たる。
鼻を押えて蹲る自分の背中に、ナミさんの冷たい視線が、容赦無く突き刺さった。
それ以上会話を重ねる事も無く、2人何時もの様にテーブルを挟んで、夕飯を食べる。
黙々と食べていたナミさんだが、食卓に並んだ白い発泡スチロールを開けて見た途端、顔を顰めて叫んだ。


「何この豆!?腐ってるじゃない!!!」

「あ?納豆の事ですか?…大丈夫、安全な食品ですよ」

「あ安全~~!!?この世界では腐った豆を食べてんの~~~!?」

「あれ?ナミさん納豆食べた事無い?…そういや作品に出て来た事無いっけ?」


あからさまにナミさんは嫌な顔をしてみせる。
彼女の反応を窺いながら自分は作品を反芻し、納豆が出て来なかったかを記憶の内から探った。

確か尾田っちは大分出身…関西以南は納豆と言えば甘納豆。
それなら出て来なくても不思議は無いかも知れない。


「大丈夫ですよ本当、土産話にでもする積りで食べてみては?」
「食べられる訳無いでしょーー!!腐ってるのに!!」
「腐ってるけど安全だから」
「安全な訳有るかっっ!!!!」
「だって…例えばチーズも腐ってるけど、美味しく食べられるでしょう?」
「あれはあれ!これはこれよ!第一チーズはこんな酷い臭いさせないもん!!…まったく、サンジ君は絶対私に腐った物なんて食べさせないのに…!」


ああいかん、完全に臍を曲げられてしまった…。
不機嫌なまま食べ終り、空いた食器を台所に持って行く。
片付け終わると、彼女は着替えを用意し、風呂場へと向った。


「…お風呂、先に使わせて貰うから!」


未だ食べてる自分に顔も向けず一言放つと、ナミさんは脱衣場を仕切るカーテンを閉めてしまった。
独り食卓に残った自分は、さっき知った事実を話すか話さないべきか悩みつつ、納豆をひたすら掻き混ぜるのだった。


●お風呂に入ろうとしたら彼(女)が先に入っていました。腰タオル1つの姿を見てしまった貴女の対応と心の声をどうぞ。

「ねえ、バスタオル置いてないんだけど!」


浴室からエコーがかった声が響く。
片付け途中だった食器を置いて駆けつけると、なんとナミさんは腰にタオルを巻いただけの姿で、ずぶ濡れのまま脱衣場に立っていた。
焦って隣の台所へ飛び出し、仕切りのカーテンを閉める。


「…何赤くなって照れてんの?女同士だってェのに」


閉めたカーテンから、ナミさんがひょこっと顔を出し、不思議そうに尋ねた。


「いいいや!!ナナナミ…ナミさん!!女のコが腰にタオル巻いただけってのはどうかと…!!」
「だーかーら、バスタオルが無いんだってば!
 一応これでも気を遣って、腰にタオル巻いて出たんでしょー」


溜息混じりに言われ…洗濯して畳んだままだったバスタオルの事を思い出し、急いで取りに戻った。
カーテンの隙間から手だけを入れて渡す。
渡した時覗いた胸は、女の自分から見ても、惚れ惚れする程完璧なフォルムだった。


「…あんたってさ…まさかレズとか?」


考えてた事がアレだっただけに、ギクンと心臓が鳴った。


「まままさか!滅相も無い…!」


挙動不審気味に笑って居る自分の目を、彼女の疑り深い視線が貫く。
後ろめたい気持ちを見透かされてる様で、自分はつい目を逸らしてしまった。


「…そういや、あんた私のファンだって言ってたわよねェ?」

「…はい、言いましたです」

「会った時から不思議に思っては居たのよ…。
 私はあんたの素性も何も知らないのに…あんたはどうして私の名前や、過去に泥棒やってた事まで知ってる訳?」

「あーー…それはーー……」


どうやら腹を括るしかないらしい…。

覚悟を決めた自分は大きく息を吸い、ナミさんの目を正面から見詰めて言った。


「取敢えず、服を着て下さい。
 出て来たら、全てお話致しますんで」




その4に続】



性懲りも無く続けて御免なさい。(汗)
多分後1~2回で終ると思うよ。(汗)

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