瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

ミス・メリーのクリスマス雑学講座その5

2005年12月07日 21時02分14秒 | クリスマス
はぁい!ミス・メリーよ!

今日はあの魔女の家、『ヘクセンハウス』について話すわね!


ヘンゼルとグレーテルに出て来る魔女の家『ヘクセンハウス』はお菓子で出来ている、というのが世間の常識の様になってしまっているけど…実はグリム兄弟が生前中書いた『ヘンゼルとグレーテル』内では、『ヘクセンハウス』はお菓子の家ではなかったの。

それじゃあ元々は何で出来ていたのかというと…実は『パン』だったのよ。

グリム兄弟自身、魔女の家をグリム童話の第2版では『小さいパンの家』と呼んでいるのよ。


『小さいパンの家』が何故『お菓子の家』になってしまったのかしら?


『お菓子の家』を創造した人物は、19世紀末にケルンに住んでいたアーデルハイト・ヴェッテという、或る医師の奥さんだった人。

切っ掛けは自分の子供達に、クリスマス劇の台本を書こうと思い立った事から。

クリスマスには演劇をする伝統というのが向うには有って、キリスト誕生といった宗教劇だけでなく、それとは関係無い演目でも盛んに行われていたのよ。


或る時、子供達が『ヘンゼルとグレーテル』を即興で演じていたのを見て、アーデルハイトはそのお話の脚本を自分で書いてみたくなったのね。

彼女はグリム童話等を参考にしつつも、自分のオリジナルな部分をどんどん話に加えて行き、そしてヘクセンハウスは『パンの家』ではなく『お菓子の家』として生まれ変わったの…その方が子供は喜ぶだろうからって。

パンですら手に入らない大昔の貧しい時代のヨーロッパと比較して、この頃はそれだけ生活に余裕の有る家庭が増えたという訳ね~。


出来上がった脚本は、当時フランクフルトで音楽活動をしていた自分の兄に送り、曲を付けてくれるように頼んでみたの。

その兄は小さい歌やデュエットを4曲書いてくれて、更に『子供部屋のクリスマス劇』と言う題まで書き添えてくれたんですって。


 その後彼女の兄はそれを本格的なオペラにまで発展させたの…これがフンペルディンク作曲の『ヘンゼルとグレーテル』、そして1893年の12/23にはワイマールで初演の運びとなり、この事で『ヘクセンハウス(魔女の家)』と言う名のお菓子の家は一気に有名となっていったのよ。

フンペルディンクのオペラは『クリスマスの贈り物』の出し物として定着し、今日でも12月の待降節(アドベント)に入ると、歌劇場の在る街では必ず上演されるようになったわ。


グリムの『ヘンゼルとグレーテル』にはクリスマスの話とは何処にも書いてないんだけど…クリスマスに上演される事で、『ヘクセンハウス』と言う名のお菓子の家は、すっかりクリスマスの物となってしまったのね。


この『ヘクセンハウス』、本家ドイツでは『レープクーヘン』という、粉と香辛料と蜂蜜で練った硬いクッキーで作るのが今では決まりみたいになっているの。

硬い生地だから、しっかりとした家を作るには最適という事みたい。


もう1つ、この硬い生地で作る理由としては――


オランダのクリスマス定番お菓子に『シュペキュラースクッキー』と呼ばれるクッキーが有るんだけど、この『レープクーヘン』同様、蜂蜜と粉と香辛料を混ぜ合わせて練った生地を、動物や人や木の実等の型で抜いて焼いた物で、やっぱり歯が立たない程硬く中々癖の有る味らしいのね。

でも香辛料たっぷりなお陰で、腐らず10年近くは日持ちがするらしいわ――


ヨーロッパやアメリカの家庭では、クリスマスは1年の終りの歳末行事で、日本で言う仕事納め、クリスマス以降店閉まっても大丈夫な様に、日持ちする菓子は必需品という訳よ。




写真の説明~、ハウステンボスで『ヘクセンハウス』と言えば、ホテルヨーロッパのが有名ですが、ユトレヒト地区のパティスリーという店でも飾られています。

沢山のプチシューを使って作ったクリスマスツリーも飾られています(←写真はまた後日)。

中々可愛いので、皆さん観に行ってみて下さい。



 
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミス・メリーのクリスマス雑... | トップ | 『何度も廻り合う』その1 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヘクセンハウスといえば (urouro)
2005-12-08 08:26:58
HTBでヘクセンハウスといえば、私はショップの方が頭に浮かびますね。

そうか最初はお菓子じゃなかったのですね。パンの家の方が実際には立てられそう(笑)



ところでいよいよ明日からHTBに行って来ます。色々癒されて来ますね。



PS、

あの~自己紹介見たんですけど。。。。(^o^;

リボルバーカノン使っていいですか?(爆)
返信する
はぁい!ミス・メリーよ! (ミス・メリー(と、びょり))
2005-12-08 21:29:30
スパーケンブルグのお菓子屋さんの方ね?

以前はあそこにも売り物だけでなく、おっきいヘクセンハウスが飾って有ったのよね~。

もう飾らないのかしら?メリー寂しいわ。



そう、ウロウロさん、いよいよ明日帰国されるのね!

行ってらっしゃい!色々沢山癒されて来てねv



追伸…いやんv撃たないでv(←銃殺)





…いいかげんチキン肌なってるでしょうが…ご安心下さい、取敢えずは今日までです。

自己紹介&ブログ説明も元に戻しますんで。(笑)



ミス・メリー…自分に敬称付けて呼ぶ女、モデルとしてはリカちゃん辺りだろうか?本当に居たら嫌だな~。(苦笑)



コメントどうも有難う御座いました!

どうぞゆっくり癒されて来て下さいねv
返信する
自己紹介は・・・ (urouro)
2005-12-08 21:38:38
戻さないほうが面白いと思いますけど。。(^o^;

(ってもう戻ってるし・・)





それでは行って来ます。

(早く寝なくては:汗)
返信する
や、あれはあくまで… (びょり)
2005-12-08 22:34:38
私でなく(←言い張る)ミス・メリーの自己紹介ですからね~、また彼女が登場する時注目してみて下さい。(笑)



行ってらっしゃい!良い旅を!!(と、しつこく言って済みません)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。