瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星感想その6 ―TVアニメ173話~188話迄―

2007年10月02日 21時07分51秒 | 漫画&アニメ
そろそろ取上げたい話も少なくなって来ましたが(汗)…前回の続きです。


・第173話 帰ってきたヨロイ娘!お兄様がいっぱい 脚本× 演出× 作画○ マニア度○ 総合×

だからオチてないし。(汗)
何で「お兄様がいっぱい」なのか、言わないまま終っちゃってるじゃん!(汗)

「トンちゃんの妹の『飛鳥』は男性恐怖症にしてブラコン。
 毎日実兄であるトンちゃんの風呂に、侵入を繰返していた。(そして毎日トンちゃんは鼻血を噴出させ、怒った母からヤキを入れられていた)

 『このままでは変態兄妹…何とかしなければ!』

 間違った兄妹関係に踏み出すのを心配した母は、男に慣れさせようと彼女を友引高校まで使いに出させる。
 共学の校舎内には、当り前だが男、男、男がいっぱい…
 恐怖のあまり暴れる彼女の前に、竜之介(女)が現れた。
 何処か他の男とは違う(そりゃ女だし)雰囲気を持つ竜之介に、惹かれる飛鳥。
 一方竜之介は、自分が男だという誤解を解きたくて、しきりに自分の胸を誇示する。

 『俺の胸に飛び込め!!――あの殿方は、飛鳥にそう仰りたいのでしょう!』

 誤解した母に焚付けられ、渾身の力で竜之介の胸に飛び込む飛鳥。
 彼女の怪力により、竜之介は校舎を突き抜け、彼方まで飛んで行くのであった。

 『これで飛鳥も、兄妹というものを理解してくれるでしょう。』(←何でやねん?)

 屋敷に戻って一息吐く飛鳥の母。
 しかし飛鳥は全く変り無く、実兄のトンちゃんと風呂を共にしようとし、トンちゃんは今夜も鼻血を噴出すのであった。」

…敢えてアニメの話通りに粗筋書いてみた。
飛鳥の入浴シーンが始めに終りと2度も出て来るけど、始めだけにしとけばオチを入れる時間が有ったと思うのだが…。
オチよりも飛鳥の入浴シーンは大事だと言うのだろうか…?(汗)
「気に食わないなら取上げなきゃいいじゃん」言われそうだが、作画は物凄く良いのですよ。
特に飛鳥としのぶの競争シーンは凄まじい迫力で、観ていて楽しい。
原画を担当したのは河南正昭氏…後にアニメ『美味しんぼ』でキャラデザ&作監を務められる方です。


・第174話 退屈シンドローム!友引町はいずこへ!? 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…映画4作目『ラム・ザ・フォーエバー』の為の実験作だったのかな~と…今思えば。(脚本も同じ井上○樹氏&山崎和男氏だし)
原作で人気の高かったあたるとラムのラブい話を、全く違うテーマで表現した事で、当時ファンからかなり批判された回。
今迄も…ぴえろ時代から原作を大幅に改編ってのは無かった訳じゃ無いけど…「話の主題までガラリと変える」ってのはしなかったんですよ…だから風当たりはかなり強かった。
今観直すと興味深いシュール話に感じるんですが…なら『愛とさすらいの母』みたく完全オリジナルにしてれば、まともに評価して貰えたんじゃないかな~と、勿体無く感じたり。
冒頭のみ原作通り…1本通して観ると、そこだけ浮いて思えるのがねぇ。(汗)

ヒロイン(ラム)の涙で、突然世界が様変わり。
しかし非日常も毎日続けば、何時しか退屈な日常となる。

言わば「非日常の日常化」をテーマにしてるのであって…原作を完全に忘れて、その1点のみに注目すれば、結構楽しめる筈。


・第176話 またまたヨロイ娘登場!嵐をよぶデート 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…原作では5話にも渡る長編なんですよ…それを1話に無理矢理纏めてるので、ダイジェスト版としか言い様が無く。(汗)ぴえろ時代から謎だったのですが、「毎回1話に纏めなくちゃ駄目」と、上からお達しでも出てたのかなぁと…。(汗)毎度作画は最高に良く、特に伊東浩二氏が原画を担当した飛鳥VS飛鳥の母シーンはダイナミック極まれり。男達の扱いが実に惨い。(笑)


★第177話 謎の坊さん登場!鐘つきバトルロイヤル 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…久し振りに巧いパロディ表現を観たよな気が…。(笑)
『マジンガーZ』に『バロム1』、『く○○○○○ン(←18歳未満で解った方、職員室までいらっしゃい)』までネタにする、その徹底したマニアック演出に爆笑した。
何よりテンポが良いんですね~、原作2本を繋ぎ合せてるのに、あまり不自然に思わせないし。
原作では名前の無かった坊様に『言語道断』と言う名前が……良い名前じゃないか!(笑)
原作以上にゲストキャラを立たせていたと思う。
舞台のモデルは立石寺だろうか?(笑)


★第180話 ダーリンのやさしさが好きだっちゃ… 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…「イイ話」としてファンから人気が高く、原作者自身最も気に入ってた話を、アニメでも巧く表現してました。
主にゲストの母親視点で淡々と進ませる演出には、「感情移入し難い」との声も無きにしも非ずだったのですが…ラストシーンを考えると効果的だったんじゃないかなと。
最後の「墓参りに訪れたあたるとラムに、一礼する望ちゃんの母親」というシーンが、印象深かった。
原作では相手の女の子が幽霊と知って、ラムは嫉妬を止めるんですが、アニメでは嫉妬したままで居る…この違いが興味深い。


・第181話 またまた純情キツネ!しのぶさんが好き 脚本△ 演出○ 作画×(好みによるかと) マニア度△ 総合△

…クセの強い作画も有り(『イデオン』の作画等を担当してたスタジオが請負った為)、好き嫌いは分かれるでしょうが、メルヘン調の演出が結構気に入ってたり。挿入されたオリジナルシーンも、浮上がってなく思えたし。スナフキン的キャラ「案山子の三四郎君」登場、この後準レギュラー化します。…久々に良いオリキャラが生れたなと感じられた。
最大の見せ場はケンシロウVSコタツネコかと。(爆笑)
こんだけ学ランの似合わないキャラも居ないだろう。(勿体ぶって登場した割には、あっさり敗退するし)(笑)


・第183話 竜之介 VS 弁天!むなしきお色気大決闘 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…長らく原画担当だった西島克彦氏が、遂に1本作監を務める。(おめでとう御座います)
この方の緻密にして躍動感溢れる作画にはファンが多い。
その証拠にこの時代、うる星の同人やってた人には、「西島」と入ったペンネームが多かったのです。
氏はこの後、『プロジェクトA子(1986年公開)』や『炎の転校生』等の監督を就任するまで上り詰めた…裏方で終るアニメーターが殆どの中、この出世劇は凄いと思う。
あたるの『ユパ様構え(ナウシカ)』やら『闇の甲冑軍団(カリオストロ)』やら、何故か宮崎作品パロが多くて笑えた。
で、お話の方は大体原作通り…舞台劇『新妻鑑』を中心に構成してて、久方振りに爆裂してたと思う。


★第185話 大魔人現る!ラムの危険なお買物!? 脚本○ 演出○ 作画○(クセは強い) マニア度○ 総合○

…徹底した『風の谷のナウシカ』パロに爆笑した。
此処までやれば偉いかと。(笑)
正直原作以上に面白かったと思う。
原作自体『大魔神』パロで、割とあっさり終ってた筋に、巧くナウシカパロを組み込み、訳解らん世界を構築したのが偉い。
ただ他力本願なメガネがらしくなく、あたるの影がひたすら薄いのは残念でした。
ナウシカコスしたラムが可愛い。
物語のラストシーンには、宮崎ファンも感動のあまり、涙流して爆笑するかと。(笑)


・第186話 大変!ダーリンに言葉が通じないっちゃ 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

『リメンバーマイラブ』再び。(笑)
筋、各キャラの役所、作画(土器手氏だし)迄、全て映画3作目そのままだった。
「監督だった山崎氏が、この回の演出だったんだから、当り前」と言ってしまえばそれまでだけど。(汗)
ディーンシリーズに入ってから、あたるがただのガールハント野郎に成り下ってしまったのは、ファンとして哀しい…。
「女好き」である事は、確かにあたるの大事な個性だけど、心のハーレムの中心に居るのは「ラム」ってのが、奴だと思うのだが…。
解釈は人それぞれで、違うのは当り前だと思う…けど観ていて流石に言いたくなったのでした。
その1点を気にしなければ、楽しく観られるんじゃないでしょか?(←投げやり)
でも『リメンバーマイラブ』同様、後半が退屈に思えるかもしれない…。
特別ゲストは岡ひろみ&お蝶夫人。(笑)


・第188話 お見舞いパニック!?悪気はないっちゃよ 脚本△ 演出△ 作画×(好みによるかと) マニア度△ 総合○

…原作話に上手くオリジナルエピソードを挿入してたなと…この頃になると本気でほっとしたり。(苦笑)
口喧しい姑の様なランちゃんが微笑ましい。
ラムとランちゃんの関係ってのも不思議だなと感じるんですが…お互い幼馴染で悪い所知ってるから、気になって世話焼きたくなるのかもしれない。(笑)




…「ディーンシリーズになってから『アニメうる星』から離れました」と答える人は結構多い。
自分も本放映時離れてしまったし…。

ウィキペディアでは「原作のイメージからかけ離れている」、「原作中の諸星あたるとラムの間の恋愛感情描写をアニメに取り入れず、全く内容の違う話にした」等の批判が有ったと述べられてましたが…まぁその通りなんですが…実はぴえろシリーズの頃の作品よりも、ディーンの頃の作品の方が「原作通り」にはしてるんですよ。
じゃ何でそういう批判が起きたかっつうと、「ただ原作通りにトレスしただけ」だったからではないかと。

こっから先は自分の勝手な推理なんで、話半分に聞いて貰いたいのですが…。(汗)


ぴえろ時代、脚本は伊藤和典氏がメインに立って、他の脚本家は殆ど引下げてしまってたそうな。
伊藤氏以外は、押井氏や安濃氏といった、互いに気心知れた演出家主導で、話を練ってたらしい。
スタッフ間が密だったからこそ、シリーズ通してキャラ設定・展開等がズレなかった。

が、ディーン時代に入ると他アニメ番組同様、4人の脚本家がメインに立ち、ローテーションに則り話を作るようになった。
4人の脚本家とは、柳○茂氏、井上○樹氏、土屋斗紀雄氏、島田満おぜう様………………正直凄い豪華な顔触れだなと思っちゃうんですが。(いや土屋氏とおぜう様はいいんですがね)(汗)
4人で順番に書いてるのだから、連携取る必要が有る。
繋ぎ役を担うシリーズ構成は責任重大な訳ですが…ぶっちゃけ今一頼り無かったかなと。(苦笑)

各々原作をアニメ脚本化するにあたり、困った事に気が付いた。
アニメでは1話約30分…しかし原作通りに書き起すと、約15分で終ってしまう。
どうしたか?――もう1本原作から話を持って来て、繋ぐ事にした。
ディーンになってから、急激に原作2本を繋いで1話にするパターンが増えたのは、そいった事情からじゃないかと。

しかしファンからは、あまり評判良くない事が解った。
そりゃそうだ…元は2本の話なのだから、話の軸やオチが2つ在るという不自然さ。
それを誤魔化す為に無理矢理1本に繋ぐから、話全体の構成がガタガタになってしまう。

じゃあ次にどうしたか?――オリジナルシーンを挿入した。
井○氏や柳○氏が特にこの手法で書いてたのですが…残念ながら話の中でそこだけ浮いてしまってた。(汗)
他部分は原作通りに書いてるだけに、話の雰囲気がいきなり変って感じられるんですね。(汗)

もう1つ困った事に…原作にはメガネ達4人組が居ない。
扱いに非常に難儀してた節が窺えるのです。
クラスメートだから絡めない訳にも行かない。
でもキャラが掴めない。
土屋氏のみが、何とか活かしてたかなと。
段々と影が薄くなり…出て来てもラムさんラムさん言ってるだけのオタクとして描写され、人間味を失ってく奴らを見てるのは哀しかった。
メガネ以下の3人なんて、本当に以下略って感じで、メガネと同じ動きで怒ったり笑ったり悶えたりしてるだけだったもんな~。(苦笑)
折角生出したオリキャラが、その個性を失ってしまったのは、残念としか言い様が無く。

演出面でも問題が有った。
腕利き演出家が集まり立ち上げた制作スタジオ『ぴえろ』と違い、『ディーン』は作画専門の下請けだった会社。
演出家が不足してたんだろうな~と。(汗)
いやディーンの頃だって、山崎氏や吉永氏等が、独特な演出カラーでもって、傑作送り出してましたよ。
ただ、ぴえろは当時、アニメ業界で抜きん出た演出力を誇っていた…それと比較されてしまったのは可哀想に感じる。

…何かディーン作品の悪い点ばかり挙げてて申し訳無い。(苦笑)
ディーンになってから良くなった点も結構有るんだし。
それは作画――終盤は別として、兎に角毎回綺麗だった。
それと何度も言ってるけど、しのぶの扱いですね~。

まぁぴえろ時代だって、慣れてなかった最初の頃は、酷いもんだったし。(笑)

『ぴえろ』シリーズのキーワードを挙げるなら、牛丼、立ち食い蕎麦、メガネ…
『ディーン』シリーズなら、校長、キツネ、コタツネコ、しのぶといった、何処か悟ったキャラ達かなと…。




【続】




【私信】

かるらさん…いや~、自分でもよく書けるよな~と呆れるばかりで…此処を見てる多くの方も、きっとそう思ってるかと…気分は動物園のパンダです。(笑)
書く事が好きと言うより、好きな事だから書けるって感じですか。

以前相棒さんがLD持ってるって仰ってましたよね。
自分も昔欲しがりましたよ…。(照)
ビデオでも出すだろうなと思いつつも、LDに描かれたイラストに惹かれましてな。

独断と偏見に満ちたセレクトですが、何時の日か作品観賞の助けになれば、幸いに思います。(笑)




巨人優勝おめでとう。(今丁度決ったようで)

…今年は小笠原と古巣の対決になりそうな…そんな予感が有るな~。(笑)

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