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千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

東京モーターショー 大蛇が走る日

2005-11-03 22:30:48 | Nonsense
Gacktさんが運転したいと言っていた「大蛇」を見てきた。異端の貴公子。流れるラインが独創的で、常識の範疇がはずれる美しさをひめたこの車は、運転手を選ぶ。白馬に乗った正統派王子というよりも、やはり異端審問にかけられるような青年がふさわしい。”奇行士”としてもその行動が常識の範疇からはずれるGacktさんには、実にこの車が似合う。運転するときの服装は、いつもの豹柄できめていただきたい。

さて、この搭載エンジン3300CC、トランスミッション5ATのスーパーカー「大蛇」は、来年いよいよ走るそうだが、開発と形式認証に関しては、トヨタ自動車の協力をえるという。そのトヨタ自動車の高級車レクサスは、展示スペースも広くとって力を入れているが、わんさかと見学者が群がっていたことに、単に高級車というだけでない注目度が感じられる。正直な感想としては、値段のわりにはライバルの外車と比較してデザイン性には劣る。そこはやはり尾張名古屋が発祥の地だから。けれどもレクサスには、技術的に車の進化していく方向性を予感させるトヨタの、優れた知性と哲学を感じさせる。

東京国際自動車会議から最優秀経営者向けの「アテーナ賞」を受賞したカルロス・ゴーン氏は、環境問題にはあまり関心がないようだ。記者会見の席上で、ハイブリッド車はニッチと断定している。技術家あがりでなく、経営学を学んで成功したカルロス氏の役割は、車の未来よりも現実の数字を見ることだった。しかし、車の進化を考えるうえで、安全性とともに環境問題をはずすことはできない。大丈夫だろうか、日産。
確かにハイブリッドは、FCV(燃料電池)に移行するための一時的なつなぎ技術という認識があったが、FCV開発が予想以上にコストがかかることから、現実的な市場への導入は15年先まで見送られた。ホンダは、シビックに搭載しているハイブリッドエンジンを展示している。米国では、ガゾリン価格高騰もあって、プリウスが爆発的に売れているではないか。

さらに安全性でいえば、トヨタはクラウンマジェスタにVDIM(ビーグル・ダイナミックス・インテグレーテッド・マネジメント)システムを導入している。このシステムは走行安全の統合システムともいえるドライバーの目のかわりをするレーダーとカメラを備えて、危険の認知と判断まで行う。さらに衝突が不可避と(運転手でなく)車が判断した場合は、衝突のダメージを軽減するためのブレーキを自動的にかける。この分野では、トヨタはダイムラー・クライスラーとともに世界のトップを走る。
対するホンダは、レジェンドに世界で初めて前後の車輪間だけでなく左右後輪の駆動力を自在に変化させるシステム、SH-AWD(スーパー・ハンドリング・オール・ドライブ)機構を採用している。通常のアクセルとブレーキだけで悪天候にもスリップやスピンを防ぐシステムだ。

このような環境と安全を視野に入れた開発は、自動車を従来の機械部品(1台につき3万品)の総合というよりも、エレクトロニクス・通信や化学の占めるウエイトが高まってくる。日立製作所では、車の鍵のかわりに指の静脈認証システムを研究している。セキュリティ度は、瞳の光彩認識よりも劣るが、指紋よりもガードが固い。車は、単純な工業製品から、知能を備えた複合体に変身しつつある。カーナビを搭載したら、その便利さとともに渋滞の回避や情報収集への更なる期待も高まる。もしかしたら難しい駐車も車が運転手に代わってやってくれるかもしれない。その車は、ハンドルも不要かもしれない。実際Gacktさんの愛車には、エンジンキーも、ドライバーもみあたらない。そしておうちゃくものの私に代わって、居眠りしても目的地まで連れて行ってくれる自動運転車も不可能ではないかもしれない。技術の進化とともに、ドライバーの走る魅力と上手におりあいながら、安全で快適な未来の車の走る姿を「大蛇」に重ねて、そんなことも考えた東京モーターショーだった。

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