ブラッド・ダイヤモンド

Blood Diamond（2006／アメリカ）

監督：エドワード・ズウィック
出演：レオナルド・ディカプリオ／ジェニファー・コネリー／ジャイモン・フンスー／マイケル・シーン／アーノルド・ヴォスルー／カギソ・クイパーズ

永遠の輝き、誰もが憧れるダイヤモンドの価値を決める4つのC〈色〉〈カット〉〈透明度〉〈カラット〉。
実は5つめのC〈争い〉が存在するのだ。
紛争ダイヤ・・・
内戦下のアフリカで、ひとつのダイヤに運命をゆだねる男たちの物語。
キャストは申し分なし。
強烈なメッセージが伝わってくるエンターテイメントな力作です！


「ナイロビの蜂」もそうでしたが、アフリカの現実をまざまざと見せつけられました。
“戦争がなければ楽園”という台詞に、考えさせられた。
紛争のための資金のために不法に取引される血のダイヤモンド。
犠牲になるのは、いつも一般市民。
前半の残虐なシーンに目をそむけてしまう。
石油、象牙などは、アフリカの紛争の原因になることは承知でも、ダイヤモンドがその対象になってるとは、この映画で知りました。
もちろん映画はフィクションですけど、闇ダイヤは存在し、2002年に証明制度も確立されました。

反政府軍RUFによって家族と離ればなれになる、漁師ソロモン（ジャイモン・フンスー）。
目的のためには手段を選ばない、ダイヤ密売人ダニー（レオナルド・ディカプリオ）。
紛争ダイヤの真実をつきとめようとする、ジャーナリストのマディ（ジェニファー・コネリー）。
3人の思惑がからみあい、ソロモンがみつけたピンクダイヤモンドをめぐっての旅でもある。


悲劇なのは、反政府軍によってとらえられ、マインドコントロールされ暴力を強制される少年兵たちの姿。
子供に薬を飲ませ、殺人マシーンに変えようとする大人たち。
われらにはどうすることもできない現実。怒りと悲しみをおぼえます。
重い内容でした。

私たちがアフリカの子供たちを救う唯一のことは、紛争ダイヤを買わないこと（宝石にはあまり興味はないが・・・）
需要があれば供給もある世界事情ですからね。


俳優たちは熱演してます。
実直な父親役のジャイモン・フンスーが、人格が変わってしまった息子に問いただすシーンは泣けそうでした。
ヒューマンな演技に彼の人柄もあらわれていると思った。
ジェニファー・コネリーがよかったなあ。
ディカプリオとの別れがジ～ンときた。（すっぴんでも美しい・・）

レオナルド・ディカプリオは、また一段大きな俳優になりました。
今回は「ディパーテッド」とはまた違う汚れ役。後半はランボーしてました^^
人を利用することをなんとも思わない利己主義な男が、まわりの人間の正義によって感化されていくのですが、豊かな表情、メリハリのある台詞まわし、存在感はばっちり。
オスカーは目の前って気がする。
実力もあり、華もあって人をひきつける俳優ですね。
レオさまを観てるだけで満足でした。

空爆シーンが大迫力！
アクションも満載で、長いわりにはそれを感じさせない、うまくまとまっています。
重い内容を娯楽ものとしたことは悪くなかったと思う。

美しいダイヤの裏側には悲惨な事実があることを、少しでも多くの人に知ってほしいですね。アフリカの子供たちの未来のために・・・

★★★★★（5段階☆は0.5）

「ブラッド・ダイヤモンド」公式サイト

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