今日は体育の日。ということで、ちょっと遠出して福島にある安達太良山に登ります。
安達太良山といえば、高村光太郎の詩『智恵子抄』の中の「あどけない話」の有名な一節
「智恵子は東京に空がないと言ふ、ほんとの空がみたいと言ふ。(中略)智恵子は遠くを見ながら言ふ。阿多多羅山の上に毎日でてゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ。」
が思い浮かびます。
今回は山頂と写真の両方が目的なので、奥岳登山口からあただらエクスプレスというゴンドラリフトで一気に1340mを目指します。しかし始発の午前7時に合わせて乗り場に行ったのに、7時になってもシャッターが閉まったまま。15分ほど遅れてやっと運行が開始しました。東北気質なのか、ずいぶんとのんびりです。
標高差400mをたった10分で上がって、山頂駅から薬師岳展望台に向かいます。ゴンドラの終点から展望台は観光コースになっていて、団体客や年配の方でも簡単に訪れることができるところです。展望台からはこれから目指す安達太良山山頂と斜面の紅葉が見渡すことができます。そして、展望台の隅には「この上の空がほんとの空です」という木碑が立っています。今日は真っ青な空が拡がっていて、「ほんとの空」という表現がぴったりです。
展望台から山頂を目指します。初めは木道や石畳の整備された登山道ですが、道幅が狭く、木の枝も横から被さってきていて、メジャーな山の割にはすれ違いとかがしにくいです。まだ朝一番だから登りの人しかいないけれど、下山の時が心配です。しばらくそんな木々に囲まれた視界のきかない道を行きます。視界は望めないものの周囲の木々が紅葉していて、いい雰囲気です。
30分ほど歩いて、仙女平に出ると、突然青空と紅葉が拡がります。しばらくなだらかな道が続いた後、再び登りになります。今度は視界が開けた明るい道です。だんだん高度も上がってきて、色づいた木々を見下ろすようになってきます。
周囲の木々がなくなってきたなあと思ったところで、突然目の前に山頂のドームが現れます。ここまでくればあと一息です。今まで人とあまり合いませんでしたが、山頂ドーム付近には人がかなりいます。
最後の山頂へのひと登りはクサリもあるちょっとした岩場になっているので、慎重に登っていきます。と、すぐにに標高1700mの安達太良山頂に到着。ゴンドラ駅からわずか1時間ちょっとで山頂にたどり着ける100名山です。しかし山頂は意外に狭く、人もいっぱいいて、風も強かったのですぐに退散します。
帰りはすれ違いが心配でしたが、意外に登ってくる人も少なくてアッという間にゴンドラ駅まで戻ってしまいました。ゴンドラ駅で並んでいると、突然ガタガタと大きな音が・・・。震度4の地震でした。揺れはそれほどではなかったけれど、福島周辺ではまだ余震が頻繁に起こるそうです。10分ほどでゴンドラも復旧。帰りのゴンドラでは福島県内の方と一緒になり、地震の時のお話など、少し伺わせていただくことができました。
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