Kenの遊々気まま日記

山登り、マラソン、旅、演劇鑑賞、写真撮影など趣味の活動を中心に、気が向いた時に不定期に更新していきます。

3年ぶり宮様国際スキーマラソンに参加

2016年02月21日 | 北海道

 いつも訪れている北海道・美瑛町で行われる宮様国際スキーマラソンに平成25年以来3年ぶりに参加しました。前回は20kmの部に参加し、ほぼ最後尾をスノーモービルに追いかけられるように走って(歩いて?)、なんとかゴールしましたが、今回は10km歩くスキーの部に仲間が2人参加するというので、格下げして気楽に走ることにします。

 

2月19日(金)

 とは言え、数年に一度しかクロスカントリーをせず、もちろん本州では練習などできる環境にないので、前々日の金曜日に美瑛入りし、すでに完成しているコースで練習することにします。
 しかし、美瑛についたとたんトラブル続き。午前中に到着し、まずはランチと思い、行ってみたい店に何軒か行きますが、どこも本日休業。シーズンオフの美瑛は、なかなか食事する場所もあてにできません。おまけに車で走っていると具合がどうもおかしい。降りてみてみると前輪のタイヤがペシャンコ。車を借りたレンタカー業者に連絡すると、自己責任で直して、代金も自分持ちとのこと。どうも納得できないので交渉の結果、とりあえず代車をすぐに届けてくれて無事解決。しかしパンク修理費はしっかり請求されました。トホホ。

 気を取り直して、午後は宿主とコースに練習に出かけます。久しぶりにクロカンの板を履くと、立つにも緊張します。いきなり急な登り坂で前へ進むのがやっと。こんなんで大丈夫なのか?しばらくもがき歩くうちにだんだんと思い出してきます。とはいうもののスケーティングには程遠い滑り・・・。下り坂はスピードが出るとコントロールできなくて怖いし・・・。おまけになんでもない下り坂でコケて、肩を打ってしまいました。肩を上げたり、力を入れたりするとものすごく痛い。
 でも、青空も出てきて、人のいない真っさらなコースを行くのは気持ちが良いです。千代田から水沢の周回コースを6kmほど練習して本日は終了。ちょっとは感覚を取り戻すことはできたものの、肩の痛みはかなり不安です。

 

2月20日(土)

 昨日の夕方美瑛入りした千葉県のKさんと2人で、午前中は宮様コースの哲学の木付近で練習をします。XCスキーをやる分には肩の痛さもそれほどではなくて一安心。Kさんも1年に1回この大会に出る時に滑るだけですが、綺麗なフォームで上手い。やっぱりセンスの差かなあ。
 今日も青空の下、丘の高いところを走っているので、景色も見渡せて昨日以上に気持ちが良い。しかしその分この先は下りになっていて、あまり進まないようにします。だって下ったら戻りは上ってこなければならないので、体力的にも時間的に厳しそう。

 このあたりは普段は農家さんの畑になっているところで、このコースができている時期限定で入れる場所。哲学の木もこんな角度で見ることができるのは今だけです。

※しかし、この数日後、この哲学の木が切られることに・・・。これが最後の写真となってしまいました。

 午後は、宿主も加わり、昨日と同じく千代田から水沢の周回コースへ。2人とはペースが違うので、少し違うところからスタートしますが、すぐに追いつかれてしまいます。

夏は水沢ダムとして水をたたえているところも、今の時期は広い雪原。その上をコースは通ります。うっすらと十勝岳連峰も見えてテンションも上がります。

 今日も午前と午後、合わせて10km以上走ることができました。昨日と合わせると16kmほど。明日の本番より長い距離を練習して、すでに満足気味です。

 

2月21日(日)

 いよいよ大会当日ですが、夜半から結構な雪が降って、車にも20cmほど積もっています。圧雪されたコース上にも雪が積もってるはずで、滑るのに苦労しそうです。

 10km歩くスキーの部はファーム千代田の駐車場からスタート。スポーツセンターで宮様の部に出場する人たちと別れて、バスで移動します。今回は同じ宿仲間から自分のほかOさんとUさんが参加しているので心強い。

 10kmの部は参加者も少なく、子供や年配の人が多いのでのんびりしたムード。宮様の部や何回か出た20kmの部とはかなり雰囲気が違います。しかし会場についても風雪は収まらずに、気温は高いはずなのに風が強いので待っている間が結構寒い。テント下の焚き火の前でしゃべくりながらスタートを待ちます。

 9時00分、号砲とともにスタート。といっても飛び出して走る人は少なくて、ほとんどの人がハイキングにでも出かけるように、ゆっくりと歩き出します。それもそのはず、宮様の部と20kmの部はスキーマラソンなのに対し、10kmの部は歩くスキーコースと銘打たれています。

 最後尾からのんびり行きたいというUさんとしばらく一緒に歩きますが、せっかく昨日まで練習したのでその成果も少しは試したいので、しばらくしてから先に行かせていただきます。最初の3kmほどはほぼフラットでスケーティングもどきをするにはちょうど良い。後ろの方では小学生になるかならないかくらいの小さな子供も参加していて、本当にほのぼのした雰囲気です。

 水沢ダムを周回したあとは千代田から三愛へのだらだら登り。いつのまにか雪は止んでいますが、今まで降った雪が結構積もっていて自分の技術では板が全く前に滑っていきません。この条件だとスケーティングの板よりもウロコのある板の方が進みやすい。案の定、坂の途中でOさんに抜かれてしまいました。

 丘の上まで来ると一気に見晴らしがひらけて展望が広がります。このあたりがほぼ中間地点ですが、すでにスタートから1時間以上経過しています。ここからは下りが多くなりますが、2時間を切るのはちょっと難しそう。雪も止んでくれたし、最後まで楽しんで滑ることにします。

 三愛からは急な下りも続き、別の意味で緊張します。クロカンの板はエッジがついていないので、曲がったり止まったりすることが難しい。前々日の練習ではコケて肩を痛めたし・・・。

 最後の登り坂となるところは、コースの半分が吹き溜まっていて、どこまでがコースだかわからないほど。板は潜るし、立ち止まると下がってしまうしで進むだけでも一苦労。

 残り1kmほどのところからは、宮様コースのトップグループに道を譲りながら控えめに走り、丸山橋を超えるとゴールの競技場。河川敷から丸山競技場に入っていく下り坂が最後の難関。短いながら急な坂が2段に分かれていて、両サイドには応援の人がいっぱい。ここでコケたら恥ずかしいと思いながら滑っていたら、案の定コケました(笑)。

 競技場を半周して2時間18分でゴール。マラソンの倍以上の時間がかかるとは、いくらなんでも遅すぎでしょ。滑っていればマラソンより早いのが普通です。20kmの部で出た時でも4時間はかからなかったから、やっぱり遅い。Oさんは自分より15分近くも前にゴールしていました。

  いつもは1時間遅いスタートの20kmの部で、しかも3時間半くらいかかっていたので、みんながすっかり待った頃のゴールでしたが、今回はレーシングチームの皆の前に戻ってきたので、大会会場の雰囲気もゆっくり味わうことができました。

 やはり今回はコンディションが厳しかったようで、多くの人が記録を落とし、戻ってくると皆ヘロヘロ。やっぱり丘は天気の良い時に滑ったほうが気持ちがいいし、練習の時みたいに好きなところで立ち止まって写真でも撮りながら歩くほうが自分には合っているかなあ。


青空と白い峰々の大展望 冬の蓼科山

2016年02月11日 | 山登り

 1日だけの祝日、天気図を見ると快晴間違いなし。先週末雲取山に行ったばかりですが、この晴天を逃すわけにはいきません。しかし、前夜に飲み会が入っていて、それほど遠くには行けそうにありません。早朝出発で、雪山と展望を楽しめる場所として選んだのは蓼科山。冬山の入門としても人気で、コースタイムも往復5時間ほどと手頃です。蓼科山は2012年夏に御泉水側から登って以来で、冬は初めてです。

 朝6時30分過ぎに女神茶屋登山口の駐車場に到着。すでに20台ほどの車が入っていて、狭い駐車場の大半が埋まっています。ちょうど皆さん出発するタイミングで次々と歩き出していきます。

 7時05分に登山口出発。最初は樹林帯を緩やかに登って行きます。前にはスノーシューを履いた団体が歩いていて、人気のコースでもあるため、トレースはしっかりついています。ここのところの冷え込みで雪もしっかり締まっていて歩きやすいです。

 少し登っていったところで、北横岳の肩から太陽が上がってきました。今まで寒々しかった景色が一変して、暖かな雰囲気に包まれます。やっぱり太陽の力は偉大です。

 どんどんと傾斜が強まります。雪が少なくて岩が出ているので、結構段差が多いところもあって大変です。でもまだアイゼンつけなくても行けそうです。

 少し樹々が途切れたところで振り返ると、八子ヶ峰の奥に中央アルプスや御嶽山の展望が広がります。ちょうど1時間くらい経っていたので少し休憩。

 この先もっと急になるみたいだし、アイゼン履いているほうが安心して登れそうなのでここでアイゼンを装着。この冬初めての12本爪の登場です。

 アイゼン付けて歩き始めたら、すぐに平坦な道になりました(笑)。木の葉を落とした木々の隙間から目指す蓼科山が望めます。上の方は神々しいまでに真っ白。でも、まだまだ先は長そうです。

 なだらかな道をくねくね曲がりながら10分ほど進むと再び急登。お椀を伏せたような形の蓼科山、ここからは山頂直下までずーと同じような登りが続きます。北八ヶ岳の多くの場所に言えることですが、夏は大きな岩のごろごろした足場の良くない滑りやすい登山道も、冬は雪で段差が埋まり、一定の角度で登っていけるので夏道よりも断然歩きやすい。北八ヶ岳は冬がオススメです。

 そしてこれも北八ヶ岳特有の縞枯現象。一定の付近だけ立ち枯れた樹々が並ぶさまは、本当に面白いです。冬は立ち枯れた木に雪が付いて、エビの尻尾になったりして、より魅力的です。

 振り返ると立ち枯れの木の奥に、南八ヶ岳の山々が同じくらいの高さになってきました。

 森林限界を越えると、いよいよ頂上が間近に迫ってきます。余りにも素晴らしい青空に吸い込まれそう。空が近い!岩岩だらけの道を、赤いポールを目印に進んでいきます。

 頂上直下に立つ蓼科山頂ヒュッテ。冬は休業中で、北側は屋根まで雪が覆っています。

 小屋から山頂まではほんのわずか。山頂に立っている人まで分かります。

 9時30分、蓼科山山頂。山頂部はグラウンドのように広大です。

 蓼科神社奥宮の向こうに穂高連峰、槍ヶ岳

 蓼科神社奥宮も真っ白です。

 北アルプス・鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山

眼下の白樺湖、車山の彼方には乗鞍岳

 御嶽山、下には諏訪湖

 中央アルプス

 南アルプス

 浅間山、四阿山など

 何と妙高山、火打山などの北信の山々も

 そして八ヶ岳連峰

 360度、日本を代表する山々を望む贅沢な景色。ただし、富士山だけは八ヶ岳の陰になって残念ながら見ることができません。広い山頂部は場所によって風の強さも違って、北アルプスなどを望む西側は結構風が強いけれど、山頂碑のある南側はほとんど風もなく穏やか。結構な人数が登ってきているけれども、広いので混雑感はなくて、皆思い思いの場所で眺望を楽しんでいます。

 10:20 大展望を小一時間ほど楽しんだら山頂を後にし、往路を戻ります。樹林帯に入るまでは、目の前のパノラマを楽しみながら歩きます。ただし岩がゴツゴツと出ているので、立ち止まって見ないと危険です。こんなところで躓いて転んだら洒落になりません。

 樹林帯に入ると、急な斜面を下って行きます。それにしてもこんなに急だったけ?思うほどの急下降。登っているときはそれほどとは感じなかったんだけどなあ。やっぱり、下りより登りの方が好きみたいです。

 そんな急斜面を、この時間になっても、次から次へと登ってきいます。さすがに皆さんキツそうで、もうちょっとですよ~と励まします。

 傾斜が緩んできたところで、たしかこの先は雪が少なくて岩がちになっていると思い、岩の斜面でアイゼンを付けているとかえって引っかかって危険なので、早めにアイゼンを外します。しかし、やっぱり外さない方が良かった・・・。ちょっと雪が凍った岩の上でコケました(笑)

 最後は木々の影が伸びる明るい樹林帯をハイキング気分で進みます。朝はまだ陽が当たらない蒼い森だったので、全く違ったところを歩いているようです。

 11時50分、無事に登山口に戻ってきました。さっきまでいた蓼科山を眺めたくて、近くにあるスキー場の駐車場へ移動。真っ青な空に頂上付近が雪を纏った綺麗な円錐形をした蓼科山が実に美しい。半日で登山を終えたのが惜しいくらいです。

 時刻はちょうどお昼すぎ、お腹もすいています。蓼科には美味しいお蕎麦屋さんが数多くあり、今回はその中で一番気になっていた「手打ちそば『みつ蔵』」さんにお邪魔します。こじんまりとしたお店ですが、素敵な薪ストーブの前にはアイゼンが置いてあったりして、山小屋風の素敵な店内。1人前にせいろは2枚ですが、1枚目がちょうど食べ終わったところで2枚目が出てきました。これも、打ちたて、茹でたてを味わってもらおうとの配慮みたいです。もちろん味も二重丸。ぜひ次もこちらに寄らせていただきます。

 時間も早かったので、帰りは諏訪市内でちょっと寄り道してから自宅に戻りました。

 たった半日ほどの雪山登山でしたが、今シーズン初めて12本アイゼンを付けて歩くことができたし、素晴らしい天気と展望に恵まれて、前日飲み会でキツかったけれども、来て良かったです。ちょっと出遅れた冬山シーズンですが、これから取り戻していきたいと思います。


東京都最高峰 冬の雲取山へ(2日目)

2016年02月07日 | 山登り

 朝4時30分、突然部屋の照明が点いて目を覚まします。どうやら、昨日は電気をつけたまま寝てしまったようです。

 日の出は6時30分過ぎ、山頂までは30分はかかりそうなので、5時45分には出発したい。朝ごはんは5時30分からというので、今回は朝食は抜きにしてもらいました。でも、宿泊者のほとんど全員、朝食付きだったみたいです。

 みんなが食堂に入っていったところで、出発の準備。冬はアイゼンを装着したり、防寒対策をしたりと出発まで以外と時間がかかります。外に出てみると、薄明るくなった夜空には星が瞬き、木々の間からは東京の夜景も見えています。今日の天気は期待できそうです。

 5時45分、予定通りの時間に雲取山荘を後にします。夜のうちに10センチほどの雪が降ったようで、トレースには新雪がかぶり、足跡のないまっさらな登山道を一番乗りで歩きます。

 下ったときはかなりきついと感じた傾斜も、登ってみると思った程ではありません。ただ、風の通り道では新雪が吹き溜まり、トレースが不明瞭なところもあって、ところどころで足首ほどまで埋まって進みにくい。

(うす暗くて、急いでいたので、ここまで写真ありません)

 小屋からちょうど30分、6時15分に山頂に到着。避難小屋で夜を過ごしたという数人が、すでに日の出を待ち構えています。気温は氷点下5度ほどとそれほど低くはありませんが、ときどき暴風とともに地吹雪が舞い、体感温度はかなり寒いです。

 辺りが明るくなってくると、ピーンと張り詰めた凛とした空気の中、ピンク色に染まった空に富士山と霧氷の付いた木々が浮かびあがります。

 年賀状用にいい感じ。標高も2017.1Mと、1Mが1月(Month)と見えなくもない。

 6時44分、東の雲の上から、オレンジ色の太陽が昇ってきて、霧氷のカラマツを染めていきます。自分の後、小屋から上がってきた人や避難小屋にいた人、合わせて10人ほどで感動の時間を分かち合います。

 その後も次から次へと、山頂へ上がってくる人たちが絶えません。ふと自分のザックを見てみると、地吹雪で舞った雪で半分埋まっていて、すごいことになっています。ちゃんと雨蓋を閉めていなかったものだから、中まで雪だらけで、急いで掻き出します。

 さすがに30分以上も吹きさらしに立っていると、手足の末端が冷え切ってきたので、避難小屋の陰に逃げ込んで、朝食にします。お湯を沸かし、コーンポタージュを飲むと芯から体が温まります。しかし、横着してカップを回しながらかき混ぜていたら、中身が飛び出して、ズボンやザックにかかり、一瞬にしてバリバリに凍り、クリーム色に・・・。あとで洗うのに苦労したのは言うまでもありません。
 それにしても日当たりが良く、風がさけられる場所なので、山頂が嘘のようにホッとできます、避難小屋の中では日の出を見て戻った人たちが、片付けをしながら、楽しそうに会話をしているのが聞こえます。テントだとそれぞれで独立してしまうけれど、一つの空間だと、泊まりあった人同士で仲良くなれて楽しそう。今度は避難小屋というのもありですね。

 体が温まったところで、もう一度山頂に向かいます。太陽もすっかり上がって青空が拡がり、見上げれば辺りの木々には霧氷がびっしり付いています。

 さっきは富士山にしか目がいっていなかったけれど、飛竜山の奥には、3000m級の南アルプスの峰々が連なっています。この夏は、あの山脈も歩いてみたいなぁ。

 まだまだ名残おしいけれども、下山しなくてはいけません。これから向かう小雲取山の奥には、地元・丹沢の山並み。ときどき起こる地吹雪で舞う粉雪と霧氷が逆光でキラキラ輝いてとっても綺麗です。

 ちょっと歩くと霧氷のカラマツ越しに富士山が見えて、またまた足を止めてしまう。なかなか前に進みません。しかも胸にぶら下げたコンパクトカメラが寒さでダウンしてしまったので、ザックから一眼レフを出したり閉まったり、容易ではありません。

 夏は岩や段差のある道も、雪に埋もれて斜面になっているため、アイゼンを効かせながらどんどん降りることができて、おまけに雪のクッションのおかげで、膝にもやさしくて、冬山の下りは楽しい。

 小雲取山を過ぎて、ヨモギの頭まで下ってくれば、急な斜面も終わり、広い稜線の石尾根。昨日と同じルートだけれども、天気が違うので、見える景色も全く違って見えます。

 右を見ればカラマツ林の向こうで、いつまでも富士山と南アルプスが見守ってくれています。山を下りていく人も、登ってくる人も、今日の晴天にみんな笑顔です。

 振り返れば、雲取山の山頂(中央右奥)もあんなに遠く、小さくなってしまいました。

 なだらかで広い雪の尾根道、前を歩いている2人も楽しそう。

 七ツ石山への分岐を、今日は山頂を通らずに、巻道に向かいます。ほとんどアップダウンはないけれども、トレースが細く、右側は急な斜面になっているので、アイゼンの引っ掛けには要注意です。

 昨日進んだ七ツ石山からの合流地点で、雲取山荘で相部屋だった方と再会。しばらくお話をしながらご一緒します。ここまでほぼ休憩なしだったので、ちょっと休んでいると、4~5歳くらいの小ちゃな子供を連れた親子が歩いてきました。男の子もチェーンスパイクを付けてしっかり下っています。夏のアルプスで小学生とかは見たことありますが、未就学児で(たぶん)、しかも雪山とはびっくりです。

 朝の山頂は風も強く寒かったですが、下るほどに気温も上がってきて、雪もシャーベット状に緩んできます。日当たりの良いところでは土が見えたりもします。しかし、雪道にくらべて、グチャグチャしていて逆に歩きにくいです。アイゼンを外すのも面倒なのでそのまま歩きます。

 長かった樹林帯も、下に林道が見えてくると、楽しかった雪山歩きもそろそろ終わりです。

 11時10分、登山口に到着です。

 ここからアスファルトの道を5分ほどで駐車場です。鴨沢のバス停に向かう人はここからさらに15分くらい下ります。雲取山は都内からのアクセスも比較的良いので、マイカー派よりも公共交通機関を利用する人のほうが多いみたいです。

 帰りは「道の駅こすげ」に併設されている「小菅の湯」で汗を流します。この間、ランニング直後に温泉に入ったら、血の廻りが良くなり過ぎたのか、のぼせてふらふらになったので、今日は気をつけて入りました。
 ちょうどお昼時でお腹もぺこぺこだったので、ついでに道の駅のレストランでランチをいただきます。マイカーだと下山後に一杯飲めないのが唯一の残念なところです。


東京都最高峰 冬の雲取山へ(1日目)

2016年02月06日 | 山登り

 昨年登った神奈川県の最高峰・蛭ヶ岳は標高1672mですが、丹沢で有名な神奈川より東京のほうが高い山があることは以外に知られていません。その東京都最高峰が雲取山で標高は2017m。来年の年山です。しかし来年の年賀状にするには今年中に登っておかないといけません。しかもできれば冬に行きたいと考えていたので、この冬がラストチャンス。冬に行きたかった理由は3つ。やっぱり富士山は雪が被っているのが一番きれいであること、雲取山から見えるという東京の夜景を楽しむには空気が澄んだ冬が良いこと、そしてなにより宿泊する雲取山荘にあるコタツを楽しみたいことです。

 鴨沢登山口から少し上がった小袖乗越の駐車場からスタート。すでに駐車場には10台以上停まっていて、人気のほどが伺えます。

 舗装された道を5分くらい行くと登山道の入口になります。最初から雪が積もっていて、凍っている箇所もあるので6本爪の軽アイゼンを装着してスタート。

 はじめのうちはきれいに整備された杉林の中を進みます。自分は今のところ大丈夫ですが、花粉症の人はこれからの時期、こんなところに来たら大変なんでしょうね。
 

 すごく大きなザックを担いだ女性のソロの方がいたので尋ねてみると、頂上近くに建つ避難小屋に泊まるそう。あくまで避難小屋という位置づけなんだけれども、山頂にすぐ近い場所なので、無人小屋としてけっこう人気だそうです。それにしても冬はシュラフやマット、防寒着などの装備が大きくて多くて大変です。いつか冬のテント泊もやってみたいけれど、寒いのはツラいなあ。

 いつしか広葉樹の樹林帯に変わって、だんだん雪の量も増えてきました。南に面しているので薄日ながら日当たりもあって、歩いていて暑くなってきます。

 6本爪アイゼンって歩きにくいという記憶だったのですが、こういうフラットな登山道で適度に雪も締まっていると、とっても軽快です。さすがに12本爪だと大げさだし重いし・・・。でも、結構12本爪を付けている人もいました。

 歩いているとときどきカラカラと音がして、上から氷のようなものが落ちてきます。その正体は木の枝に付いた氷。霧氷というよりか木に積もった雪が溶けてそれが再び凍ったようです。天然の氷細工で、はかなくて美しい。今日は日差しなないけれど、逆光で見たらキラキラ光って一層綺麗なんだろうなあ。

 知らない間に堂所を過ぎていて、七ツ石山への分岐の案内が出てきました。初めての雲取山、もちろん七ツ石山に登って行きます。

 少し上がったところにあるのが七ツ石小屋。ちょうどトイレも行きたかったのでお借りすることにします。トイレのある裏手は展望も良いらしい。

 小屋の玄関前の通路は氷が厚く張っていて、スケートリンク状態。アイゼンつけているから良いけれど、うっかりしているとすべって転びそうです。

 玄関前にはこんな告知が。ここの小屋番「雲取サスケ」さん、どんな人か見てみたいけれど、もうすぐ辞めてしまうようです。

 トイレの前からの展望は、残念ながら曇っていて富士山見えませんでした。今回1泊で来るにあたり一週間前から天気予報とにらめっこして、この土日は大丈夫と思って計画していたのですが、だんだんと予報が悪い方に変わって、今日の予報は曇り。これでは東京の夜景はお預けかなあ。

 七ツ石小屋から山頂までは尾根を直登する急な坂が続きます。まだまだ中間地点、これから雲取山への急登が控えているので、ここで体力を使い切るわけにはいきません。

 奥多摩から伸びる石尾根と合流し、樹林帯の中に突如として大きな石がいくつか見えると七ツ石山の頂上も近いです。石は七つ以上あるみたいですが、どうして七ツ石山なんでしょうねえ。

 樹林帯が途切れ、空が広くなってくるとまもなく山頂。

 11時20分、七ツ石山山頂。鴨沢から3時間30分かかったことになります。

 山頂には先客が一人。先ほど七ツ石小屋のところでもお会いした方。今日は新しいチェーンスパイクを試しにきたとのことで、ここから引き返すそうです。話に夢中になっていたら、雲取山方面の写真を撮り忘れてしまいました。下る途中で気がついて、慌てて撮ったけれども、雲取山は木の影に見えなくなってしまっていました。

 石尾根は広くて快適な縦走路。晴れていれば左に富士山を見ながらの展望の道ですが、今日は曇っていて近くの山しか見えません。

 奥多摩小屋の前で、昼食。ここまでくれば雲取山まではあと1時間ほど、小屋にも14時には着けそうなので、ガスストーブを使って温かい食べ物をと思っていたものの、ベンチや椅子がほとんどなくて、唯一あったベンチも先客が使用中。仕方ないので、雪を踏み固めて、地べたに座ってお昼です。

 お腹も満たされ、ヨモギノ頭に向かって前の人を追い越しながらズンズン登って行きます。てっぺんから振り返ると七ッ石山からの石尾根縦走路が白くラインを描いて続いています。こうやってたどってきた稜線を見るのって本当に嬉しい。

 一旦下って、今度は小雲取山への急斜面をジグザグに登って行きます。きついけれど、こういう登りがいのある傾斜、けっこう好きです。(少なくとも階段よりもは断然良いです)

 ここを登りきると、一段上の山頂に雲取山の避難小屋が見えてきました。

 登山道の東側は樹林帯になっていて、その樹々は雪と氷の芸術品です。

 木々の先端からツララ(なんかサルオガセみたい、っていうか夜見たら相当怖い)

 霧氷というよりか、枝を氷がコーティングしています

アップで見ると枝の太さの数倍にも育っています。

 葉っぱの上に、氷の葉っぱ

 こんなのを観察している間に、13時50分、雲取山山頂に到着。雲取山の山頂は東京都と埼玉県の二つがあって、こちらは東京都の山頂。

 視界はあるけれど雲が多めで、期待した富士山はやっぱり望めませんでした。日差しもなく、風も冷たいので長く山頂にいられません。早く小屋に着いてコタツに入りたい一心で先を急ぎます。

 雲取小屋に向かう道は結構急な下り坂。明日の朝一番でここを上がってくるのは、しんどそう。

 20分ほど下って、雲取山荘に到着。とても立派で綺麗な小屋です。

 小屋前のトイレ入口にはこんな看板が・・・。気持ちよく出せそう(笑)

 さっそく受付を済ませて部屋に案内されます。20畳もある大部屋に1番乗り。コタツに足を突っ込むと温かい~、幸せ~。でも、足は温かいけれど、部屋の空気は冷えていて上半身は結構寒い。
 コタツで記念撮影。やっぱりコタツにはみかんでしょ。(わざわざ持ってきました。本当はかご盛が良かったんですけど・・・)

 一人でいても寂しいのでロビーに降りていくと、ロビー横の談話コーナーで、ストーブを囲んで秩父からきたという3人の方が早くも一杯を始めています。ちょうど自分も飲みたいなと思っていたところで、仲間に入れさせてもらいます。何と3人でビール12缶、焼酎をペットボトル1本、他にもいろんなアルコールがたくさん。お酒関係だけで1人2kgくらいになったそうです。普段はテント泊なので、小屋で買わないで自分たちで持ってくるのが習慣だとか・・・。アルコールが登る原動力?でも帰りは楽だそうです。
 自分は焼酎を最初はお湯割り。途中でお湯がなくなったので、小屋の方に水をもらおうとしたら、冬は水が貴重だから必要な分(コップ1杯分)しかくれないとのこと。量を増やすため、外のツララをとってきて、ロックにします。

 いい気持ちで部屋に戻ると、全員で7人。コタツは2つなので、一人1辺は確保されそうです。

 夕食のあとは、コタツに入って、部屋の方たちと山談義。共通の話題で、いろいろなへえ~を聞いたり、情報を得たり、同じ考えだったり、小屋で偶然出会った人同士の語らいの時間はやっぱり楽しいです。でも、コタツって入っているとどうしてこう眠くなるんでしょうか。消灯時間前には各々の体勢でいつの間にか眠りについていました。