今年は寒い日が多くて、関東周辺の山でも雪がけっこう積もっています。雪の積もった中を歩くのはまだ良いけれど、それが融けたぐちゃぐちゃの登山道は歩きたくないです。せっかく登るなら展望も良いところということで、今年最初の山は山梨県にある大月市秀麗富嶽十二景の一つ、高川山に行くことにしました。
事前に調べてみると高川山の登山口には駐車場がほとんどなく、JRの初狩駅からか、富士急行の田野倉または禾生駅から歩くことができるようです。ということで、今回は初めて電車での山行となりました。
JR橋本駅近くの駐車場に車を置いて、横浜線で八王子に出て、中央本線に乗り換えます。八王子始発の各駅停車の電車には、山登りと思われるザックを持った人が乗客の半分ほどもいます。高尾で降りた人は高尾山、梁川で降りた人は倉岳山、高畑山でも行くのでしょうか。初狩駅着7時27分、ここで降りた人は自分のほかに夫婦と男性一人の3人だけでした。道が判らないので、一番あとから出発することにしました。
初狩駅からスタート
大月市は秀麗富嶽十二景の整備に力を入れていて、駅から登山道までの案内も各所にあって迷うことなく進めます。集落が途切れると林道の道を登っていきます。線路を挟んだ反対側には滝子山が端正な姿を見せています。20分ほど歩いて、沢沿いの林道から斜面を一気に登っていく登山道へと入っていきます。明るい樹林帯をジグザグに登り高度を稼いでいきます。ジグザグ道が終わると、今度は斜面を一気に直登していきます。左側にオレンジ色のネットがありますが、何のためのものかは良くわかりません。
斜面を直登していきます。左側にオレンジのネットが続きます。
ネットが途切れたところで登山道は男坂と女坂に分かれます。男坂はこのまま直登、女坂は尾根を巻きながら登っていくようです。久しぶりの登山でゆっくり登りたかったので今回は女坂を選びます。
左が男坂、右が女坂
山行記録などをみると結構人気の山のようですが、今日は駅で見た3人以外を全く見かけません。男性の一人の人はハイペースで私より先に上がっていってしまいました。夫婦の方は分岐の手前で追い抜かせていただきました。
女坂は急ではないものの、ところどころ道が片流れしていて歩きにくいところもあります。雪など降ったあとで滑りやすいとちょっといやかもしれません。沢沿いの林道からの道と合流すると、登山道は方向を変えて進んでいきます。分岐から30分足らずで男坂と合流します。男坂は合流地点から見てもかなりの角度があるので、最短距離を、急勾配で登ってくるルートのようです。
合流地点から先は北側の斜面を行くため、落ち葉の上に雪が見られるようになります。傾斜はそれほどでもなく、アイスバーンにもなっていないので、サクサクと気持ちの良い音をたてながら登っていきます。ほどなく、駅で一緒に降りた単独の男性の方が降りてきました。登るペースも早かったようですが、山頂もちょっとだけ見て下ってきたようです。
最後は雪の上を進みます
午前8時50分、山頂着。登山道に入ってからちょうど一時間ほどで着いちゃいました。たいして息のあがるところもなく、あっという間に着いてしまった感じです。天気予報では晴れということでしたが、高曇りで、富士山の絶景も今ひとつ冴えません。遠く南アルプスの山も見えていますが、そちらもイマイチです。
高川山山頂
お茶を飲みながら山頂を独り占めしていると、田野倉側から夫婦が、そして途中で追い抜いた夫婦も登ってきました。東側に目を転じると九鬼山の麓にリニアモーターカーの実験線がまっすぐ伸びているのがよく見えます。こんなに自然を傷つけてまで、必要なのかなとも思ってしまいます。
下に見えるはリニア実験線
帰りは田子倉側に下山します。山頂から下りる岩場に雪があって、ちょっと滑りそうです。軽アイゼンを持ってきているのでそれをつければ何ともないところですが、ほんの数メートルなので、しゃがんで木や岩につかまりながら慎重におります。
むすび山経由の大月駅への登山道から右に折れ、樹林帯の斜面を一気に下って行きます。落ち葉がふかふかして気持ちが良い道です。すれ違う人も全くなく、自分の落ち葉を踏む音だけがあたりに響きます。
中谷(田野倉駅)方面に下ります
小一時間ほど下ったところで、舗装された林道に出ます。ここから中谷集落までの林道は南側が斜面のため陰っていて、雪がうっすらと残っています。ところどころアイスバーンにもなっていて、ここが一番気を使いました。
危険な林道
中谷集落から田野倉駅までも案内の看板があって、迷うことなく歩けました。そしてこのあたりの集落の方たちは、知らない私にも挨拶をしてくれて、山に登ってきたのかい?と声をかけてくれるとっても気さくな人が多かったです。
山登りの終点、田野倉駅
今回は3時間程度の簡単な山行でしたが、夏のアルプスに向けて、これから徐々にレベルを戻していかないといけません。