けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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鼻うがい

2006-11-30 07:04:44 | カゼ対策と予防
鼻うがいをしたことのある方はいらっしゃいますでしょうか?
これはなんだか苦しそうですね。プールで水が鼻に入るとカァーン!とかツゥゥーン!とかしてとても痛く感じます。
鼻に少し水が入っただけでこんなに痛いのに、これでうがいなんでとんでもない!と私も思っておりました。
しかし、ある日思い切って塩を入れたぬるま湯でうがいをしてみると、そのときはウグウグと苦しいのですが、あとが大変爽快なので驚いたものです。

鼻うがいは間違いなくカゼやアレルギー疾患発症のの予防と対策になります。頑張ってやってみましょう!

まずコップにぬるま湯を入れます。ポン酒のようにヒトハダがいいでしょう。
そこにお塩を一つまみ。この一つまみが多すぎるとしょっぱすぎるし、少なすぎると鼻がつーんと痛くなるので、おすまし程度にしましょう。
これを鼻にあてて吸い込みます。ちょっと怖いですね。なれないうちはゾウさんになったと思って、鼻の付け根くらいまでこの水が到達するくらいでやめて、ふんっと噴出してしまいましょう。
何度かしていると、少量の塩水が鼻の奥を越えて喉に落ちてくるときがあります。これは喉を通ってガフッと口から吐き出されます。
こうなったらしめたものです。あなたは塩水なら鼻から喉に通しても痛くないんだということに気がつくでしょう。

鼻からジウッとすって喉口からガハッガハッとだします。このときの顔は凄く情けなくて、人には見せられないので、私は洗面所の戸を閉めて誰にも見せません。
そうこうしているうちにコップ半分以上の水が消えてゆきます。爽快感と満足感でいっぱいになります。だまされたと思ってやってみてください。

ときとして、塩水に驚いた喉が少しいがらっぽくなることがあります。こんなときは塩分を少なくして根性で続けるか、2-3日やめてまたはじめてみましょう、そうすると喉がなれて塩水の刺激に強くなっているのを感じることができます。

これ続けるぞ!と思った方は、自然塩、いわゆる海の塩にしてゆくことをお勧めします。
さあ!勇気をだしてトライしてみましょう!!健康バンザイ!!


婦人科系の自宅基本治療、三陰交のお灸

2006-11-27 11:46:40 | 婦人科系疾患
婦人科系疾患の患者さんはたいてい、A)貧血タイプでからだを温める力が不足しているか、B)瘀血(オケツ)タイプといって血の巡りが悪くなっているために、特に下腹部のめぐりが悪くなっていろいろな症状がおきているタイプに分けられます。
簡単に見分けるには、ディズニーのシンデレラ姫を思い浮かべましょう。
細身で色白で可憐なタイプがシンデレラですね?このような方は貧血タイプです。

そしてシンデレラを助けるメイドさん(確か心の優しい妖精が化けていたと思いましたが、、)タイプが瘀血(オケツ)タイプというわけです。がっちりとしていて力持ちでガンガン洗濯ができて、、愛嬌があるあのキャラクターです。
もちろん典型的なタイプもありますが、この2種類のC)複合タイプもあります。

ご自分で判断されるのもよいですが、心が優しくて正直なご主人やボーイフレンドに判断してもらいましょう。恨みっこなしで、、、その彼がAといったら愛されていて、Bといったら正直でいい人で、Cといったら彼は優柔不断だなどと決め付けないで素直に聞いてあげてください。

瘀血(オケツ)はこのほかに交通事故や、腹部の手術、長年の格闘技などでからだにつよいショックを受けた方々にも発生いたします。

鍼灸治療も漢方薬治療も必ず体質改善を行いながら、必要であれば個別の病名に対する治療もいたします。今回は自分でできる治療として三陰交(サンインコウ)のお灸のお話をいたします。

三陰交(サンインコウ)の場所は足の内側の踝(クルブシ)の真上3寸で、すねの骨のやや後にとります。
この3寸というのはご自分の手の幅で、だいたい人差し指の付け根から小指の付け根までの距離です。
場所がわかったら人差し指の指紋のところで軽く触ってみると、ああこれが穴(つぼ)だなという感じがするものです。もっと詳しいとり方はインターネットで調べてみてください。いろいろな説明を見ることができます。

ここにお灸をします。毎日1回1壮から3壮づつです。お灸は1壮2壮と数えます。
夜寝る前がよいでしょう。ただしお風呂上りは特に熱く感じますので要注意です。
ここではインスタントのお灸を紹介しておきます。そこがシールになっていてライターで点火するだけなので簡単です。本式のお灸の仕方についてはいつか回を改めてお話したいと思います。
http://www.sennenq.co.jp/
このレギュラーがよいでしょう。ほかに長生灸とか釜屋ミニとかいろいろなブランドがあります。
いわゆるレギュラーといわれる商品があまり熱くなく、跡も残らず、或いはやめたら2-3週間で跡が消える程度の強さです。また、お灸をするときは必ず水を張った灰皿などを用意しておきましょう。消えたと思ったお灸でも必ず水につけて消化をしましょう。

穴(ツボ)はいろいろありますが、目移りしないで左右の三陰交(サンインコウ)一穴を毎日毎日せめましょう。
婦人科系にはこれが一番効果があります。
これは少し特別な例ですが、ある冷え性と肩こりの30代半ばの女性が毎週来院して鍼灸治療を受けていました。彼女はここのお灸をした後に両足が温まって気持がよい、肩こりも軽くなるということを体感し、それがうれしくて毎日頑張ってお灸をすえていました。4ヵ月半ほどたった頃、脈を診てみると妊婦さんの脈になっています。
その話をすると「絶対にそんなはずはない」とのこと。彼女は以前3年以上西洋医学の不妊治療を受けて効果がなく、医者には無排卵月経だと診断されてとてもつらい思い出だったので、私の最初の問診の際に話さなかったとのことでした。

先ずは尿検査をしてもらったのですが、陰性、、、彼女は少し気を悪くされたようです。しかし、その一週間後にもまだ妊婦さんの脈がでているので、とにかくだまされたと思ってもう一回だけ検査してとお伝えして治療を終わりました。これで妊娠していなかったら私はこの患者さんを失ってしまったな、、、と思っていたところ。
翌日彼女が駆け込んできて、「妊娠してました!!!」とのこと。本当にうれしい思い出です。
それからもこの三陰交のお灸を続けてもらって、臨月近くには逆子の防止と、安産のために足の小指にある
至陰(シイン)というツボにお灸をして、その後彼女は無事にかわいい女の子を出産されました。
お灸が無排卵月経を飛び越えて安産までいった例です。

正式な体質改善はちゃんと鍼灸や漢方薬の専門家に体質の変化に応じた、「さじ加減のある治療」を続けてもらいながら行うことが大切です。
しかし、このお灸は婦人科系に絶対的な効果がありますので、是非やってみて、そして継続していただけたら幸甚です。からだは毎日こつこつ可愛がったら、必ずこたえてくれます。


漢方薬の場合は例えば、貧血タイプは当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、オケツタイプは先ず桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)でオケツを処理してから冷え性の強い方は当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)、イライラが強い方は抑肝散加陳皮半夏(ヨッカンサンカチンピハンゲ)、不妊症や流産の後などは温経湯(ウンケイトウとよみます)などを一人一人の漢方的診断をしてから使い分けます。もちろんこれば一般的な例でさじ加減や、体質の変化に応じて方剤(漢方薬の組み合わせ)を変えてゆくのです。
詳しくは後日のブログでお話したいと思いまあす。



鍼灸、漢方薬は何に効いて、どんな治療をするのでしょう

2006-11-25 15:44:00 | 東洋医学全般

鍼灸、漢方薬治療は、ほとんど全ての疾病に根本的或いは補助的な効果が期待できます。もちろん治療をする人の腕のよさにもよるのですが、、、、

一般的には鍼灸は筋骨の痛みやコリ、漢方薬は内科的な疾患にだけ効くように思われがちですが、簡単に言えば、鍼灸、漢方薬のどちらも、急性の病や怪我、たとえば急性虫垂炎(盲腸)や、骨折などで即、手術が必要な場合以外の症状は、たいてい対応可能です。
また、病院で何らかの手術を受けたあと、可及的速やかに本復させるような治療をすることができます。

東洋医学は、むしろ病を診るというより、どうしてこの患者さんはその病にかかるような体になったのだろう?ということを突き詰めてゆくのです。もちろん病名別に患者さんを診ることもありますが、必ず根本治療、本治法といいますが、これを行います。まずは病名よりもその患者さんの体質や現時点のアンバランスを見つけ出して調整をするのです。

たとえば、とてもイライラしていて、眠れない女性が来院したとします。西洋的には「神経過敏」とか「不眠症」という病名をつけて、精神安定剤の類とか、睡眠薬を飲むことになるのでしょう。でもこれは治ったというより、「症状を止めた」ということでしかありません。

東洋医学的には例えば、おなかを診て、脈を診て、舌を診てそして背中を診て、患者さんに問診をしてから、患者さん一人一人の状態を分析して治療法を決定します。病名を一つ一つつぶしてゆくのではなく、
その病になった体の状態から診て行くのです。

たとえばこの上記の女性を調べると、強い冷え性があったとします。概してそのような方には強い生理痛ある場合が多いので、それを確認します。もしそうであれば、この患者さんは足が冷えていて、下半身に留まっていなければいけない熱が上半身にあがってしまい、頭や精神がいつでもオーバーヒートしていて、これでは当然イライラしやすいし、眠れないだろうと判断します。熱が上に行ってしまっているので、下腹部の方は冷えてしまい、重い生理痛が起こるのです。

そこで私たちは膝や足にある経絡に分布するツボや血の流れをよくする漢方薬を使って、下半身を暖めます。
そうすると下半身にあるべき熱は、しっかりとそこに留まるようになるのです。いわゆる頭寒足熱の状態です。
こうなると必要以上に溜っていた上半身の熱はなくなるので、イライラや不眠になる理由がなくなってしまうわけです。結果的にイライラと不眠で来た患者さんは同時に冷え性と生理痛も改善されて、健康を取り戻されるという寸法です。西洋的には4つの病ですが、東洋的に観たら「冷えからきた一つのアンバランス」という状態とされます。
簡単に説明しましたが、これが東洋医学的なアプローチの一例です。


東洋医学ことはじめ

2006-11-19 04:59:15 | 東洋医学全般
約1500年ほど前、当時の中国医学は隋、唐の時代に仏教、律令、易経などとともに日本に伝わりました。ちょうど欽明天皇の時代にあたります。これらの文化は当時の摂生であった聖徳太子によって日本中に普及されました。そして日本古来の文化と融合しあって、日本伝統医学として発展しました。

いわゆる中国伝統医学(TCM)と日本伝統医学(TJM)はどこがちがうのでしょう?私はよく寿司とディムサム(ヤムチャ)のちがいだよと答えています。どちらも強烈なアジアのテイストを残しながら、独立している。そしてどちらもとてもおいしい。優劣を比べることはできないのです。

さて、これら東洋医学は西洋医学とどこがちがうのでしょう?
たとえば漆塗りの芸術品のお盆(人体)にお正月のお餅(病気)がくっついて乾いてしまって取れなくなりました。西洋医学ではたぶんメスやノコギリ、レーザーなどでお餅を手術して取り除くでしょう。
病は治るけれどもからだに疵(きず)がついてしまうかもしれません。

東洋医学はお盆をぬるま湯につけておいて、お餅が柔らかくなるのを待ってから、手で摘み取ってしまいます。誰も傷つくことはありません。体質のほうを変えてしまおうというわけです。
それで芸術品のお盆は安泰、病人はバンザイというわけです。

逆子の妊婦さんがいらっしゃいました。多くの方々はマッサージや体操をして物理的に胎児を移動させることを考えます。へその緒が首に絡んだらどうしましょう。あるいは一気に腹を切りますか?
大丈夫でしょうか?

東洋医学ではもちろん患者さん一人一人の治療の仕方がちがうのですが、多くの場合、足の小指にお灸をします。お灸というのは乾燥したヨモギという植物(草もちに入っているあの植物です)を燃やして、その熱で必要な場所を暖める方法です。そうすると胎児が自分で動いて下向きになるのです。
お医者さんのビジネスチャンスはなくなりましたが、手術代は不要、ママはバンザイです。

胎児のいる子宮と足の小指にどんな関係があるのでしょう?西洋の解剖や神経医学では説明ができません。何で足の小指を暖めて逆子が治るのでしょう?

そこで出てくるのが「氣」の思想です。氣功の氣とか、バイタルエナジーなどと訳されています。
東洋医学では世の中の全てのものは氣からできていると考えられています。もちろん小宇宙である人体も氣からできています。
氣の流れがよければ病気にはならないし、病気は氣の流れがよくなれば治ります。

日本伝統医学の治療家はこんなものの見方を身につけるために、易経を学んで陰陽の哲学を研究したり、座禅を組んだり、古典の医学書を読んで東洋的な宇宙を体感します。

日本伝統医学のもう一つの特徴は、鍼が極端に細く「痛くない治療」ができることです。
日本ではむしろ痛い鍼は効かないと断言されているほどです。

私はこちらの東洋医学の学校でも教えていますので、学生だけでなく多くのアメリカの皆様に、私たちの文化の一部でもある日本伝統医学(鍼灸漢方)を知っていただきたいと思います。私の診療所ではいつでも東洋医学体験コースをおこなっています。お気軽に連絡をしてください。

アレルギー体質改善、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

2006-11-13 03:34:20 | 東洋医学全般
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)というのがあるのですが、これはアレルギー体質の子供さんによく使います。わりと甘くておいしいので子供さんに人気です。体質改善薬として毎日少しずつ半年、一年と長期で飲ませることをお勧めします。
ふつう漢方薬は一人一人の性質、体質を見ながら処方されます。しかしこれは、アレルギーを持ったお子様たちを中心に誰にでも使えます。日本でしたらデパートの漢方薬売り場などで、処方箋なしで買えるはずです。特に病気でもないのに元気のない子供さんにも大変よい漢方薬です。

カボチャのココナッツミルクデザート

2006-11-05 04:47:30 | 料理をつくる
美味しいデザートです。以前ミャンマーとタイで鍼灸漢方の診療をしていたのですが、その頃バンコクの屋台のおばちゃんに教わったデザートです。簡単でうまいです。材料はアジア系のマーケットでそろいます。

ココナッツミルク(缶入り)400cc
カボチャの小ぶりなもの半分
パームシュガー(ココナッツシュガーのこと、椰糖などとかかれています)ココナッツミルクと同じ大きさの缶入りや瓶入りのものは少しやわらかくて、スプーンですくって使います。円盤状に固めたものもあります。


カボチャの皮をむき、厚さ1センチ長さ3センチくらいに切ったものを400cc缶のココナツミルクで煮ます。
このときに重さではよくわかりませんが、ココナッツシュガー100ccから150ccくらいのりょうを一緒に入れて煮ます。量はケチらないこと。上品な甘さではなく、ガツンと来る甘さが目標です!
煮立ってきたらとろ火にしてもう15分。
これで出来上がり。

タイ料理の味は常に強め、濃い目で行きます。ココナッツシュガーも冷やした後でも甘いな!と感じるくらい入れましょう。
激辛料理の合間に最適です。