荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

金田一耕助の巻。

2015年11月23日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを




GYAO!にて【犬神家の一族】の2006年版を観ました。


ちなみに元々、僕は明智小五郎派。

横溝正史作品は1冊も読んだ事有りませんし、1本も観た事有りませんでした。

しかしながら、ホントに面白い。

レビューを読みますと『1976年版サイコー!2006年版はダメ!』って意見がやはり多いです。

【昔は良かった病】のヒトばっかだなぁ。

僕は先入観が全く無いので、ニュートラルに観られました。

そんなこんなで、いろんな【犬神家の一族】を観てみる事に。

次に観たのは、やはり石坂浩二が主演した最高傑作の誉れ高い1976年版。


2006年版がいかにセルフリメイクだったのかが、よ~く分かりました。

『同じ監督・同じ主演俳優・同じカメラワーク…、わざわざCG使ってまでリメイクする理由が分からん』って意見も確かに理解出来ます。

特筆すべきは、那須ホテルの女中・はる役を演じた坂口良子の殺人的可愛らしさ。






2006年版の深キョンも良かったですが、坂口良子には敵いません。

娘の坂口杏里はぜんっぜん可愛くないのにな~。

この坂口良子を観るだけでも価値が有ります。

その次に観たのが、2004年のドラマ版で主演はSMAPの稲垣吾郎。

冒頭に米国滞在時の金田一耕助が描かれております。

弁護士の古館恭三役はもっと若い俳優の方が良かったかな。

ゴローちゃんの金田一耕助役はトップレベルで合っていると思っております。

4本目は1977年のドラマ版で主演は古谷一行。


金田一耕助俳優と言えば『映画の石坂』『テレビの古谷』という評価が常識の様ですが、どうも僕には古谷一行は合いませんね。

繊細さが足り無く感じるんですよ。

しかし工藤栄一が描く【犬神家の一族】ってのも独特ですね。

スタッフがカブるんで【必殺シリーズ】っぽい。

エンドクレジットにて、古谷一行の名前が“起こし”になってるのには笑っちゃいました。山田五十鈴か。


5本目は1994年のドラマ版で主演は片岡鶴太郎。


タイトルロゴはやっぱり鶴ちゃんですかね。

1976年版の映画をベースに考えると【いまいち感】は拭えません。

ドラマのつくりもかなり安っぽく、とくに佐清のマスクは全【犬神家の一族】の中でもっとも安っぽい。

野々宮珠世役は牧瀬里穂。

牧瀬里穂って昔は凄ぇ可愛いと思ったもんですが、今観ますと大した事無いな~、と。

お芝居も恐ろしく下手だよっ!ヒューヒューだよっ!

鶴ちゃんの金田一耕助は繊細さは余り有りませんが、実直そうで好感が持てます。

さて、他にも1990年のドラマ版として中井貴一が金田一耕助を演じた作品があるのですが、残念ながらネットにはあがっていません。


中井版金田一は、いつもの格好と違い、白いスーツにハンチング、丸眼鏡という洋装との事。

観てみたいな~。



現代で金田一耕助が活躍するとしたらば、どの様な格好が良いか?

さすがに着物&袴は時代錯誤。

個人的には【愛していると言ってくれ】でのトヨエツの格好みたいなのが良いと思います。

ダラダラのシャツにダボダボのパンツにビーサン…にしても【愛していると言ってくれ】って古過ぎるよな。




そろそろ2010年代の【犬神家の一族】が作られても良さそうなタイミングです。

誰が金田一耕助を演じるのかを考えるだけも実に楽しい。

ま【忠臣蔵】みたいなモンですもんね。

出来ればフィルムでの撮影を強く希望します。

『探偵小説は、謎解きの遊びの文学である』横溝正史(ニッポンの小説家・1902~1981)


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