荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

GONINの巻。

2015年04月15日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを



昨年暮れ、【GONIN】の続編が製作されるとの情報をキャッチしました。

タイトルは【GONIN サーガ】。

いやぁ、実に楽しみです。


皆さんはこの【GONIN】という作品をご存知でしょうか。

1995年公開のニッポンのバイオレンス映画です。監督は石井隆。

出演は佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、椎名桔平、竹中直人の【GONIN】の他、ビートたけし、鶴見辰吾、永島敏行、室田日出男といった、当時としても超豪華な面々でありました。これだけでお腹いっぱい。

しかも全員が期待を上回る、役へのハマリ具合。

お話しはいたって簡単で、暴力団からの借金がある落ちぶれたディスコのオーナーが4人の襲撃仲間を集め、その暴力団のお金を奪おう、って内容。

襲撃そのものは成功するのですが、今度は暴力団の雇ったヒットマンふたり組が報復の為【GONIN】をひとりひとり殺害していくのです。

ほとんどが夜間での物語。

そのヒットマンがビートたけしと木村一八なのですが、このビートたけしの芝居が凄い。

狂気がどうのっていうより完全に狂ってるんですな。

特に当時、ビートたけしは原チャリ事故後で、右目に眼帯をしたままの出演。

それが更に恐怖感を増長しておりました。

この京谷というホモの殺し屋役は、ありとあらゆるビートたけしが演じたキャラクターの中で、もっとも恐ろしく、印象に残っております。

殺しには拳銃を使用するのですが、バンバン撃ちまくるわりに、さほど命中率は高くありません。

ですが『ダメだ、この鉄砲(あたらねぇ)』とか言うのが妙にリアルです。

後半戦、根津甚八を射殺する時の登場の仕方は全身が総毛立ちました。

豪雨の中、ビニ傘をさし、尻の部分がたるんだスウェット姿での殺し。

数多ある、バイオレンス映画でも類を見ない銃撃戦であります。

かなりクセのあるアクが強いこの作品、ネットで評判を見ますと存外高評価なのに驚きました。

やけに湿度が高いので日本人好みなんでしょうか。

まぁ、オンナ子どもにゃ好かれないとは思いますが、間違いなくマイ・フェイバリット・ムービーズ日本編【珠玉の10本】にランクインであります。

また、挿入歌がちあきなおみの【紅い花】。

1970年代昭和歌謡丸出しのこの曲も意外にマッチしております。

バブル崩壊後、急速に全てが衰退した世紀末に、こんな底知れぬパワーを持った作品があったのです。

みんなも観てみようず


『保険きかねぇからよ、俺らみたいな商売。プラスしてくんねぇとな…ダメだよ』





今回のネタは以前、僕が別のトコで書いたものをコピーしてます。

【GONIN サーガ】で殺し屋役を演じるのは竹中直人。

前回はリストラされたサラリーマン役でした。

カニューラをつけているのですが、このギミックはビートたけしの眼帯と相通じるモノがありますね。


『十人が十人とも悪く言う奴、これは善人であろうはずがない。だからといって十人が十人ともよくいう奴、これも善人とは違う。真の善人とは、十人のうち五人がけなし、五人がほめる人物である』孔子(中国の思想家・BC552~BC479)


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