荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

永井荷風の巻。

2015年11月16日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を




ひとり位、好きな歴史上の人物なんてぇのが居ると、生活が一寸は豊かに成る様な気がします。

以前、好きだったのは白洲次郎。

過去の記事。
白洲次郎の巻。

然し乍ら為人を知る程、彼の卑小さが際立って仕舞い、結果、嫌いに成っちまいました。

そして次に白羽の矢を立てたのが【永井荷風】。


白洲次郎同様、此のヒトも只のお金持ちなんですが、格好を付けて無いトコが好感持てます。

格好付け乍ら徴兵逃れをしたオトコと、飄々と文学とエロに生きたオトコ…。

何方が潔く見えるか、直ぐに分かろうってモンで有ります。

扨て、其の様な僕ですが、荷風先生が執筆した作品は一冊も読んで居ません。

全部、所謂【永井荷風本】。


でも、滅法面白い。

助平ぇに生き、食いたいモノを食い、孤独を貫いた…。

何処となく僕自身とダブるんです。

ま、荷風先生はお酒は余り呑まなかったと聞きますが。



好きなエピソードが有ります。

荷風先生は年賀状の遣り取りが好きじゃ無かった。

あの菊池寛から来た年賀状すら送り返したって言うから気合いが入り捲ってます。

芥川賞選考に意地汚い執念を見せた太宰治とはどエラい違いなのです。



以前、荷風先生の行き付けと言う浅草の洋食屋を訪ねた事が有ります。

其の名は【アリゾナ】。


荷風先生ファンにはお馴染みのお店です。

正直『荷風先生贔屓のお店』って以外、特筆すべきトコは有りませんが。

ま、吉原帰りに寄ってみるのも良いかも。

『自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る』永井荷風(ニッポンの小説家・1879~1959)



浅田次郎の【天切り松 闇がたり】シリーズにも荷風先生は登場して居ります。

此方も是非共、読んで頂きたい作品。

過去の記事。
天切り松 闇がたりの巻。


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