Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

青に赤の絵

2019-04-27 21:13:35 | アトリエから

この間のギャラリー島田の個展に初めて8センチ四方の作品を展示した。毎年ミニアチュール展という企画展があり、そこに参加しているのだが、こ

んな小さな作品は出したことがない。手が届くような小さな作品を、と言われることがあり、この度は思い切って出品した。個展半ばになってもこ

のミニ作品を欲しい人が現れない。100号を話題にしてくださる方が多い、多い。複雑な心境だった。壁から外したい。余計なことをしたのかも、

と気分は落ち込む。終盤に入って、ミニ額の作品を目に止めてくださった若い方がおられてなんとも嬉しかった。私の選択、よかったのだと思え

た。その後も何人もミニ額の作品の購入者が現れ、何枚か追加でギャラリーに運んだ。買えない方がおられた。青に赤の色のある作品を欲しい、老

人家族で家の中が寂しいので...と言われた。ごめんなさい。もう売れてしまって、とお詫びした。青に赤の絵か、とても印象に残る言葉だった。

                  フォト  2019              撮影場所   神戸市  北区

 

 


『セロ弾きのゴーシュ』に。

2019-04-24 20:46:11 | アトリエから

4月10日で神戸の個展が終了した。その後数日は、個展の余波か、交感神経が優位になっているようで何でもこなせるような気分で所用をこなし

た。予想外に元気だったので自分でも意外だったが、たまった仕事をこなした時点で、ダウン。何日か起きられなかった。今も疲れが残る体と心の

まま、日々過ごしている。出版記念個展というのはきつかった。本づくりを進めながら同時に新作を制作し続けなくてはいけない。何せ、今生きて

いる作家だから。絶対的な時間不足のなかでの個展だったが、今までの個展のなかで最も充実した結果になった。深さに加えて透明感を得たとの評

はとても嬉しい。その理由を聞かれることが多いが、答えに困る。これ以上はできないと開き直ったことかしら、自分を超えた何かにまかせてしま

ったからかも。とにかくやるだけやった、とはいえる。もしかして宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』に助けられたのかも。

                 個展会場  ギャラリー島田  安藤忠雄建築の柱とともに。