先日ある会への参加で姫路へ行った。お城の近くの三木美術館での作品鑑賞、その後もお城がごく間近に見える席での会食。長時
間お城を仰ぎ見ながら食事をいただく心地よさ。参加できてとても有意義だった。その後、少し歩いて兵庫県立歴史博物館へ行っ
た。カフェの大きな窓越しにまた、姫路城。ここから見上げるお城は、姫路駅側から望める美しい白鷺城の姿とは全く違う。夕方
近くになって濃い灰色の雲が城郭の背後を覆って、まさに風雲城とでも形容したい趣き。全くきれいごとではない城の姿に触れる
ことができご一緒させてもらってよかった。同行の作家さんは、城は血生臭いから....と言われる。その通りだと思った。表の顔、
裏の顔があってひとつの存在物になる。今はまだすっかり健康というわけでもない自分自身を重ね合わせながら城を見つめた。
暗い雲の向こうに微かな青がある。小さな青空だ。雲にかき消されそうになってはいるが紛れもなくそこには透明な青がある。