アトリエに行って、前日仕上げたつもりの絵を、少し冷静な気持ちで見る。全然だめだ。どこがだめだかわからない。こんなと
きは最低の気分。この色がだめなのか、ここの空間が詰まりすぎているのか、何も答えがない。全体がドロンとして何も見えな
い。クッキーと紅茶で頭を冴えさせようとしたが効果なし。何かストーリーのある本を読んでみたらどうかと考えた。傍らの
『海辺のカフカ』(村上春樹)を手に取る。この夏のギャラリー島田のミニアチュール展、テーマが”わたしのかふか"だったな。
途中のページから最後まで読んだ。目をあげて絵を見つめると、少し気分が変わっている。温かいものが流れた。
フォト 2017