平成23年11月13日(日)に開催された第9回NATHAN奥武蔵「伊豆ヶ岳を越える道」トレイルランに、昨年に引続き参加した。
正丸駅前受付会場の様子
初のラン系競技参加だった昨年の大会では、登りに苦しみ後半のロードでバテて脚が前に出ずに何とかギリギリ3時間を切って2時間55分30秒という結果だった。それから一年、今年は2時間半切りを目標として秘密兵器の地下足袋靴「親方寅さん」を履いて参加した。
午前9時半に正丸駅脇のトンネルをスタート、正丸峠を目指して舗装路を登る。昨年は半分も走れなかった最初のロード登り。今年は苦しいながらも親方寅さん効果かゆっくりながらも走り続ける。それでも結局3分の2程度で脚が止まり、歩きを交えながらロードからトレイルに入る。さすがにトレイルは数珠繋ぎで歩きながら進み、再び舗装路へ。ここは何とかランで通過し、正丸峠のエイドステーションに到着。スポーツドリンクを3杯飲んで伊豆ヶ岳を目指してトレイルに入る。苦手な登りは両膝に手を当てて押しながら何とか早歩き。緩い下りと平坦なトレイルは駆ける。幾つかある急な登りではヘロヘロになりながらも昨年ほどは立ち止まらず休まずで進み、天目指峠手前の緩い下りはかなりのスピードで飛ばして第3エイドのある天目指峠に着いた。ここでもドリンクを3杯ガブ飲み(笑) タイム的にも何とか目標をクリア出来そうな感じ。この先の子の山の登りは本当にキツイが頑張って登った(もちろん歩いてw)。しかし登りで追い込むと目眩がしそうになる。ところどころ立ち止まったりしながらヘロヘロになって子の山の登りをクリアして最終エイドのある子の権現に到着。またまたドリンクをおかわりしてガブ飲み。ここまで2時間。子の権現までの登りで結構タイムロスしている。残り30分でのゴールはチト厳しい感じもするが、残るは最後の1kmちょっとの登りを除けばほとんどが得意の下りロード。ガンガン飛ばせば何とかなるかもと思い直して子の権現を後にする。
ここからはまず激下り。先月の奥武蔵グリーンラインチャレンジ42.195kmでの丸山からの激下りで飛ばしたときの感覚を思い出しながら飛ばそうとするが… ん? スピードが出ない? やはり親方寅さんではチト厳しかったか? それでも何とか数人を抜いて激下りから緩い下りに差し掛かる。ん…? ふくらはぎに異変が! ピシピシと攣りかけている! まさか、たった10kmちょっとで? 先述したとおり、先月に奥武蔵グリーンラインの厳しいアップダウン42.195kmを、登りはかなり歩いたとはいえ一応は5時間台で完走している。まさか全長17kmのこのコースでふくらはぎが攣るとは思いもしなかった… だましだまし走り、攣ってはストレッチを行い攣ってはストレッチの繰り返し。国道299号線に出るまでに何度も立ち止まってはストレッチ。とてもじゃないが2時間半を切るどころではなくなった。せっかく得意の下りロードで全開走をイメージしていたのにストレッチ混じりとは…(笑) 何とかだましだまし国道299号線まで辿り着いた。残すは1.4kmのゆる登り。これが本当にキツイ。今度は一転して大腿筋が悲鳴を上げる。スローペースで走り続け(途中2回程立ち止まってしまったが…)、国道から正丸駅に向かって最後の坂を登るとようやくゴール。
タイムは2時間48分36秒。目標の2時間半はおろか、昨年のタイムを僅か7分縮めただけに終わりました…(泣)
さて考察。今年使用した秘密兵器の地下足袋靴「親方寅さん」の目的は、正丸峠までの登りと子の権現までのトレイル部分でタイムを稼ぐため。下り舗装路でのスピードが犠牲になるのは織り込み済みであったが、事前の試走の結果それほどのタイムロスは無いのではないか、それ以上に登りとトレイルでタイムを稼げるのではないかと考えて本番での使用を決めた。地下足袋靴はその軽快さとグリップの良さで、登り坂とトレイル部分での走りやすさはすでに経験してよく分っている。舗装路でもランニングシューズよりはスピードで劣るもののそれなりには走れるし、アップダウンの多い多摩湖周回コースも何度も走っている。下りでのデメリットよりもそれ以外でのメリットのほうが大きいと判断したのだが、ひとつ大事なことをすっかり忘れていた。確かに子の権現までのトレイルでは威力を発揮した。登りで遅いのは心肺機能が劣るせいで仕方ないにしても(笑)、急な下りでも滑ることは無いし緩い下りや平坦な道ではかなり飛ばすことが出来た。だが子の権現を過ぎて下りロードに入ると、すっかり忘れていた重大な問題が発生した(笑)
通常、ランニングシューズを履いて走るとカカトから着地する走り方になるが、地下足袋系のペラペラの薄底だと土踏まずより前の部分(フォアフット)から先に着地する「フォアフット着地走法」になる。これは芝生や土の上を裸足で走ってみると良く判る。この走法は靴を履くより以前の人類が行ってきた走法といわれており、裸足で走ったときに最も脚に優しく且つ効率の良い走り方といわれている。私の場合は以前右膝の腸脛靭帯炎を発症した際、裸足ランニングを通してフォアフット着地走法を実践することによって膝痛が消え去った経験があり、それ以降ランニングシューズを履いてもフォアフット着地走法を意識して走っている。
幸いにしてそれ以降膝痛は全く起らなくなった。フォアフット着地といってもランニングシューズの場合はカカト部分のソールが一番厚くなっているので、フォアフット着地の感覚でいても実際には靴底全体が着地するフラット着地走法になっているのだと思う。だが地下足袋の場合は足裏の厚さは一定であり、フォアフット着地走法を行うとまともにフォアフット着地になる。軽快に走っているときなどはあまりカカトは着地していないのかもしれない。地下足袋で行うフォアフット着地走法は案外膝や腰などに負担はかからないのだが、ふくらはぎの筋肉に負担がかかる。それもかなりの程度で。過去にいろいろなコースを親方寅さんで試走しているが、いつも常に最初にふくらはぎに筋肉痛が発生していた。実はすっかり忘れていた大事なこととはこれの事。つまり地下足袋靴で走るとふくらはぎに負担がかかるという事。でも正直これほど負荷がかかるとは想像もしていなかった。子の権現までのアップダウンでかなり脚の筋肉は酷使している。だが特にふくらはぎは意識していなかった。だがかなり筋肉疲労は蓄積されていただろう。そして子の権現からの激下り。ここではまだふくらはぎが攣ることはなかったが、たぶんここでふくらはぎの筋肉疲労はピークになっていたのだろう。緩い下りになってペースを上げようとした際にふくらはぎが悲鳴を上げた。いままではそんなに追い込んで走っていたわけではなかったからそれほど走行中には何ともなかったのだろうが、この日はガチンコ走りでここまで来たから相当に負荷がかかったのだろう。もうふくらはぎが攣りだしてからは全然ペースを上げられない。ペースを上げたら確実に痙攣する(笑)
結局、事前の試走では差し引きメリットのほうが大きいと判断したワケだが、実際に本番で走ってみたら想定外(笑)にデメリットのほうが(それも致命的な…)大きかったワケで、目標達成はおろかほんの僅かなタイム短縮に終わったという、何ともパッとしない結果となってしまった…(笑)
もっとも、それではランニングシューズを履いていたら目標達成出来たのかといえばそれも怪しい(笑) トレイルで少し遅くなり下りロードでかなり速かったとしても30分も違っていたということは無いだろう。仮に15分速かったとしても2時間33分。やっぱり2時間半は切れなかっただろう。やっぱり一番の問題は靴ではなくて『心肺能力』。昨年も同じ事を思ったけれど結局それほど向上していない。登りは歩いてもガンガン息切れ。心臓バクバク。かの有名なトレイルランナー奥宮俊祐さんはこのコースをほとんど歩かずにクリア出来るという。そのレベルは無理にしても(笑)、せめて緩い登りは走って登れるレベルにはなりたいと思う。でもそこまでになるには相当キツいスピードトレーニングや坂道トレーニングをこなさないといけないんだろうな。 ムチャクチャきついんだよ、心肺機能向上トレーニングは…(泣)
この日はいつもこのブログにコメントいただいている「松パパ」さんと一緒に参加、レースでは軽くぶっち切られる結果となりました。また奥武蔵グリーンラインチャレンジにも参加した「拝島人」さんとも初対面のご挨拶。やはり私よりもずいぶん前にゴールとなりました。皆さん速いッス!
さてここで、まだ早いですが来年の目標を。
「来年は靴を履いて走ります」 以上!
林道を疾走する
ゴールは目前
ゴール!
会場を後にします
(後記)
丸一日経ってこのブログを書いていますが、ふくらはぎがここ最近では記憶に無いほどの筋肉痛で歩行にすら困難をきたしておりまする…(笑)
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