オレ竜、球団初の連覇!球団社長の敗戦ガッツポーズで一丸に
球団史上初のセ・リーグ連覇を果たし、宙を舞う落合監督(撮影・出月俊成)
「横浜3-3中日」(18日、横浜)
中日が横浜と引き分け、球団史上初となる2連覇で9度目の優勝を決めた。首位ヤクルトに一時は最大10ゲーム差をつけられていたが、シーズン終盤になって故障者が復活するなど戦力が整い、大逆転に成功した。今季限りでの退団が決まっている落合博満監督(57)にとっては、指揮を執って8年目で4度目のリーグ制覇となった。
オレ流指揮官が舞った。無数の手に突き上げられ、万感の思いがこみ上げた胴上げ。涙が止まらない。球団史上最大となる10ゲーム差を逆転した奇跡の退任V。監督就任8年目で4度目のリーグ制覇。球団史上初のリーグ連覇で有終の美を飾った。
前半戦終了時点で、首位・ヤクルトと8差。ただ、落合監督は動じなかった。「ちょうど72試合を終わって8ゲーム差だろ。後半に同じ試合数残ってるんだ。だから8ゲームは追い付けるだろ」。単純な数式。指揮官の動揺は、倍以上になって伝染する。泰然自若の姿勢を貫いた。
連覇の原動力となった事件がある。ナゴヤドームで行われた9月6日の巨人戦。3対5で敗れた試合後の関係者通路。坂井球団社長が、なんとガッツポーズを繰り出した。複数の球団関係者がその光景を目にし、すぐさまチーム内に広まった。
「ウチがひとつにまとまったのは、あのガッツポーズからだよ」と落合監督。アンチ落合の急先鋒。敗北=落合の汚点。喜ぶ心情は理解できる。だが、球団社長という立場にあるまじき禁断のポーズは、フロント不信を招くと同時に、選手の反骨心を呼んだ。
ある主力選手が言う。「あり得ないっす。監督のことを嫌いなのは構わない。人間ですから。ただ、試合をやってるのは、僕たち選手なんですよ。ガッツポーズなんて考えられない。選手をバカにしてるのと一緒ですよ」。荒ぶる心。ぶつける場所のない怒り。すべてを戦場でパワーに変えた。
ファンサービスが足りない。野球がつまらない。監督就任後から、外野の声に自問自答を重ねてきた。「いろいろ言われることには慣れてる。ただ、オレは現場を預かる最高責任者として、何ができるかを考えたら、勝つことしかないんだ。勝って気持ちよく家に帰ってもらう。それが一番のファンサービスだろ」。何を言われようと、オレ流を貫いた。
志半ばでドラゴンズのユニホームを脱ぐ。契約社会。終わりと言われればそれまで。野球界に生き続けてきた男として、その図式に異論はない。9月22日の電撃解任発表。「確かに契約書には、契約が切れる1カ月前までに来年の契約について話し合うとはあるけど、発表するとまでは書いてないんだ」。現場の空気を無視し、選手感情にも配慮せず、待ったをかけた白井オーナーを押し切ってまで、自らのクビ切りに執着した球団フロントへの恨みは尽きない。
ただ、野球人・落合博満の歩む道を自らで汚しはしない。「みんなが絶対に優勝するんだとやってきたんだ。オレも最後まで全力を尽くすよ」。唯一、成し遂げていない公約。リーグ優勝&日本一の完全制覇。誰にも文句を言わせない金字塔を残し、オレ流指揮官は竜を去る。
[デイリースポーツ2011年10月19日7:18]
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G渡辺会長推薦…落合虎なら強くなる!
“落合阪神”なら強くなる‐。巨人・渡辺恒雄球団会長(85)が14日、都内のホテルで会食後、阪神の次期監督候補に浮上した中日・落合博満監督(57)に太鼓判を押した。今季限りで所属球団を退任する同監督を「名監督」と大絶賛。宿命のライバル、猛虎再建にはうってつけの指揮官だとの持論を展開した。
オレ流監督なら猛虎を再建できる‐。阪神は今季、CS進出を逃した場合、真弓監督を解任する方針。後任候補に浮上しているのが外部招へいの場合、今季限りで所属球団を退任する中日・落合博満監督、日本ハム・梨田昌孝監督で、内部昇格の場合は和田豊打撃コーチやOBで評論家の平田勝男氏だ。
渡辺球団会長は、虎の次期監督候補に浮上した落合監督についてズバリ、「いいじゃないか」と断言した。さらに「阪神を強くできますか?」の報道陣の質問に「と思うよ」と明言した。
理由は、シンプルだ。「あれは名監督だから」。今季限りで所属球団を退任する落合監督だが、「落合君は必ず、どっかから(監督就任要請が)くると。どっかの球団は必ず落合君を取るよ」。その手腕を高く評価した球団が、招へいに動くと大胆に予想した。
高評価は具体的だ。「何も動かない、愛嬌(あいきょう)ないっていうけど、監督に愛嬌は必要としない」と寡黙な指揮官を肯定。さらに「度胸と判断力があれば。ジーッと座って表情、変えない。これ監督の必須の要件だね」と、落合監督が指揮官の理想像であるように力説した。
巨人の球団会長としても当然“注目”していたようだ。今季が3年契約の最終年となる巨人・原監督は来季続投が決定的。「巨人は原君がいるから落合君、取れないけど、誰もいなかったら落合君、取るよ。原君がいるから落合君、取らないけどね」と衝撃的ともいえる発言が飛び出した。
いずれにせよ、ここまで熱っぽく語る背景には伝統の一戦を盛り上げたい、との思いもありそうだ。すでに阪神の坂井信也オーナーと極秘会談していたことを明かしているが、「坂井さんともこの話をしたんだけど、やっぱり巨人と阪神で頑張ろうと。そうじゃなかったらプロ野球がね、ドンドン、ドンドン、人気が落ちる一方だよ」。さらに「やっぱり巨人、阪神が頑張ってどっちかがいつも優勝に絡む、という状況じゃなかったらダメだよ」と熱望した。
伝統の一戦を盛り上げるため‐。“落合阪神”が起爆剤になるとにらんでいる。
(デイリースポーツ2011年10月15日)
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〈来栖の独白〉
連覇、優勝、おめでとう。落合さん、ありがとう。感動とプロの野球をありがとう。傑出した知将。何があっても〈よいときも悪いときも〉表情を変えなかった。真の指揮官。ありがとう。
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所詮落合さんと小川では役者が違う。
例えるならサラブレッドと荷駄馬が同じ土俵で競争するようなもの。