【約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~】東海テレビ2012年6月30日(土)14:00~

2012-06-30 | 死刑/重刑/生命犯

【約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~】東海テレビ6月30日(土)14:00~
 昭和36年「名張毒ぶどう酒事件」が起こった。逮捕された奥西は、今も再審を求め続けている。番組では、塀の中の奥西の姿や彼を取り巻く人々を豪華俳優陣によりドラマ化。
 「死刑の執行は午前中。当日の朝に知らされるため、午前中は恐怖と苦悩の時間で大変きびしいのです。昼食の配給があるとホッとし、それ以外の時間帯は地獄の中で生きているようなものです」(奥西獄中記より)。独房から無実を訴え続けている死刑囚がいる。奥西勝、86歳。昭和36年、三重県名張市の小さな村の懇親会で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した。逮捕された奥西は「警察に自白を強制された」と訴え、無実を主張。1審は無罪だったものの、2審は逆転死刑判決。そして昭和47年、最高裁で死刑が確定した。奥西は、死刑執行の恐怖と闘いながら、今も再審を求め続けている。奥西の無実を信じているのが、母、タツノ。事件で村を追われ、見知らぬ町で1人暮らしを始めた。内職をしては、電車賃を稼ぎ、月に1度、名古屋拘置所にいる息子に会いに行く。そしてタツノは奥西に969通の手紙を送った。再審を待ち続ける母。奥西はタツノと約束をする。『無実を晴らして、必ず帰る』。しかし、その約束を果たすこと無く、母は昭和63年、84歳で死亡した。番組では、タツノが奥西に送った969通の「手紙」、それに加え、特別面会人・川村富左吉が奥西との交流を記録した「面会ノート」をもとに、塀の中の奥西のと彼を支援する人たちの姿を豪華キャスト陣によりドラマ化。さらに東海テレビが取材を続けた当時の貴重な映像を交えながら、今もなお孤独な闘いを続ける奥西の姿を描く。  写真左から)川村富左吉(天野鎮雄)、奥西勝(仲代達矢)
 東海テレビ新着情報(更新日:2012.06.27 14.00)
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奥西死刑囚は3つの“村社会”を守るための生贄にされた 名張毒ぶどう酒事件の闇に迫る再現ドラマ『約束』 2013-02-19 

    

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名張毒ぶどう酒事件/「司法官僚」裁判官の内面までゆがめ、その存在理由をあやうくしているシステム 
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名張毒ぶどう酒事件 第7次再審請求差し戻し審 名古屋高裁刑事二部 決定要旨
  中日新聞2012年5月25日
 最高裁決定の趣旨に従い、事件当時の製法を基に製造された液体(新ニッカリンT)を使ったペーパークロマトグラフ試験による再現鑑定を検討したが、鑑定人が見つからず実施できなかった。そのため今回の差し戻し審では同液体及び保管されていたニッカリンT(旧ニッカリンT)の成分分析などを別の試験方法で鑑定し鑑定人の尋問を実施した。
  鑑定人の学識、経験、鑑定の経過などに照らし、今回の鑑定には十分な信用性を認めることができ、分析で得られた結果の信頼性は高い。
  弁護団が提出した新証拠の根拠とされた鑑定には、今回の鑑定によって得られた結果の信頼性を揺るがすほどの証拠価値があるとはいえない。
  今回の鑑定の結果、エーテル抽出前の検体にニッカリンT副生成物のトリエチルピロホスフェートが含まれているかどうかと、エーテル抽出後の検体から同物質が検出されるかどうかとが、ただちに結び付くものではなく、現場にあった飲み残しのぶどう酒について実施したペーパークロマトグラフ試験の結果、同物質が検出されなかったことが、エーテル抽出前の事件検体に同物質が含まれていないことを意味するものではないことが明らかになった。
  確定判決の証拠となった三重県衛生研究所の試験ではニッカリンTを混ぜた検体の(飲み残しでない)ぶどう酒から検出された成分が未解明だった。新証拠ではこの成分がトリエチルピロホスフェートであることを明らかにしたが、事件で使われた毒物がニッカリンTではない、と証明するほどの証拠価値はない。
  三重県衛生研究所の試験で検出されたトリエチルピロホスフェートが飲み残しのぶどう酒から検出されないことについては、今回の鑑定で以下のように推論できる。
  今回の鑑定で、実際のペーパークロマトグラフ試験では加水分解反応が起こる可能性が高いことが指摘されており、同研究所の試験過程で生じる加水分解反応を考慮する必要がある。トリエチルピロホスフェートが別の成分(ペンタエチルトリホスフェート)の加水分解反応により生成することからすると、同研究所の試験でトリエチルピロホスフェートが検出されたことは、検体にペンタエチルトリホスフェートが含まれていたためと考えられる。本件鑑定の結果、新ニッカリンTを重水に溶かした直後の溶液中には少ないながらもペンタエチルトリホスフェートが含まれているから、それがエーテル抽出され加水分解したことによりトリエチルピロホスフェートが生成されたとみられる。
  一方、飲み残しのぶどう酒は少なくとも事件翌日の1961年3月29日に同研究所に持ち込まれ、同日夜から翌日にかけて試験されたものだから、本件毒物がニッカリンTであってペンタエチルトリホスフェートを含有していた場合でも、試験段階では加水分解でほとんど残っていなかったことなどにより、試験でトリエチルピロホスフェートが検出されなかったとみる余地がある。
  このことからすると、本件毒物がニッカリンTであることと、同研究所の試験の結果、検体からトリエチルピロホスフェートが検出され、飲み残しからは検出されなかったことが矛盾するとは言えない。
  従って、奥西死刑囚が農薬ニッカリンTを所持していた事実が状況証拠としての価値を失ったとも、死刑囚の捜査段階の自白が客観的事実と矛盾するともいえない。
  これまでの証拠に新証拠を総合して検討しても、死刑囚以外にぶどう酒に農薬を混入し得た者はいないとの判断はいささかも動かず、逮捕前から具体性をもっていた死刑囚の自白が十分信用できることも、異議審決定(再審開始を取り消した06年の名古屋高裁決定)が詳細に示す通りであり、死刑囚が犯人だとした確定判決の事実認定に合理的疑いを生じる余地はない。無罪を言い渡すべき明らかな新証拠があるとして、再審を開始し刑の執行を停止した判断は失当であり、再審を開始する理由は認められない。

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