「松方コレクション」私心を持ち込まなかった松方幸次郎の信念 それにひきかえ舛添都知事の美術収集

2016-05-19 | 政治

2016.5.19 05:04更新
【産経抄】それにひきかえ舛添さんの美術収集って…5月19日
 第一次世界大戦後のロンドンやパリで、絵画や彫刻を買いまくる日本人がいた。一点ずつでは面倒とばかり、手にしたステッキで画廊の壁をぐるりと指し示し、画商に尋ねる。「全部でいくらかね」。
 ▼有名な「ステッキ買い」伝説を残したのは、川崎造船所(現・川崎重工業)の社長を務めていた松方幸次郎である。戦時下のロンドンに拠点を置いて船舶を売りまくり、「造船成り金」と呼ばれた。一説によれば、購入に費やしたのは3千万円、現在の貨幣価値に換算すれば900億円以上にもなる。
 ▼印象派の巨匠、モネの自宅を訪ねたとき、邸内にある絵を全部買いたいと申し出て、モネを怒らせた。「私は自分のために買うのではない。フランスまで来られない日本の若い画家たちのために本物の油絵を見せてやりたいのだ」。松方の説明で、モネは納得したという。
 ▼「松方コレクション」と呼ばれた収集作品の一部は、フランスに残されたまま第二次大戦終結を迎えた。戦後、日本政府による粘り強い交渉によって、ようやく返還が決まる。フランス側の要請によって、作品展示のために建設されたのが、ル・コルビュジエ設計による、国立西洋美術館である。開館は昭和34年、松方が84歳で亡くなって9年後だった。
 ▼美術館が世界文化遺産に登録されれば、あらためて松方の生涯にスポットが当たるかもしれない。自宅に油絵一枚飾らなかった質素な生活ぶりからも、美術品収集に私心を持ち込まなかった、松方の信念がうかがえる。
 ▼それにひきかえ…。政治資金の使い道は、家族との温泉宿での宿泊や、料理店通いだけではなかった。趣味の美術品購入にもせっせとつぎ込んでいた、東京都の舛添要一知事とは大違いである。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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2016.5.19 07:04更新
国立西洋美術館、世界遺産登録勧告に歓迎の声 「海外の人にも来てほしい」
 「世界とつながっている感じ」「うれしい」-。国立西洋美術館(台東区上野公園)の世界文化遺産への登録勧告から一夜明けた18日、同美術館のチケット売り場には多くの人が列を作り、歓迎の言葉を口にした。報道を聞き、わざわざ時間をつくって足を運んだ人もおり、地元商店街も一層のにぎわい創出へ意気込んでいる。
 「東京出張の帰りに、時間をつくってきた。内部は自然光をうまく取り入れていて、気持ちよくいさせてもらいました」
 神戸市の会社員、樋浦忠司さん(44)は、こう話すとリラックスした笑顔を浮かべた。ル・コルビュジエの作品群が勧告を受けたことに触れ、「日本は外国の文化を積極的に取り入れ、大切にしてきた。そういう意味で、日本らしさが出ていて、すてきなことだと思う」と意義を話した。
 名古屋市の無職、平野由莉さん(34)は「西洋の美術を通して世界とつながっている、という感じで楽しい」と表情をほころばせ、「海外の人にももっと、来てほしい」と話した。
 周辺の商店街も、観光客の取り込みに期待を寄せる。上野アメ横商店街で約50年、貴金属店を営む田中和子代表取締役(79)は「これまでも美術館帰りに立ち寄る人が多かった。店や上野の街がにぎやかになるのはうれしい」と笑顔。上野観光連盟会長の二木忠男さん(62)によると、今後、記念のパレードやPRキャンペーンを予定しているという。「美術館を目指してくる新規の観光客が増えるので、これを機に上野の良さを知ってほしい。イベントを企画するわれわれにとっても、張り合いになる」と力を込めた。
 同美術館に愛着を持つ都民からも、歓迎の声が上がった。たびたび同美術館を訪れるという調布市の団体職員、大木聡さん(52)は「好きな建物が世界文化遺産に勧告され、うれしい。すっきりとしてモダンで、周りの自然と調和している。これからもずっと、ここにあってほしい」と目を細めた。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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