条理を論じる場ではないのか-反対野党への失望 2015/9/17 参院特別委 安保法制論戦

2015-09-18 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

2015.9.18 05:04更新
【産経抄】9月18日
 物事の筋道を示す「条」の字は、みそぎをして身を清める意味の「條」を略したものという。白川静氏の『字統』に教わった。憲法をはじめ六法の五体をなす個々の文を条と数えるのも、なるほど理にかなっている。
 ▼条理を論じる場ではないのか-とは、安全保障法制をめぐる論戦でぬぐえなかった反対野党への失望である。「戦争法案」と感情に訴える手口も、国会外のデモを背に「民意」の代弁者を気取る劇場型の手口も、法律の「条」を論じる姿勢として慎みを欠いていた。
 ▼人垣をなす女性議員が、そばを通る与党議員に「触るな」「セクハラ」となじる参院特別委員会の一こまに至っては、品格のかけらもない冗句であろう。国民の命と暮らしを守る法案を低い次元におとしめている。「条」を損なう「情」や「冗」の罪の深さを思う。
 ▼憲法解釈や具体事案をめぐる論戦は衆参両院で200時間を超えた。論点は出尽くしている。集団的自衛権を柱とする法整備に、もう議論の余地はない。西を中国、北西を北朝鮮に脅かされ、米国では日米同盟の片務性に懐疑的な声がくすぶる。危機はそばにある。
 ▼「友情号」という船は「晴天時は2人乗りできても、悪天時は1人しか乗せられない」程度の大きさらしい(ビアス『悪魔の辞典』)。米国を頼んだ安保も同じだとは言わないが、日米が互いを守り守られる双務性を追求するには、条理を踏まえた法整備しかない。
 ▼参院特別委は混乱の末に安保法案を可決し、週内の成立が見えてきた。マキャベリが『君主論』でいわく「良き力を持つ者は、良き友にも恵まれるものである」。言論の府の醜態をさらし、友の視線が突き刺さる。恥を上塗りする「情」も「冗」も、これ以上は必要ない。
 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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安全保障関連法案 参院特別委で可決 民主の抵抗戦術は度が過ぎる (2015年9月18日讀賣新聞 社説) 
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