名大女子学生 いびつな願望 「佐世保事件が影響」か 殺人事件・タリウム事件・放火容疑(焼死体に興味)・・・

2015-06-04 | 少年 社会

いびつな願望:名大生・殺人事件/上 実家離れ、歯止め外れ
毎日新聞 2015年02月10日 中部朝刊
■闇を抱えたまま進学
 名古屋大学東山キャンパス(名古屋市)近くの住宅街にある美容室に、ジャンパー姿の女子学生(19)が訪れたのは昨年11月初めだった。来店は3、4回目。カットの間はいつも楽しそうに体育会系の部活の話をした。
 女性店主(76)は「ボーイッシュな子」と感じていたが、その日のオーダーには驚いた。「丸刈りにして」。部活で声が出ていないと叱責され、髪を短くするよう指示されたと説明した。店主はためらったが、女子学生は普段通りおしゃべりを続けたという。
 同市千種区の森外茂子(ともこ)さん(77)が殺害されたのは1カ月後の昨年12月7日昼だった。女子学生は1月27日に殺人容疑で逮捕された。宮城県内の女子学生の実家近くに住む女性(82)は、短髪になった近影を報道陣から見せられ絶句した。「私が知っているあの子とは、似ても似つかない」
 実家では両親と妹の4人家族だった。女子学生が弾くピアノの音がよく聞こえたという。妹と仲よく遊ぶ姿を近所の人は覚えている。
 私立高校では特進コースに在籍した。数学や理科が得意で「理系の星」と呼ばれていたという。自身を「俺」と呼び、教師に食ってかかることもあった。クラスメートの間では、謎めいた生徒とみられていた。その頃に撮影された集合写真には、髪を肩まで伸ばした女子学生が写る。笑顔の生徒たちの中で一人、目線をそらし、考え事をしているような表情を浮かべている。
 愛知県警の調べに容疑を認め、「子供の頃から人を殺してみたかった」と話した。名大に進学した理由を聞かれると「実家を離れたかった」と答えたという。
 「殺人願望があったとしても、親の目が届く状況では歯止めがかかっていたのだろう」。法政大学の越智啓太教授(犯罪心理学)は推測する。「1人暮らしになったこと、たまたま高齢の女性が現れたこと。これらが重なり、抱いていた殺人願望を実行してしまったのではないか」
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 名古屋大学の女子学生が殺人容疑で逮捕されてから2週間。彼女が秘めた「いびつな願望」に周囲が気付き、手立てを講じることはできなかったのか。背景を追った。
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いびつな願望:名大生・殺人事件/中 タリウム中毒、非公表 識者「高校の責任大」
毎日新聞 2015年02月11日 中部朝刊
 2013年7月ごろ、宮城県内の私立高校で、校長が教職員に指示した。「男子生徒が復学します。彼は原因を言いたがっていますが、取り合ってはいけません」。12年6月ごろに突然体調を崩し、失明寸前まで視力が落ちて休学していた男子生徒への対応についてだった。
 当時を知る関係者は「校長は誰かをかばっている」と感じたという。だが、職員から質問は出なかった。復学した男子生徒は14年春に特別支援学校へ転出した。一部の職員以外には詳細は説明されず、体調悪化の理由も不明とされていた。
 先月27日、名古屋市の森外茂子(ともこ)さん(77)を殺害したとして、名古屋大学の女子学生(19)が愛知県警に殺人容疑で逮捕された。「高校時代、同級生に毒を飲ませたことがある」。警察に話した内容が翌28日に報じられると、女子学生の母校の高校に取材が殺到した。
 校長は男子生徒に異変があったことを認め、診察した医師が「第三者が関わった薬物中毒の可能性がある」と診断していたことを明らかにした。
 被害届を受けた宮城県警がタリウム中毒と鑑定し、傷害事件として捜査していることも分かった。女子学生が関与したかどうかは不明だ。複数の学校関係者によると、一部の教職員や生徒の間では当時から「(女子学生が)毒物を持っているのではないか」とのうわさがあったという。女子学生は14年春に卒業し、名大へ進んだ。
 高校が男子生徒への毒物事件を宮城県に報告したのは、今回の報道の後だった。学校関係者からは「なぜ、公にしなかったのか」との声が上がる。教育評論家の尾木直樹さんは「当時からうわさがあったのなら、学校がそれを知らないはずがない。適切に対応していれば、結果は違っていたはずだ。責任は大きい」と、学校側を批判した。
 高校は先月30日に「個人情報を守る観点から、回答は差し控える」との文書を出して以降、取材に応じていない。今月2日朝、校長は校内放送で全校生徒に呼びかけた。「私も早く真実を知りたいし、話したい。でも裁判や警察の説明があるまでは答えられないのです」。そして涙声で「我が校に隠蔽(いんぺい)はありません」と強調したという。
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いびつな願望:名大生・殺人事件/下 「佐世保事件が影響」か 原因解明、これから
毎日新聞 2015年02月12日 中部朝刊
 愛知県警の捜査関係者は、殺人容疑で逮捕された名古屋大学の女子学生(19)が、長崎県佐世保市の高校1年少女(16)による同級生殺害事件(2014年7月)に少なからぬ影響を受けた可能性を指摘した。
 佐世保事件の後、女子学生のツイッターには、殺人願望を示すような投稿が現れる。「(佐世保事件の)ニュースがなくなってきたのが悲しい」=8月16日▽「日常を失わずに殺人を楽しめることが理想なんだと思う」=9月13日▽「夢の中で(自分は)人殺しでした」=11月23日−−。つぶやきは、名古屋市の森外茂子(ともこ)さん(77)が殺害された12月7日の「ついにやった」を最後に止まった。
 名古屋地検は鑑定留置の後、女子学生を家裁に送致する。少年法は16歳以上の未成年が故意に人を死なせた場合、原則、家裁が検察官送致(逆送)するが、考慮すべき事情がある場合は、保護処分にできるとしている。起訴されれば裁判員裁判になる。
 佐世保事件では、少女の付添人弁護士が「刑務所では真の意味の更生ができない」として、医療少年院送致を求める意見書を長崎家裁に出した。
 青山学院大法科大学院の新倉修教授(少年法)は「家裁は女子学生を逆送せず、更生プログラムの充実した保護処分を選ぶ勇気を持ってほしい」と話す。医療少年院の特別チームが更生を目指した神戸連続児童殺傷事件(1997年)の少年を例に「心を開き、治療をしていかなければ、彼女が戻ってきた後の社会が困ることになるだろう」と指摘した。
 一方、愛知県豊川市で2000年5月に起きた少年による殺人事件を取材したノンフィクションライター、藤井誠二さんは「非公開の少年審判では事件の背景や原因が見えないまま終わってしまう恐れがある。情報をオープンにし、さまざまな分野の専門家が問題の解明に当たることが、社会的教訓を導き出すことになる」と、公開裁判の必要性を語る。
 1月27日に逮捕された女子学生は愛知県警に「事件を起こしたことは悪いとは思っていない」などと話しているという。佐世保事件は逮捕から少年審判開始決定までに半年かかった。女子学生の心の闇の解明は始まったばかりだ。(三上剛輝、大野友嘉子、井口慎太郎、金寿英、山本佳孝、駒木智一、川崎桂吾が担当しました)

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名古屋・女性殺害:4年で猫5匹が変死 名大生の実家周辺
毎日新聞 2015年02月01日 東京朝刊
 名古屋市千種区の森外茂子(ともこ)さん(77)を殺害したとして、殺人容疑で逮捕された名古屋大学の女子学生(19)の宮城県の実家周辺で2008〜11年、少なくとも5匹の猫の変死体が見つかっていたことが31日、近所の住人などへの取材で分かった。
 近所に住む60代の女性によると、11年ごろ、飼い猫が背中に白い薬品のようなものを付けて外から帰って来た。タオルで拭おうとしたが、取れなかった。猫が背中をなめて薬品が口に入ると、嘔吐(おうと)を繰り返すようになった。原因が分からないまま約10日後に死んだ。
 また近所の獣医師によると、同年5月には近くの公園で血だらけの猫が保護され、動物病院に運ばれた。猫は裂傷を負い、右前足を複雑骨折しており、その日のうちに死んだ。獣医師は交通事故ではあまり見られない外傷だったと指摘。「刃物のような物で、人為的に傷つけられた可能生もある」と話した。【井口慎太郎、山本佳孝、大野友嘉子、三浦研吾】
■実家を家宅捜索
 名古屋市で森外茂子さんが殺害された事件で、愛知県警は31日、殺人容疑で逮捕した女子学生の宮城県の実家へ家宅捜索に入った。家宅捜索は約5時間続いた。【三浦研吾】

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<タリウム事件>被害男性「元の体に戻して」
 河北新報 2015年06月04日木曜日
 劇物の硫酸タリウムを同級生2人に飲ませたとして、殺人未遂容疑で名古屋大の女子学生(19)=宮城県出身=が再逮捕された事件で、被害に遭った男性(19)が河北新報社の取材に書面で応じ、女子学生に対し「元の体に戻してほしい、と伝えたい」と切実な胸の内を明かした。代理人弁護士を通じ3日までに回答した。
◎原因不明の激痛「つらかった」
 宮城県警などによると、男性は2012年5月28日~6月上旬ごろ、当時通っていた宮城県内の高校の教室で、同じクラスだった女子学生に硫酸タリウムを飲まされ、両目の視力が急激に低下したとされる。現在は関東地方の大学に通うが、視力は回復していない。
 男性は「日常生活に支障を来すほど障害が残っており、許せない」と女子学生に強い憤りを示した。事件か事故か分からないまま、体調不良に陥った当時の心境について「体中が原因不明の激痛に襲われ、精神的にものすごくつらかった」と振り返った。
 河北新報社は、男性が警察や学校に対し、どのような説明をしたかも尋ねたが男性側は「捜査に影響があるかもしれず、今はそっとしておいてほしい」と回答した。女子学生や当時通っていた高校への損害賠償請求など法的措置について代理人弁護士は「現時点で話は出ていない」と述べた。
 男性は仙台市内の警察署に被害届を出した13年2月ごろ、捜査員に「同じクラスに変わった女の子がいる。周りに白い粉をなめさせていた」と伝えていたが、情報は同署の刑事1課長で止まり、調書にも記載されなかった。
 一方、女子学生の父親が事件直前、市内の別の警察署を訪れ「娘が知らないうちに薬品を買っている」などと薬瓶を持参し相談していた。しかし、被害届を受理した警察署と情報を共有していなかったことも分かっている。
 女子学生はことし1月、名古屋市で無職森外茂子さん=当時(77)=を殺害した容疑で愛知県警に逮捕された。同じクラスの男性と中学時代に同級生だった女性(19)に3年前、硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとした疑いで、5月15日、愛知、宮城両県警に再逮捕された。

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2015.6.4 10:27更新
【名大女学生凶行】焼死体に興味… 女性殺害の名大生、放火容疑でも再逮捕へ
 高齢女性殺害容疑で逮捕された名古屋大の女子学生(19)が事件後の昨年12月、宮城県内で住宅に火を付けた疑いが強まったとして、愛知県警などが近く放火容疑で再逮捕する方針を固めたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。
 女子大生は、捜査当局の調べに対し、「焼死体に興味があった」との趣旨の話をしているとされる。

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