亀山郁夫氏の講座『謎解きカラマーゾフの兄弟④
本日は、第3木曜日。亀山郁夫氏の講座[謎とき『カラマーゾフの兄弟』]第4回、受講。
亀山郁夫氏の自意識の強さ(ドストの愛読者は大方が自意識強い)が鼻につき、受講を後悔もするが・・・。本日、一つだけ、良かったと思えたこと。それは、「ミーチャは、人殺しよりも借金を返せないことのほうが罪深い、恥ずべきこと、と考えたんですね。殺人は(時によっては)人間であることの証しでもある」との亀山さんの見解である。何か、バーンと壁が、目の前に立ちふさがっていた壁が一瞬に音を立てて倒壊した感じ。爽快だった。
殺人は罪悪の筆頭のように認識されてきたようだが、人間は多様で、罪悪軽重の順位も多様ということか。宗教も多様で、一神教のキリスト教・ユダヤ教などにおいては、とにかく「神は敬われなければならない」ので、十戒の筆頭に「我の外何ものも神とするなかれ」と謳う。仏教では筆頭に「不殺生戒」を挙げている。順位がそのまま罪の軽重を表しているというわけではないだろうが、興味深いところだ。
モーセの十戒
一、我は汝の神ヤーウェ、我の外何ものも神とするなかれ
二、汝自らのために偶像を作って拝み仕えるなかれ
三、汝の神ヤーウェの名をみだりに唱えるなかれ
四、安息日をおぼえてこれを聖くせよ
五、汝の父母を敬え
六、汝殺すなかれ
七、汝姦淫するなかれ
八、汝盗むなかれ
九、汝隣人に対して偽りの証をするなかれ
十、汝隣人の家に欲を出すなかれ
十善戒(仏教)
一、不殺生(ふせっしょう) むやみに生き物を傷つけない
二、不偸盗(ふちゅうとう) ものを盗まない
三、不邪淫(ふじゃいん) 男女の道を乱さない
四、不妄語(ふもうご) 嘘をつかない
五、不綺語(ふきご) 無意味なおしゃべりをしない
六、不悪口(ふあっく) 乱暴なことばを使わない
七、不両舌(ふりょうぜつ) 筋の通らないことを言わない
八、不慳貪(ふけんどん) 欲深いことをしない
九、不瞋恚(ふしんに) 耐え忍んで怒らない
十、不邪見(ふじゃけん) まちがった考え方をしない
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◇ 亀山郁夫氏の講座『謎解きカラマーゾフの兄弟』③ / 第1朗読〈士師記 13、2ー7 24ー25〉 2013-12-19 | 日録