「カラスが鳴かない日はあっても 小沢が叩かれない日はないやね」鈴木宗男 週刊ポスト2012年7月13日号

2012-07-02 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

             

「カラスが鳴かない日はあっても 小沢が叩かれない日はないやね」鈴木宗男が永田町、霞が関、大メディアのバカ騒ぎを一刀両断
週刊ポスト2012年7月13日号
 立場も背景も異なるが、鈴木宗男・新党大地代表も、かつて人物破壊の恐ろしさを思い知らされた政治家のひとりだ。「ムネオハウス」「疑惑の総合商社」など、いわれなき罪を被せられて貶められた一連の騒動から10年経った。その間も含め、20年にわたる攻撃を受けてきた小沢氏の現状を鈴木氏はどう見るか。
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 小沢さんの夫人の手紙とされる文書は、騒動になってからすぐに私の手元にも届きました。この手紙が本物かどうかは私にはわかりません。ただ、冷静に見れば小沢夫人の署名はありますが、出所不明の代物です。また、極めてプライベートな内容であり、非常に配慮して扱う必要があると感じていました。
 ところが、文書はすべての民主党代議士の議員会館のポストに郵送されたそうです。タイミングはまさに衆院で増税法案が採決される直前。民主党内は賛成派と小沢さんが引っ張る反対派で割れている状況でしたので、この文書を意図的に、恣意的に使おうとした者がいることは間違いない。政治的に利用されたわけです。
 手紙を最初に取り上げた週刊誌は、もしかしたら社会のために良かれと思って報じたかも知れません。しかし、結果的に私生活のことが政治の場に持ち込まれ、国民の生活を左右する重大な法案の成否、そして政局にまで影響したとすれば、そのような利用のされ方によって報道の価値は貶められたといえるでしょう。
 小沢さんを巡っては、政権交代直前に秘書が逮捕され、政治資金問題が噴出しました。しかし、当時、新聞やテレビで盛んに報道されていた「水谷建設から受け取ったヤミ献金1億円」は、裁判では争われてもいません。要するに、疑惑は事実ではなかったのです。
 私も10年前、国後島の友好の家(通称「ムネオハウス」)の入札に介入したとか、ディーゼル発電所の建設受注の便宜を図って商社から巨額の賄賂を受け取ったなどと報道され、「カラスが鳴かない日はあっても、ムネオが叩かれない日はない」といわれるほどバッシングされましたが、結局は立件もされませんでした。小沢さんも私のときと同じくらいひどいバッシングを受けている。
 検察当局のでっちあげの捜査も、情報リークも、小沢夫人の手紙とされる文書も、それを垂れ流す一部報道も、最初から「小沢叩きありき」、「宗男叩きありき」だったということでしょう。
 背後には、「国家の支配者」の存在がある。それは日本の強大な官僚機構です。霞が関にとっては組織防衛が至上命題であり、その権益を侵す存在は認められないのです。
 では、本来の「国家の支配者」とは誰なのか。いうまでもなく「国民」です。選挙で選ばれた政治家は国民の代表です。それを、国家公務員試験や司法試験はパスしているが国民の信託を受けていない官僚が、「政治家よりも自分たちの方が偉い」とは思い上がりです。あの政治家が気に入らない、この政治家が邪魔だといって、個利個略、省益第一で排除していいわけがない。
 “反権力”といいながら、最も権力にいいように利用されているメディアにも問題がある。小泉政権時代は官邸が中心となって巧みに新聞やテレビを操り、私は政権の人気取りのために犠牲にされました。
 しかし、時代は変わりつつあります。今回の小沢夫人の手紙の一件を見ても、永田町やメディアがこれでもかと騒ぎ立てるのに比べて、国民の反応は冷静ではないでしょうか。地元で有権者と話しをしてもそう感じます。私の事件や小沢さんの政治資金事件を通して、既得権益層が「出る杭」に対してどのような行動を取るのかが明らかになりつつあるからでしょう。
 私生活を手紙でバラすという今回のやり方には、特に家庭を持つ女性が首を傾げています。私の妻と話していても「夫を蹴ってやりたいこともあるけれど、家庭内のことは外に出すべきじゃないし、そんなに簡単に明らかにしないだろう」と冷静に見ています。
 でたらめな批評があっても、国民が一番わかっています。私は鳩山政権で刑事被告人の立場でありながら初めて公職である外務委員長に就きました。去年12月には仮釈放中の身で新党を立ち上げることもできた。それは、私の政治活動を有権者が評価して、応援してくれるからです。
 小沢さんにももっと国民に自分をさらけ出してほしい。稀有な能力を持つ政治家なのだから、「私は日本をこう変えたいんだ」というメッセージを今まで以上に発信していけば、人物破壊キャンペーンを超えて、国民は小沢さんをりかいするでしょう。
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