川内原発 再稼働差し止め却下 鹿児島地裁〈前田郁勝裁判長〉の決定文は福井地裁の4倍超 科学的に検証

2015-04-24 | 政治

産経ニュース 2015.4.23 05:03更新
【主張】川内差し止め却下 説得力ある理性的判断だ
 鹿児島地方裁判所は、九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転差し止めを求めて、周辺住民から出されていた仮処分の申請を却下した。
 原子力規制委員会が定めた原発安全のための新規制基準にも、またそれに照らして適合性が認められた川内原発の安全対策にも不合理な点はないという理由に基づく決定だ。再稼働を大きく近づけた。
 具体的な争点となっていた基準地震動や火山活動、避難計画のいずれについても鹿児島地裁は、住民らの主張を退けた。
 その上で、運転差し止めを求めた住民らの「人格権が侵害され又はそのおそれがあると認めることはできない」と述べている。
 極めて当然で理性的な決定である。現在、規制委による審査の最終段階に当たる使用前検査中の1号機は、順調に進めば、7月上旬の再稼働、8月の営業運転開始が可能になろう。
 2号機も約1カ月遅れで1号機に続く途上にあり、平成25年9月以来の「原発ゼロ」状態に終止符が打たれる見通しだ。
 立地地域の経済活性化にとどまらず、国のエネルギーの安定供給回復や、年間4兆円に迫る国富の流出抑制、地球温暖化防止への取り組み促進などの道筋が見えてきたことを評価したい。
 これに対し、福井地裁は先週、仮処分で関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じたが、その論拠として、新規制基準の合理性欠如を挙げていた。
 鹿児島地裁の判断と正反対であるだけでなく、規制委や地震学者から事実関係の誤りを指摘する声が出ている。関電も仮処分の取り消しを求めて福井地裁に保全異議を申し立てている。
 事実誤認に基づく仮処分であれば論外だ。福井地裁には速やかな対応を求めたい。
 東京電力福島第1原発の大事故以来、国内には原子力発電に否定的な評価が根を張っている。しかし、原発に背を向け続けるだけでよいのだろうか。
 日本がエネルギー資源の貧国である現実を忘れると問題の解決は遠ざかる。原発の適正活用は、日本に限らず、将来の世界のエネルギー安全保障に資する道でもある。鹿児島地裁の決定を確かな第一歩としたい。
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2015.4.22 23:11
【川内原発】高浜原発とまるで違う判断 鹿児島地裁の決定文は福井地裁の4倍超! 科学的に検証
 科学技術に「ゼロリスク」は不可能-。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働差し止めを求めた仮処分申請を却下した22日の鹿児島地裁決定は、関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)の差し止めを命じた14日の福井地裁決定と共通の争点で、まるで異なる判断を示した。科学的な数値を示しつつ、証拠をもとに個別の論点を詳細に検討した決定文は約200ページ。専門家から「事実誤認」を相次いで指摘された福井地裁決定の4倍超のボリュームだった。

    

 2つの決定の最も顕著な違いは、差し止めの是非を判断するにあたっての基本姿勢だ。福井地裁決定は、万に一つの危険性も認めない「ゼロリスク」や「絶対安全」を重視。一方、鹿児島地裁決定は、科学技術に一定の不確実性が存在するとの前提に立ち、原発の危険性が社会通念上無視できる程度か否かを検討した。
 高浜と川内では原発周辺の断層や火山の状況に違いがあり、住民側の主張に異なる部分も多い中、共通の争点が基準地震動(想定される最大の揺れ)の妥当性だった。福井地裁決定が「理論面で信頼性を失っている」としたのに対し、今回の決定は「(基準地震動の)策定方法は合理的」との見解を示した。
 福井地裁決定で関係者に衝撃を与えたのが、原発自体の安全性にとどまらず、国の規制枠組みである新規制基準にも「緩やかにすぎる」と踏み込んだことだった。鹿児島地裁はこの点についても、福井地裁決定と正反対の結論を導いた。
 福井地裁は基準の合理性を否定する理由の1つとして、住民側が提出した原子力規制委員会の田中俊一委員長の発言を引用。川内原発の審査書案を了承した際の「安全だということは申し上げない」との発言は、基準に適合しても原発の安全性は確保されないことを認めていると解釈した。
 これに対し、鹿児島地裁決定は田中委員長の考え方をまとめた資料をもとに、発言は原発の「安全神話」が成立することを危惧する趣旨と解すべきだと指摘。住民側の主張を「曲解」と断じ、「基準は不合理ではない」とした。
 証拠に厳格な鹿児島地裁決定について、ある法学者は「福井地裁決定と比べて細かい論点を地道に検討した印象で、評価できる」としている。
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産経ニュース 2015.4.23 07:00更新
【川内原発判決】再稼働差し止め却下「妥当」と電力各社安堵…だが経営状況はいぜん厳しく
 九州電力川内原発の再稼働差し止めを認めなかった22日の鹿児島地裁決定。これを受け電力業界では「原発の安全性に関する九電の主張が認められた」(電気事業連合会)など、安(あん)堵(ど)感が広がった。川内原発は早期再稼働が視野に入ったが、運転再開の道筋がついた原発は一部にとどまる。電力各社の経営状況はいぜん厳しい。
 鹿児島地裁の判断に対し九電は22日、「安全性は確保されているとの当社の主張が認められた。妥当な決定をいただいた」とのコメントを発表した。
 九電は原発停止に伴う火力発電向け燃料費が膨らみ、平成27年3月期は1150億円の最終赤字を見込む。川内原発1、2号機が再稼働すれば、月200億円の収益改善となる見通しで、財務悪化はひとまず避けられる。
 ただ、九電の瓜生道明社長は、現行の料金体系について「川内原発と玄海原発(佐賀県)の計4基の稼働が前提条件だ」としている。運転再開が川内のみにとどまれば、九電の経営環境は厳しいままだ。
 また、川内原発に続く再稼働の“二番手”として有力視されていた関西電力高浜原発3、4号機(福井県)は、福井地裁が再稼働差し止めを命じる仮処分を下した。東京電力も柏崎刈羽原発(新潟県)の運転差し止め訴訟が新潟地裁で進む。原発停止が長期化すれば、電力会社の値上げは避けられず、家計や企業の負担は強まる。
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川内原発、規制委の基準「不合理ない」 差し止め却下で鹿児島地裁 前田郁勝裁判長 2015/4/22
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高浜原発めぐる「司法の暴走」独断と偏見で素人判断…樋口裁判長は4月1日付で名古屋家裁に異動したが
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