陸山会事件:石川被告ら無罪主張 「検察は『空中楼閣』」
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた衆院議員、石川知裕被告(38)ら元秘書3人の最終弁論が22日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、同会事務担当者だった石川被告の弁護側は「収支報告書の記載に虚偽はない」と改めて無罪を主張した。後任の事務担当だった池田光智被告(33)と、会計責任者だった大久保隆規被告(50)も無罪を訴え結審した。判決は9月26日で、10月6日に初公判が決まった小沢元代表の審理の行方にも影響を与えそうだ。
最終弁論で石川被告の弁護側は、元代表から借り入れた4億円について「04年分収支報告書にきちんと記載した」と主張。一方、元代表からの4億円を担保に同時期に銀行から受けた同額の融資を記載しなかった理由は「(実質的に動いたのは4億円なのに)計8億円の借り入れをした趣旨(の報告書)になり釈然としなかったため」と述べ、違法の認識はなかったとした。
池田被告の弁護側は「検察側のストーリーを押しつける強引な調べが行われた」と批判した。
大久保被告の弁護側は「収支報告書の作成や提出に一切関与していない」と、名目上の会計責任者に過ぎないと強調。石川、池田両被告との共謀は「指示も了承も与えたことはない」と否定した。ダミー団体を介して違法な献金を西松建設から受領したとして大久保被告が起訴された事件についても「西松の資金と認識していなかった」と無罪を訴えた。
検察側が陸山会事件の虚偽記載の背景として主張した中堅ゼネコン「水谷建設」からの計1億円の裏献金については、石川、大久保両被告側は「裏献金に関する(同社の)前社長の証言は信用性が乏しい」と強調。「検察は小沢元代表を立件しようとして起訴できなかった不名誉を回避するため、不明朗な資金授受があったかのような『空中楼閣』の主張を印象づけようとしている」と非難した。
地裁は6月、石川、池田両被告が大久保被告と小沢元代表に虚偽記載を報告していたことなどを認めた相当数の調書を却下。検察側はその後、石川被告に禁錮2年、池田被告に同1年、大久保被告に同3年6月を求刑した。【野口由紀】毎日新聞 2011年8月22日 20時53分
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