判決後に裁判員「市民には重い決断。死刑事件に裁判員制度は適用しないで…」⇒初の死刑執行 2015/12/18

2015-12-18 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴

朝日新聞デジタル
刑執行の津田死刑囚「極刑を覚悟」 裁判員「重い決断」
 2015年12月18日12時28分 太田泉生
 死刑が執行された津田寿美年死刑囚は、2011年6月に横浜地裁で開かれた一審の裁判員裁判で、自ら「極刑を覚悟している」と話していた。
 「財産もないし、命で償うしかないと思ってます」「口だけならなんとでも言える。死刑囚だと思って生活している」
 被告人質問で、弁護人に被害者や遺族への謝罪の意思などを問われ、淡々とした表情でそう答えた。
 公判での説明では、元軍人の父親に幼い頃からしばしば理不尽な暴力をふるわれ、川に何度も放り込まれるなどした。中学校を卒業後、入れ墨の彫り師などとして働いた。法廷で読み上げられた調書では、「人を殴ることにためらいがない。すぐに切れて相手をノックアウトするまでやってしまう」と述べていた。
 審理では複数の遺族が出廷。厳しい言葉で死刑を求めた。
 判決後の記者会見で、裁判員を務めた当時大学4年生の男性は「判決は遺族感情や被告の生い立ちを十分に考慮した結果だ」と語った。一方で、「人の命を決めるのは一般市民には重い決断。死刑が求刑されるような事件には、裁判員制度は適用しないで頂ければ」とも話した。20代の男性会社員は「僕らで人を殺したと考えられるので、精神的につらいものがありました」。30代の補充裁判員も「自分が人を死に追いやることになる。最後の最後まで悩んだ」と振り返っていた。
 当時の被告の弁護団は18日、「裁判員裁判の議論が深まらない中での死刑執行は時期尚早だった」とのコメントを出した。(太田泉生)

  ◎上記事は[朝日新聞デジタル]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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裁判員の苦悩、現実に
 毎日新聞2015年12月18日 11時47分(最終更新 12月18日 12時53分)
 裁判員裁判による死刑事件を巡っては、2014年2月、裁判員経験者の有志約20人が、裁判員への刑場公開などの情報開示が進むまで死刑執行を停止するよう法務省に要請。「十分な理解がない中で究極の判断をしなければならず、裁判員裁判による死刑確定者が執行された場合、裁判員の苦悩は極限に達する」と訴えた経緯がある。 これに対し、谷垣禎一法相(当時)は記者会見で「法律の根拠がない限り(執行停止は)できない」とし、情報公開についても「執行を受ける方や関係者にどのような不利益や精神的苦痛があるのか。他の死刑囚の心情の安定も十分考慮しなくてはならない」と慎重姿勢を示した。
 毎日新聞が12年、制度開始3年に合わせて裁判員経験者を対象に実施したアンケートで、死刑求刑事件への関与の是非を尋ねたところ、▽関わった方がいい=50%▽関わった方がいいが、判決は全員一致とすべきだ=14%−−で、3分の2が関与に肯定的だった。内閣府が1月に公表した世論調査では8割が死刑制度を容認しており、裁判員裁判かどうかにかかわらず執行は続くとみられる。
 一方で、死刑求刑事件への関与が裁判員に大きな精神的負担を与えることは間違いなく、心理的ケアを求める声もある。岩城光英法相は18日の記者会見で「裁判員の方々に大変重い決断をしてもらった」と述べた上で、ケアの必要性に「今後の検討課題だと思う」と一定の理解を示した。【和田武士】

 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です
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裁判員判決で初 09年川崎3人刺殺
毎日新聞2015年12月18日 11時41分(最終更新 12月18日 12時48分
 岩城光英法相は18日午前、2009年に川崎市で3人を刺殺して殺人罪に問われ、裁判員裁判で死刑を言い渡された津田寿美年(すみとし)死刑囚(63)=東京拘置所=の死刑を執行したと発表した。09年に始まった裁判員裁判で死刑を言い渡された死刑囚の執行は初めて。また、岩手県洋野町で06年に起きた母娘殺害事件で強盗殺人罪などで死刑が確定した若林一行死刑囚(39)=仙台拘置支所=の死刑も同日執行された。 最高裁によると、裁判員裁判で死刑が言い渡されたのは18日現在計26人。うち津田死刑囚を含めて7人が確定していた。
 死刑執行は今年6月以来約半年ぶりで、岩城法相による執行は初めて。自民党への政権交代(12年12月)以降では8回目で、計14人の死刑が執行された。
 確定判決によると、津田死刑囚は09年5月30日早朝、同じアパートに住む男性(当時71歳)の部屋のドアの開け閉めの音がうるさいなどと恨みを募らせ、胸や腹などを包丁で刺して殺害。更に男性の妻(同68歳)とアパートの大家で男性の兄(同73歳)も刺殺した。1審・横浜地裁は11年6月、死刑を言い渡し、弁護側は控訴したが、津田死刑囚が翌7月に自ら控訴を取り下げて死刑が確定した。
 一方、若林死刑囚は06年7月、女性会社員(当時52歳)方に侵入。女性と次女(同24歳)を殺害し、現金を奪って遺体を山林に遺棄した。07年に始まった1審で罪を認めたが控訴審で否認に転じ、上告審でも無罪を主張していたが、12年1月に上告を棄却された。
 岩城法相は記者会見し、「裁判員裁判であるかどうかにかかわらず、関係記録を十分に精査するなど慎重に検討し、執行命令を発している」と述べた。再審開始決定を受けて釈放された元プロボクサー、袴田巌元被告(79)を除くと、確定死刑囚は126人となった。【和田武士、飯田憲】

 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です
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2人に死刑執行 津田寿美年死刑囚(裁判員制度で初の刑執行)と若林一行死刑囚 2015/12/18 岩城光英法相


裁判員裁判 2011 審理相次ぐ見通し 上田美由紀・木嶋佳苗・市橋達也・高見素直・菅田伸也・津田寿美年被告 2011-01-12 
  重大事件審理、相次ぐ見通し=連続不審死、英女性殺害―今年の裁判員裁判
  時事ドットコム 2011年01月10日
 裁判員裁判は制度導入から3年目となる今年も、死刑求刑の可能性がある重大事件や状況証拠で事実認定を迫られる殺人事件の審理が相次ぐ。裁判員法で定めた制度見直しの検討を来年に控え、課題を見据える重要な年となりそうだ。
 鳥取連続不審死事件で、男性2人に対する強盗殺人などの罪で起訴された上田美由紀被告(37)。被告側は鳥取地裁の公判前整理手続きで全面否認の意向を示した。検察側は、被告が所持した睡眠導入剤と同成分のものが2人から検出された点や事件前後の行動などの間接証拠を基に立証するとみられる。今秋までには公判を開く方向で手続きを進めている。
 首都圏連続不審死事件で殺人罪に問われた木嶋佳苗被告(36)は、最初に起訴されたさいたま地裁で一括審理される見方が有力だが、公判予定のめどは立っていない。
 英女性殺害事件で殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた市橋達也被告(32)は、千葉地裁で3月までに公判期日が決まる見通しだ。被告側は殺意がなかったと主張。一方、英国の父親が被害者参加制度の申し立てをしているという。
 大阪市で15人が死傷したパチンコ店放火殺人で、高見素直被告(43)は起訴前の精神鑑定で統合失調症とされた。検察と弁護側が別々に推薦した鑑定人が再鑑定を行っており、大阪地裁は9月に公判を開く予定で手続きを進めている。
 このほか、5年余りの間に元暴力団員や自衛官ら3人を殺害したとして起訴された菅田伸也被告(32)は1件を認め、2件で殺害を否認。仙台地裁は3事件で別々の裁判員を選任する区分審理を決めた。
 川崎市でアパートの大家と弟夫妻を殺害した事件で起訴された津田寿美年被告(59)。横浜地裁が昨年7月に精神鑑定を決めたが、公判期日の見通しは立っていない。(了)[時事通信社]
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「洗濯機がうるさい」と男が大家ら3人刺殺
 スポーツ報知 2009年5月31日06時02分

    

    送検される津田寿美年容疑者=青山謙太郎撮影(読売新聞)
 神奈川県警幸署は30日、川崎市幸区のアパートで大家の男性と弟夫婦の3人を刺殺した殺人未遂の容疑で、住人の男(57)を現行犯逮捕した。調べに対し、男は「洗濯機やドアの音がうるさかった」と動機を供述している。
 休日でにぎわうJR川崎駅直結のショッピングモール「ラゾーナ川崎」から、北西へわずか約300メートルの地点。商店街の片隅にある木造アパートで3人は殺害された。
 幸署によると、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職・津田寿美年容疑者は30日午前6時50分頃、居住する川崎市幸区中幸町のアパート「幸栄荘」1階で大家の柴田昭仁さん(73)とアパートに住む弟の嘉晃さん(71)、嘉晃さんの妻・敏子さん(68)の3人を柳刃包丁で刺した疑い。
 同容疑者は逮捕時、泥酔状態で自室の畳に凶器とみられる刃渡り約20センチの包丁を突き刺して座っていた。嘉晃さんと敏子さんはそれぞれ窓際で横向きになって倒れ、昭仁さんはアパート前であおむけで倒れていた。昭仁さんの次女(39)が3人が刺されているの発見し、110番。3人は搬送先の病院で死亡が確認されたため、同署は殺人容疑に切り替えた。
 津田容疑者は、昭仁さんの自宅に隣接するアパート1階の家賃3万円の角部屋に5年前から入居。同じ1階の2部屋に嘉晃さん夫妻が住んでいた。同署によると、津田容疑者は「柴田さん一家に長年の恨みがあったので刺した」と容疑を認めている。
 同署や近隣住民によると、津田容疑者は隣室に住む嘉晃さん夫妻について数か月前から「未明から洗濯機を回してうるさい。不眠症になっている。洗濯機に穴を開けてやる」「ドアを閉める音がうるさい」などと不満を漏らしていた。階段の上り下りなどの生活音をめぐって夫妻と口論になることも多かった。さらに「アパートの家賃を滞納して(昭仁さんに)注意された」「小言を言われてうるさい」とも話していた。「嘉晃さんから『(自分が)大家の弟ってことを忘れているだろ』と言われて怒っていた」との証言もある。
 「右腕に入れ墨があるから、近所でも怖がられていた」(商店街の住民)という津田容疑者は酒に酔ってトラブルを起こすこともあったようで、ある男性は「知り合いが頭突きされたことがある。近寄りがたい感じだった」と話す。前日29日夜も行きつけの飲食店で昭仁さんらへの不満を漏らしていたという。
(2009年5月31日06時02分 スポーツ報知)

  *強調(太字・着色)は来栖
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