【中日】達川氏、バッテリーコーチ就任 谷繁監督の後継育成へ
2013年10月20日06時05分 スポーツ報知
中日の来季の1軍バッテリーコーチに達川光男氏(58)=スポーツ報知評論家=が就任することが19日、分かった。球団では、兼任監督となる谷繁元信捕手(42)の後継者育成とサポート役を期待し、正式要請。達川氏が受託し、阪神でコーチを務めた03年以来、11年ぶりの現場復帰が決まった。近日中にも正式発表される。
谷繁新監督が、長年の課題だったバッテリー部門の強化を達川氏に託すことを決めた。13日に谷繁監督が打診し、15日には落合博満ゼネラルマネジャー(59)から正式要請。達川氏が快諾し、初めて中日のユニホームに袖を通すことが決まった。
捕手陣の立て直しは急務だ。不動の正捕手だった谷繁が、来季から選手兼任監督に就任。確実に負担が増す一方、ここ数年、叫ばれ続けた後継者の不在は、いまだ解消されていない。今季も谷繁が122試合でマスクをかぶり、田中、松井雅ら若手との力量の差は明らかだった。
達川氏は現役時代、巧みなリードでゴールデングラブ賞を3度受賞し、広島の黄金期を支えた。95年にダイエー(現ソフトバンク)、03年に阪神で1軍バッテリーコーチを歴任。99年から2年間、広島の監督も務めた。卓越した野球理論と豊富な指導経験は、中日の最大の弱点を解消するのにうってつけの存在だ。
指揮官とも強い信頼関係で結ばれている。2人の出会いは1987年の秋。32歳だった達川氏がお忍びで高校野球の中国大会を観戦した際、当時江の川高(現石見智翠館高)2年生だった谷繁のプレーに衝撃を受けたという。同じ広島県出身。谷繁監督の大洋(現横浜)入団後、現役選手としては4年間、同じリーグでしのぎを削り、現在も親交は深い。谷繁監督が打診を行った際も「よろしくお願いします」の一言だけで、多くの言葉はいらなかった。
球団内では達川氏が捕手として、監督経験者として、新指揮官の良き理解者となることも期待されている。指導力はもちろん、親しみやすい人柄と野球解説で定評のある軽妙なトークも魅力的。新生・中日の目玉ともいえる組閣人事。12年ぶりBクラスに沈んだ暗い空気を変える存在となる。
◆達川 光男(たつかわ・みつお)1955年7月13日、広島市生まれ。58歳。広島商時代の73年夏の甲子園で優勝。東洋大を経て77年ドラフト4位で広島入団。ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞に3度輝くなど、5度の優勝を経験。通算1334試合出場、51本塁打、358打点、打率2割4分6厘。92年で現役を引退し、95年にダイエーのコーチ。98年に広島2軍監督を経て、99年から2年間、広島監督。03年に阪神でバッテリーコーチを務め、18年ぶりのリーグ優勝に貢献。
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