細野担当相の福島第1視察、同行取材は記者クラブ限定/首相補佐官時代は門戸を開いていたが・・・

2011-11-03 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

細野担当相の福島第1視察、同行取材は記者クラブ限定
2011年11月02日「北方ジャーナル」
首相補佐官時代は記者クラブ以外にも門戸を開いていた筈だが…
 大手紙などの既報によると、細野豪志・内閣府特命担当大臣(原子力行政担当)は1日、今月12日に福島第1原子力発電所を視察する予定を発表、記者クラブ加盟メディアと外国プレスの記者36人の同行取材を認めるとした。記者クラブに加盟していないフリー記者などは、同午後から同大臣室などに問い合わせや要望などを寄せているが、現時点で参加が認められる見込みはなさそうだ。
 同大臣室の担当者によると、同行取材が認められるのは内閣記者会の常勤幹事社19社と福島県政記者クラブの加盟社7社の記者、及び外国プレスの4人で、人数としては36人。女性記者は参加を認められない。また、スチル写真や動画映像は発表前に“検閲”される可能性がある。
 以下、同大臣室とのやり取りを採録する。
――12日に予定されている細野大臣の福島第1原発視察、同行報道陣の参加資格と申し込み方法を伺いたい。
 「過密スケジュールで進む現場の負担を考え、入っていただく人数は大幅に制限せざるを得なかった。細野大臣のほうから『現場の状況を少しでも知っていただくため、この機会に同行取材をお受けしよう』ということになり、内閣官房の大臣として視察することから、総理などの同行取材と同様、『内閣記者会』の常勤幹事社にお声をおかけした」
 ――何社になるか。
 「それで19社。それに加え、被災した方々が地元の皆さんであるという観点から、地元の新聞やテレビなど計7社にもお声をおかけしようと」
 ――地元の記者クラブということか。
 「『福島県政記者クラブ』。さらに、海外での関心も当然高いだろうということも踏まえ、外国プレスの代表の方、こちらもお入りいただくことにしようと、お声をおかけしているところである」
 ――外国プレスの窓口はFCCJ(日本外国特派員協会)か。
 「窓口は『FPIJ(在日外国報道協会)』で、4人としている」
 ――4人とした理由は。
 「基本的にスチルカメラ、ムービーカメラ、その音声担当、及びペン記者、各1人と想定している」
 ――そうした声かけ対象の中にフリー記者などが含まれない理由は。
 「決して、今後もフリーや雑誌の方々を排除しようという考えではない。ただ、全体の人数として、たとえば免震重要棟(対策本部などを設置)の大きさや現場の負担などを考えると、今回の36人がぎりぎりだろうと。先の3つの団体に加盟する方々に留めざるを得ないということになった」
 ――「外国プレス4人」のような枠をフリー向けに加えることも難しいか。
 「ちょっと難しいという判断になった」
 ――女性記者の参加が禁じられているとの情報があるが、事実か。
 「そのようにお伝えしている。理由は大きく2点。1つに、女性は現地の労働者としても立ち入ることができなくなっている。母体保護の観点から、女性については線量の限度が男性のそれよりも厳しく設けられているため。もちろん、取材対応時は線量に細心の注意を払うことになるが、先の事情に鑑みて女性の参加については慎重にならざるを得ない。もう1つ、これらの事情の帰結として、現在の福島第1原発の中には男性しかいない。そこに女性が入るとなると、卑近な例で恐縮だが、お手洗いや更衣室の整備など、施設面での細かい準備などが必要になってくる。そういった観点で、今回はご遠慮いただかざるを得ない」
 ――そのあたりの事情は内閣記者会などに伝わっており、当事者も了解済みということか。
 「今のところ、特段ご質問などは受けていない」
 ――女性のケースと同じ理由で若い男性記者の参加が制限されることは。
 「それはない」
 ――伝聞情報で、撮影が制限されるようだという話がある。具体的には、撮影後の素材(写真・動画)を発表前にチェックされる可能性があると。これは事実か。
 「核物質防護の観点から、原子炉の管理者(東京電力)には、支障のある情報を外に出さないように管理する義務が課せられている。支障のある部分を撮られることのないよう事前にお声をかけさせていただくつもりではあるが、なにぶん現在の原発内の警備体制は地震の影響で通常時とは少し違った形になっており、そのあたりはグレーというべきか、取材に同行する原子力安全・保安院の人間から見て何でもないように見える風景であっても、のちに画像・映像をきちんと見直すと支障のあるものが写り込んでいた、という可能性も否定できない。そういった状況に対応するため、そういう部分は事後的に確認させていただきたいとお願いしている」
 ――チェックする主体は東京電力か。
 「そうである」
 ――その旨も、FPIJを含めて取材者らは了解済みなのか。
 「そういうご連絡を差し上げているところである」
 ――申し込み締め切りは4日で間違いないか。
 「そうである」
 ――すでに申し込みは来ているか。
 「一部届いている」
 ――定員を超えた場合は先着で決めるのか。
 「各社何人、という形で人数を制限しているので、そういうことはない」
 ――つまり、各社から誰が行くか、というだけの段階か。
 「そうである」
 ――当日のスケジュールなどは固まっているか。
 「検討中。現場の放射線量などを現地で確認しているところであり、確定次第こちらからご連絡することになっている」
 ――どのように実施したのかを事後に問い合わせることはできるか。
 「東京電力に問い合わせることはできると思う」
 ――今回の件で、参加できないフリー記者などから内閣府への抗議はあったか。
 「一部、『なぜですか』というようなご照会はいただいている。また『次回は入れてね』というご希望もいただいている。」
 ――抗議という形のものは来ていないと。
 「それらのご希望なりご照会の、『なんでだ』というような口調を抗議と受け取るかどうか、というところではないか」
 ――その「次回」というのはあり得るのか。
 「あり得ると思われる。ただ、日程はまったくわからない」
 ――それにフリー記者が加われる可能性はあるか。
 「そのあたりも含めて改めて検討することになる」
 ――どういう形になるかはわからないが、1度きりでは終わらないと。
 「今回とまったく同じような同行取材という形をとるかどうかも含めて、時期や形が未定ということである」
  (2日午前、電話取材)
 1日正午ごろに大臣室に苦情を寄せた東京都のフリーランスライター畠山理仁さん(38)は、「福島第1の現地取材は、フリーも大手も関係なく、内閣記者会以外の記者が東京電力の会見や政府・東電の合同会見などでずっと求め続けていたこと。それがなぜ内閣記者会限定になるのか」と、率直な疑問を口にする。大臣室の担当者が、フリーからの抗議が届いていないと認識していることについては「やさしい口調で抗議したからいけなかったのだろうか」と、「次」の機会が訪れる可能性については「次が来る前に大臣が変わってしまうのではないか」と話した。敢えてフリーとして参加を申し込み、記者クラブから欠員が出たら参加できるよう交渉するつもりという。畠山さんが暫定幹事長を務める自由報道協会が、内閣府に抗議などを寄せる可能性もある。
 ジャーナリストの寺澤有さん(44)など政府・東電の合同会見に参加しているフリー記者らの集まり「フリーランス連絡会」では、外国プレスと同様4人の参加枠を求め、申し込み締め切りの4日までに内閣府宛て要求書を提出する考えがある。今のところ参加枠に入っていない寺澤さんは、取材映像などを事前チェックするという現時点でのルールについて、「もともと記者クラブメディアは政府・東電の大本営発表を垂れ流しているだけだから、彼らにとっては今さら検閲されてもあまり影響がないのでは」と、冷笑ぎみに話している。  (ん)
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