なぜ自民党は今になって「集団安全保障」を持ちだしたのか 石破茂幹事長が説明

2014-06-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

【集団的自衛権】なぜ自民党は今になって「集団安全保障」を持ちだしたのか 石破茂幹事長が説明
 The Huffington Post 投稿日:2014年06月21日19時09分 JST 更新:2014年06月21日19時09分 JST
 自民党の石破茂幹事長は6月21日、読売テレビの番組に出演し、自民・公明で議論が続いている集団的自衛権行使容認をめぐる協議について、なぜ政府・与党が今国会で、集団的自衛権の議論を積極的に行っているのか、さらに、なぜ今の状況で集団的安全保障の話を持ちだしたのかについて説明した。
 集団的自衛権を巡っては、自民党は遅くとも7月上旬までに、行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定を行いたいとしており、20日まで開かれていた国会期間中に、閣議決定案をまとめたいとしていた。
 これに対し公明党は、行使容認に歯止めをかけたいとしていたため、調整が難航。さらに19日になって自民党は、侵略行為を行った国に、国連加盟国が共同で制裁を行う「集団安全保障」についても行使を容認するような案を示し、公明党の猛反発を招いた。集団安全保障はこれまでの憲法解釈では認められないとされており、今回の協議も集団的安全保障について議論しているわけではなく、集団的自衛権に関するものとしてきたためだ。
 そもそもなぜ今、集団的自衛権の議論が行われているのか。また、自民党が集団的安全保障を持ちだした理由は何だったのか。
■なぜ今、集団的自衛権の議論が行われているのか
 番組出演者のフリーキャスター・伊藤聡子氏は、現状の日本を取り巻く安全保障の問題について「今、日本の中で、本当に不安だと思っている人は少ないのではないか」と述べ、集団的自衛権の問題が積極的に議論されていることに疑問を呈した。また、閣議決定では国民に議論の内容が明らかにされないまま進むとして、「国会の場で議論すべきではないか」と石破氏に質問した。
 これに対し石破氏は、「不安が現実になってから、法律や(自衛隊の)装備を整えるとなっては遅い。不安が現実にならないようにするために備えをするのが安全保障のわかりにくいところ。実際にみんなが不安になったりしないように、今やっておかなきゃいけない」と述べた。
 また、閣議決定内容を議論していることについても、「閣議決定でなんでもできるようになるわけではない。閣議決定して初めて、法律が書ける」として、法律については国会で議論することになるという考えを述べた。また、医療、年金、介護などについても、近々、閣議決定することも明らかにした。
■なぜ今、「集団安全保障」を持ちだしたのか
 集団安全保障とは、多数の国が条約などによって武力の行使を禁止し、これに違反した国に対して国連などが組織的な制裁を加えて戦争を防止する制度だ。

    

           個別自衛権、集団的自衛権、集団安全保障の違い

 自民から集団安全保障が持ちだされたことに公明党側は、「安倍総理大臣はこれまで、自衛隊が武力行使を目的に湾岸戦争やイラク戦争のような戦闘に参加することはないと発言しており、矛盾しているのではないか」と反発。北側一雄副代表も19日、「そういう極めてレアな話を議論してどうすんねん」と記者団に述べている。
 石破氏は、国連自体が集団安全保障のシステムであると説明。自衛隊が行うのは空爆などの戦闘行為ではなく、機雷の除去などの「受動的、限定的」な内容だとしたうえで、番組内で次のように述べた。
 「国連で、アメリカやロシア、中国、フランスなど(安全保障理事国)が拒否権を行使したら、集団安全保障機能は動かないんです。動くまでの間、個別自衛権や集団的自衛権を行使してもいいですよというのが、国連の仕組みなんです。
 それまで集団的自衛権では行っていた機雷除去を、(集団安全保障で)国連が(制裁を)やっていいということになったときに、日本は参加しませんというのは、おかしくないですか」
 では、集団安全保障についての議論がこれまで行われてこなかったことを、この時期に俎上にのせたことについては、「今後も議論が行われないと、かえって国際社会から浮いてしまう」と明言。閣議決定案に含めるかどうかではなく、集団的自衛権についての議論を、今後継続して行うのかどうかを、自民党の高村正彦副総裁と北側副代表の間で調整するとした。
 石破氏は閣議決定案の文言の調整について「国会休会中も自民党、公明党の中で議論は行う。来週のなるべく早い時期に、合意を得たい」と述べ、自公合意について意欲を示した。
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〈来栖の独白〉
>番組出演者のフリーキャスター・伊藤聡子氏は、現状の日本を取り巻く安全保障の問題について「今、日本の中で、本当に不安だと思っている人は少ないのではないか」と述べ、集団的自衛権の問題が積極的に議論されていることに疑問
 いつもながらの「平和ボケ」発言。こういった蒙昧な輩を相手にくどくどと説明せねばならない、なんという徒労。
 自衛に、個別も集団的もない。「抑止」の問題なのだということが、平和ボケにはわかっておられない。戦争にならないための抑止。この「抑止」という言葉を石破さんは口にしたと思うが、〈朝日の劣化コピーである〉本記事には肝心のそれ(「抑止」)がない。或いは私の記憶違いで、「抑止」の文言は田原総一郎氏のBS朝日「クロスファイア」においてだったか。そういえば、BS朝日「クロスファイア」で石破さんが「ここには、朝日新聞しかありませんが」と言っていた。
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国会閉会など
  The Huffington Post 投稿日:2014年06月21日17時48分JST 更新:2014年06月21日17時53分JST
 石破 茂 です。
 通常国会は事実上本日閉会となりました。多くの法案が成立し、予算も順調に仕上がり、内閣支持率、自民党・与党支持率ともに高水準で推移しています。国会閉会中も、研鑽を怠ることなく緊張感を持ってすべてのことに臨んでいかなくてはなりません。
 安全保障法制、就中集団的自衛権行使容認の閣議決定は閉会後に持ち越されることとなりました。個別事例ごとの検証作業は、問題点の要素を多く包含したものであるだけに、法律的な細部の議論が世の中には解り辛くなっているのかも知れません。「これは必要なことだ」ということを解って頂くために、個別事例の検証は極めて有効なのですが、これを法律論的に整合した形でご理解をいただくためにはさらに工夫が必要であるように思われます。私自身、「自衛権再考」(知識社刊・昭和62年)に収録されている諸論文を理解したいと以前から思いながら、なお果たせずにおります。「他人のためにする正当防衛」と集団的自衛権との関係をうまく繋ぎ合わせることが出来れば、また違った議論が展開出来るような気もしております。これに関して「voice」七月号に収録されている高橋洋一教授の「集団的自衛権は『正当防衛』だ」は興味深い論考でした。
 「提示された事例は非現実的」「リアリティに乏しい、ためにする議論」などとの新聞論調が一部にありますが、何かが起こったときに「想定外であった」という弁明は許されません。あらゆる事態を想定して法制面、能力面、運用面の各般にわたって安全保障政策は立案されるものであり、それでもカバーされないリスクは政治が負うべきものです。このような論調が出ること自体、安全保障の本質は未だ理解されていないことを痛感致します。集団的自衛権について国会でもっと議論せよ、と言われても、議論の対象である法律案が出てこない以上、政府からは「これから検討します」という答弁しか返ってこないのではないでしょうか。国会における実質的な議論はまさしくこれからです。
 政治家が勉強ばかりしていてどうするのだ、成果を出すのが仕事だろう、というご指摘を時折頂き、ああ、他の方にはそう見えているのだなと反省もするのですが、自分が納得できないことを他の方に説くのはどうにも性分に合わないもので、ご容赦賜りたく思います。
 「今国会中に閣議決定」という当初の目標達成は困難となり、休会中も鋭意自公協議を続け、なるべく早い閣議決定に漕ぎ着けるべく努力を重ねなくてはなりません。その後は政府において「現実的な集団的自衛権行使の必要性」を踏まえた法案作成に着手することになるのでしょう。当面全く気の抜けない日々が続きそうです。
 環境大臣発言や東京都議会における不規則発言など、ご批判を頂く事態が続いています。真意やその時の状況がどうであったのかはともかくとして、緩み、驕りと受け取られる結果となったとすれば最終的には党の責任者たる私の責任です。対応を誤らないことと、今後さらに自重自戒してゆくことは当然です。
 まだ当選1、2回生であった頃、通常国会閉会時というのはすごく開放感が感じられてとても嬉しかった記憶があります。期数が上がり、政府や党でそれなりの役職を持つようになるにつれてその解放感は無くなってしまい、少し味気ない気分ではありますが、きっと私たちの若い頃に先輩方も同じ思いをしておられたのかも知れません。
 21日土曜日は「ウェークアップ・ぷらす」(読売テレビ系・午前8時)に出演の後、BS朝日「激論!クロスファイア」(午後10時、収録)、兵庫県加古川市での遊説、22日日曜日はBS―TBS「週刊BS―TBS報道部」(午後9時)に出演)の予定です。
 皆様お元気でお過ごしくださいませ。
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