拘束器に入れられ実験を待つウサビたち(JAVA提供)
「化粧品そのもので動物実験を行った場合、その化粧品の販売はさせない」としてきた欧州連合(EU)が今月11日、さらに「化粧品の原料で動物実験した場合も販売させない」と、措置を厳格化。日本の化粧品メーカーにも影響が出そうだ。これを契機に、日本も「動物に優しい化粧品」が主流になるのだろうか---。(秦淳哉、鈴木伸幸)
禁止措置 EU先駆け
化粧品開発の動物実験禁止で、最も先進的とされるEU。新たに原材料の動物実験も対象とし、どこで生産されようが域内での販売は不可となり、「英国動物実験廃止連合」(BUAV)などEU域内の動物愛護団体は「大きな前進」と評価している。
1980年代に盛り上がった動物実験反対運動に押され、EU加盟各国は93年に将来的に域内での動物実験を禁止することで合意した。オランダ、ドイツ、英国などが動物実験禁止の国内法を制定。「動物実験はしない」と宣言する化粧品メーカーが人気を呼んだ。
しかし、実際は法規制のない国で動物実験が続いた。EUは98年に域内での動物実験を禁止する予定にしていたが、化粧品会社が「代替試験法が確立されておらず、安全性が保てない」と反発。化粧品産業の力が強いフランスの消極姿勢もあって、禁止措置の先送りが繰り返された。
これに対し、動物愛護団体は「①既に安全性が確認されている材料の活用②安全性に疑問がある新材料の不使用③人体による臨床試験ーで動物実験の代替は可能」と再三、主張した。
2004年9月、ようやく完成品に限り動物実験が禁止に。それから5年越しで、やっと今回の措置が実施された。
とはいえ、課題も残っている。「毒性」と「生殖への影響」の検査では、例外として13年3月まで動物実験が可能。「代替試験法の確立が不十分」を理由に、この規定が延長される可能性もある。動物愛護団体は「例外規定が抜け穴として活用される」と懸念している。
ウサギは、目への毒性や皮膚アレルギーを調べる実験に使われる
EUでは動物実験してないというラベリングがあることが、良いブランドイメージになり、高くても人気になる気風があるように思います。
動物に対する扱いでその国の文化程度がわかると言う言葉があるそうですが、日本も規制してほしいです。動物好きは多いのに、実験動物や、動物の尊厳のことには関心がないという人が多いのは残念なことです。勉強になりました。
命を養う目的ならば、弱者の命を「いただきます」(食事)ということは、正当性があります。けれど、人類は命を養う(食べる)ためだけではないんですね。大食い競争なんて遊びもある。痛ましくて浅ましくて涙が出ます。