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東野ワールドに酔いしれて

2014-11-10 10:30:49 | 読書
東野圭吾さん「ナミヤ雑貨店の奇蹟」



村山さんの時空を取り扱ったアダルト作品を読んだ後
これまた、時を~駆ける手紙~♪と、言うような東野作品
勿論、全く違うんだけれど、こっちもスイスイ読めちゃった!
章を読み進むにつれ物語が段々と紐解かれていくのです。

奇しくも「自白」と同じ、1980年代と現代と
まさにビートルズ世代でもあるので、とても懐かしかったし
次男が好んで乗っていた車がシビックだった偶然もあったし
犯罪もののサスペンスではないけれど、惹き込まれました。
時空を行き来するのは、人ではなく手紙という意外性
東野さんならではの、深くて心温まる一冊でした。

第一章・ 回答は牛乳箱に
第二章・ 夜更けにハーモニカを
第三章 ・シビックで朝まで
第四章 ・黙祷はビートルズで
第五章・ 空の上から祈りを
これら、五つの章から成る「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
全ては雑貨店から繋がってゆく時空を超えた物語

人にはそれぞれ悩みがあります。
自分で解決できる人もいれば、身近な誰かに頼ることも
でも、誰にも相談できずにいる人は・・・

「悩み相談お任せください――。」
町はずれにあって、余り流行ってはいないナミヤ雑貨店
店主である爺さんは、店の壁にこんな張り紙をした。

いたずらのような相談にもトンチで返事をしてくれる
親身に答える店主のもとには、いつしか切実な手紙が届くように
店も閉じ、店主が亡くなった後も手紙が交わされる不思議
やがて過去と現在がメビウスの輪のように繋がってゆく時
愛情、友情、家族、確かな人間関係が浮かび上がってくる

廃墟となったナミヤ雑貨店に入り込んだ3人の強盗
深夜に投函された手紙に、行き掛かりじょう返事をするのだが
やがて、部屋の中と外に時間のズレがあることに気付く
そこで起こった奇蹟とは・・・

ハガキや手紙で心の疎通をはかっていた頃は
返事を待つという時間は、数日であってあたりまえでした
その、待つという時間がある意味、楽しみでもあったのだけれど
今は、打てばすぐに返ってくるものだと信じ込んでしまっている
食べたい買いたいとなると何時間でも待てる人たちが
返信を気にして、いらぬ心をかき乱している様を思うと
自分も、いっときそういう気持ちにかられたこともあったけど
メールに支配されているかのようで情けないかも。
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