★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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パーフェクトシティ(11)

2023年03月18日 | 短編小説「パーフェクトシティ」

 開始当初、どちらのグループとも同じくらいの人口だったが、やがて、パーフェクトシティの人口が増え始め、最終的に、パーフェクトシティが9割、オールドシティが1割程度で落ち着いた。
 その後、パーフェクトシティ構想が始まって20年程の歳月が過ぎると、人口の減少に歯止めがかかり、100年後にはわずかずつではあるが人口増に転じていた。人類は滅亡の危機をなんとか脱したのだ。

 俺が乗った車は、警備隊の建物の駐車場になめらかに停車した。
 夜間に関わらず駐車場はほぼ満杯だった。全部俺と同じ警備隊員の車だ。いつもは、交代勤務のため駐車場はガラガラなのだが、大晦日は全隊員が同時に出勤するためだ。
 車を降り、詰め所に入った俺は、今夜の相棒を探した。すでに組む相手は決まっている。
 いつも警備の仕事は一人でやっているが、今日の仕事は2人一組で行う。



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