★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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パーフェクトシティ(3)

2019年09月11日 | 短編小説「パーフェクトシティ」

 そんな大晦日の夜、俺は熱いシャワーを浴びていた。
 年に1回の夜勤に備え頭をハッキリさせるためだ。
 バスルームから出た後、ふうと大きくため息をつくと、今夜は何時ごろ帰れるんだろう・・とぼやきながらバスタオルで体を拭き、洗面台の鏡に映る自分の顔を見て目を細めた。
「相変わらず醜い・・ひどい顔だな・・・あぁ、それにこの皺、俺も歳をとったなぁ」
 そう言いながら、あごにシェービングクリームを塗り、棚からT字型のシェーバーを取り出して、顔のひげをそり始めた。
 剃り残しがないように鏡を見ながら丁寧に剃っていく。
「今日は、ひと様の家に入るから、髭ぐらいはきれいにしておかないとな」
 しかし、鏡に映る俺の顔は、ひげを剃った位で印象が良くなることは決してないような様相を呈していた。