★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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義腕の男2(81)

2017年05月14日 | 短編小説「義腕の男2」
 完全に意識が戻ったのはまた別の部屋だった。
 白い天井だ。
 よく見るとところどころにシミが見える。
 周りを見てみると、いかにも病室といった感じの白い壁と白いカーテンがある。それに足元には少女が一人・・
「!」
「どう?気分はそんなに悪くはないでしょ?」
 真新しい白衣を着たその少女は、書類をはさんだバインダーを持ち、手慣れた女医のように俺の左腕をとって脈を計り始めた。
「・・ん、バイタルも正常。右腕も左足も今のところ異常なさそうね。よかったわ」
「博士、、大丈夫なのか?君は確か衝撃波に吹き飛ばされて、、そのあと・・」
 博士は、バインダーの紙に何かを書き込みながら、
「ええ、あいつの衝撃波はもう威力がなかったの。不意撃ちだったから壁まで飛ばされたけど怪我はしなかったわ。それより、、その後のことは覚えてないの?」
「え、、、その後は、、どこかで少し目が覚めたような・・」
「ふーん、、あの時の記憶はない、、ということね。なるほど、確かにそうかもしれないわね」
 博士は、意味深なことを言いながら、バインダーに書き込んでいる。
「ここは、、ノスリルなのか?」
「いいえ、ここはノスリルの同盟国ギルビー諸島の病院よ。ここまで来ればもう大丈夫よ」
 いつの間にかイスランを脱出している。
 また謎が増えた。