花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

「ウィーン・モダン」展と「クリムト展」の超サクッと感想(^^;;

2019-05-29 23:33:28 | 西洋絵画

国立新美術館「ウィーン・モダン」展と東京都美術館「クリムト展」を観た超サクッと感想と、観ながら思ったことをボソっと

・国立新美術館「ウィーン・モダン」展は...

副題の「世紀末への道」らしく、ウィーン画壇におけるクリムト以前・以後の様相がわかる内容で興味深かった。ビーダー・マイヤー調(様式?)って聞いたことはあっても観るのは初めてで、生活にも美を求める=ウィーン市民の経済的&文化的な豊かさが伺えた。

で、クリムト《エミリー・フルーゲの肖像》も美しかったし(写真も撮れたし♪)、エゴン・シーレ《ひまわり》にも再会できたし(ひまわりの根元の花々に今更ながら気が付いてしまったのだが、より一層ひまわり=シーレの孤立感が際立つのだよね)、同じく再会のクリムト《パラス・アテナ》の鱗状の黄金帷子の表現が凄いなぁ!と目が吸い寄せられた。 

・東京都美術館「クリムト展」は...

《ユディット》の恍惚感がやはりクリムトらしかったし、ファム・ファタールの女の力が黄金の力と相まって強力だよなぁ、と思ってしまった。 《ベートーベン・フリース》再現も見応えはあったけれど、抱き合う男女って《接吻》に通じるよなぁ、と見たが、この件は後でちょこっと。いずれにしても、私的にはクリムトの黄金時代作品が装飾的で好きかも

で、この二つの展覧会を観ながら思ったことなのだが(美術ド素人の勝手な感想なので誤解があったらお許しあれ)...

1900年前後の「ウィーン世紀末」の雰囲気は展覧会からも良く伝わってくるのだが、この時代的雰囲気はウィーンだけでなく汎ユーロッパ的なものなのだろうなぁ、と改めて思ったのだ。特に、アルプス以北の絵画とは通底するものがあるように思われ、それは、国立西洋美術館の展覧会やバーゼル美術館で観たホドラー作品や、東京都美術館「ムンク展」での作品からも感じられた。分離派と象徴主義って親和性が高いように思えるのだよね。特にホドラーってウィーン分離派と交流があったようだし、それにヨーロッパって本当に狭いし。

ちなみに...

・フェルディナント・ホドラー(Ferdinand Hodler, 1853年 - 1918年)

・グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年 - 1918年)

・エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch , 1863年- 1944年)

例えば...

 

グスタフ・クリムト《Hermine Gallia の肖像》(1904年)ロンドン・ナショナル・ギャラリー 

 

フェルディナント・ホドラー《聖なる時》(1910年)バーゼル美術館 

 

エドヴァルド・ムンク《接吻》(1897年)ムンク美術館 

グスタフ・クリムト《接吻》(1908年)ベルデベーレ宮(ウィーン) 

で、この19「世紀末」の画家や文学者に多大な影響を与えたのがギュスターヴ・モローらしいので(象徴主義の先駆者でもあるらしい)、次回は「グスターヴ・モロー展」感想を超サクッと書きたい...と思う