会長・一杉真城奮闘記

創塾41年目です。
ヒトと人が行きかう交差点。
何気ないため息や息遣いが聞こえてくるような、塾であり続けたいと・・

北川正恭氏の講演会

2008-07-03 23:07:22 | Weblog
早稲田大学大学院公共経営研究科 北川正恭教授

「わが国の現状と課題~せんたく(選択、洗濯)のめざすもの」と題しての講演会を聞きに行きました。相変わらず切れ味の良い話で、地方分権についてのお話は傾聴に値します。以下に私見も交えてまとめてみました。
廃藩置県のときの石川県の人口が138万人、新潟県が133万人、東京府が96万人、今では東京都1200万人、神奈川・埼玉・千葉の首都圏は併せて3300万人中央集権の集大成がこのようないびつな国を作り上げているのですね。
現在の日本は、右肩上がりの経済を想定して800兆の借金を孫子においていくまでの状態だそうです。この無責任なツケの責任を誰が取ることになるのでしょうね。

トップリーダーの価値の変革
選挙をお願いから公約に変え、成熟した社会に見合うーパブリックの理念が確立しているかを選挙で問う、マニュフェストによって、公共事業を何時までに・どこからお金を持ってきて・どの財源で行うのかをキチンと明記する。そのためには今の衆愚政治ではいかんのです。

市役所は
国に従うのが市役所でも良い官僚でした。夕張はセッセッと公共事業に励み、補助金を取り、結果18年間で358億の借金を返さなければならない。国も冷たいものですよ、返せないとわかる借金を背負わせておいて破産宣告ですからね。
とたんに成人式の補助金を出せなくなった、20歳の女性がじゃあ自分たちでやればよいと立ち上がった。そうすると60歳の人たち、市役所の職員もじゃあ自分たちもと一緒に汗をかこうと自分たちの成人式をつくりはじめた。

成人式
全国どこの市町村も似たかよったか成人式に補助金をだして聞いてもいない挨拶を補助金を出すので市長・議長・教育長の挨拶で、補助金を出してもらうほうを向いて作るので、若者のほうを向いては作りませんよ。

市役所・県庁・中央官庁
みんなうるさい市民を向いては気を使いながら仕事をしていますが、本当に市役所なら市の未来、県職員なら県の未来、中央官僚なら国の未来を見て仕事が出来ていませんよ。こういう形のものを変える、ワイマール憲法はヒトラーを生みましたからね。今の衆愚政治を早く脱却すべく地域生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合を立ち上げ超党派で100人のせんたく議連になりました。

こんなテンポと内容の話でした。それ以外にもベストファーザー賞のお話や、脱田中派をめざした国民政治改革=伊東正義さんや後藤田正晴さんとのエピソードなどが続きました。

ロッキードやリクルートのお金をめぐる一連の事件の後で伊東さんと後藤田さんが総理の座をめぐって譲り合いながら妥協の産物で成立したのが短命の宇野宗佑内閣で,この内閣は69日間の超短命内閣でした。
それでも自民党政府が持ったのですから、野党がだらしなかったのか?
何が原因だったのでしょうか?これは私・一杉のつぶやきです。

北川さんの民主政治=衆愚政治を対極にならべて無党派層が主役では困る。政党政治を確立しなければならない・・という意見はまったく賛成ですが、議論をおそれてその場を支配する空気(ドミナント・ロジック)に流されている自分を改革するところから・・・と行動を促す話は耳が痛くなる気がします。
ビデオはあるそうです。
ずいぶん勉強になった講演会でした。機会があればビデをで、もう一度と思う面白さでした。