素直な気持ち

どこに行きつけるのか解らないけれど、
進むしかなくて、ただ自分を信じるだけ。

過去の手紙

2017-07-22 12:59:44 | Weblog
何年も前に書いた、出すことのなかった手紙(メール)が、下書きの中に残っていました。
 
 
自分の事を良い人間とかいう人を、人は信用しないのです。
だって、人をだます詐欺師は、自分の事を詐欺師だなんて言いませんから。
 
「私は思いやりがあり人を裏切ったりしない人間です。信じてください。」
といったら、ああそうか、この人はいい人なんだ、なんて思ったりするのですか?
 
人間は、全てありです。状況や環境や感情によって、その時々に変化するものです。
良い人間といいますが、何に対してですか? どういう状況においてですか?
人に騙され、うらぎられ、それでも許し続ける人は、良い人ですか?
正義のために戦い、相手を傷付けても、信念のもとに生きる人が良い人?
 
戦争が起こって、国のために戦う人?それともどんなことがあっても、戦いに参加しない人それが良い人?
 
良い人だなんて自分で言いきれる人間こそ、信用できません。
私は自分の中の、悪も知っているし、良いも知っています。そして、そんなものは確かでないことも知っています。
善も悪も、無いに等しい。
 
 
 
私は、恋愛をするまでは、自分を優しい人間だと思っていました。
魂は汚れていないと、うぬぼれていました。
 
でもそうではありませんでした。私は、あいてを助けることも出来ず、側にいてあげることさえも出来ない。無力の人間でした。
 
自分が生きることを優先しました。
間違っていたとは思っていません。でも、決して優しい人間ではない。
 
自分が一番大事な人間なのです。人の為に自分を犠牲にすることが出来ませんでした。
自分のことを犠牲にできる人間が良い人間なのか、それすら解りません。
私には、良い人間というのが、どういう人間なのか解りません。
 
私は、優しくない事を知っている、優しい人が好きです。
そんな人と生きていきたい。
 
 
いろいろな経験の中で、人は深さを増していくのだと思います。
その深さに私は、恋をするのです。
悲しみや、苦しみを乗り越えてきた、生きる力に感動し、魅かれるのです。
 
 
この手紙(メール)は、出されることのないまま眠っていました。
 
私の言葉は、私の中で響きます。
 
この思いを抱きながら、ひとり生きていくのか。
 
それもまた、人生なのだから・・・・。
 
 
 
 
過去の手紙を読み返して、ほんの少しの寂しさと、今の平穏な
 
幸せを胸に抱きしめています。