■ディープ・ブルー[DEEP BLUE] (鑑賞日:2004/09/26)
「ディープ・ブルー」といっても、賢くて、でかいサメが人を襲う映画ではありません。
まぁ、いちおう、でかいサメ(ジンベイザメ)は出てきますけど(笑)
この作品は、製作に7年をかけたという、海洋ドキュメンタリーです。
ロケ地は200ヶ所にのぼり、撮影したフィルムの総時間は7000時間という壮大なものです。
イルカなども登場するので、もしかしたら、癒しを求めてご覧になろうかという方も、いらっしゃるかもしれませんが、本作は決して、そのような作品ではありません。
それ以前に、自然や自然動物に、そのようなこと「だけ」を求めること自体、間違っているように思います。
ドキュメンタリーですから、当然、自然の厳しさも多々、盛り込まれています(また、同時に自然の優しさというのもあるとは思いますが)
シャチが、コクジラを捕食するシーンがあるのですが、これは特に残酷です。
狩りの方法は、群れで、コクジラの親子を4時間追いまわし、疲れさせ、子供を親から引き離したところで、シャチが体でコクジラの子供を上から押さえつけ、窒息させて殺します。
その後、上アゴと舌を食べるのです。
しかし、シャチの視点から見れば、生きるためにご飯を食べなければならないわけで、狩りが成功したことは、喜ぶべきことです。
ついつい、わたしは、コクジラの視点で、かわいそうだなと思って観てしまうのですが、この作品は、そのようなシーンでも淡々と観せることで、やはり、自然においては、そのような感情は、人間の勝手で傲慢な思い込みではないのかと、改めて思い知らされます。
また、トレーラーでも観ることが出来るシーンなのですが、クジラが小魚(たぶんカタクチイワシだと思うのですが)を捕食するために、大きな口をあけて、水面に向かって、すごい勢いで上昇する映像を水中から見上げて撮っている映像は、実に迫力があり、ほんの数秒ですが、少なくともトレーラーだけでもチェックする価値があると思います。
そして、わたしの大好きなペンギンも登場します。
エンペラーペンギン(*1)のオスが、ブリザードが吹き荒れる冬の南極で、約3ヶ月間、絶食して卵を温め続ける(*2)シーンでは、ペンギンの可愛さと、彼らが生きている自然環境のギャップを観て頂いて、多くの方が持っているであろう、可愛くてユニークなだけのペンギン像が少しでも変わってくれることを、ひとりのペンギンファンとして強く望みます。
他にも、多くの生き物が登場しますし、また、海の美しさも存分に堪能できます。
音楽を演奏しているのは、ベルリン・フィルハーモニーで、聴いていて心地よく、ときには効果的にシーンを盛り上げてくれます。
ただ、登場する生き物に、名前が表示されないのが、少し難点かなと思いました。
この作品を観て、興味を持った生き物を、家に帰った後で、より詳しく調べるということがしにくいのです。
これは、制作側が、観客に海洋世界により深く入っていってもらえるよう、なるべく、画面上の情報を排除した結果なのかもしれませんが、やはり、生き物の名前は表示して欲しかったです。
*1
劇中のナレーションでは、「コウテイペンギン」と呼んでいましたが、ここでは、青柳昌宏氏と上田一生氏が、訳書「ペンギンになった不思議な鳥(1988)」で用いた、新称のペンギン和名である、「エンペラーペンギン」を用いました。
*2
実際にオスが卵を温めている抱卵期間は64日間です。オスが繁殖地に到着して、メスが産卵後、海に戻り、再び繁殖地に戻って、育雛を交代するまでにかかる期間が115日です。そして、今度はヒナをメスにまかせて、オスが採食に行くのですが、これまでの間、オスは絶食しています。
この作品を観て、もし、ペンギンにご興味を持たれた方は、下記のアドレスにある書籍をご参考にされたらと思います。
http://www.jttk.zaq.ne.jp/zentoryoen/penguins/osusume.htm(自サイト内リンク)
「ディープ・ブルー」オフィシャルサイト
http://www.deep-blue.jp/
(オフィシャルサイトにある壁紙は、是非ダウンロードしましょう♪)
「ディープ・ブルー」といっても、賢くて、でかいサメが人を襲う映画ではありません。
まぁ、いちおう、でかいサメ(ジンベイザメ)は出てきますけど(笑)
この作品は、製作に7年をかけたという、海洋ドキュメンタリーです。
ロケ地は200ヶ所にのぼり、撮影したフィルムの総時間は7000時間という壮大なものです。
イルカなども登場するので、もしかしたら、癒しを求めてご覧になろうかという方も、いらっしゃるかもしれませんが、本作は決して、そのような作品ではありません。
それ以前に、自然や自然動物に、そのようなこと「だけ」を求めること自体、間違っているように思います。
ドキュメンタリーですから、当然、自然の厳しさも多々、盛り込まれています(また、同時に自然の優しさというのもあるとは思いますが)
シャチが、コクジラを捕食するシーンがあるのですが、これは特に残酷です。
狩りの方法は、群れで、コクジラの親子を4時間追いまわし、疲れさせ、子供を親から引き離したところで、シャチが体でコクジラの子供を上から押さえつけ、窒息させて殺します。
その後、上アゴと舌を食べるのです。
しかし、シャチの視点から見れば、生きるためにご飯を食べなければならないわけで、狩りが成功したことは、喜ぶべきことです。
ついつい、わたしは、コクジラの視点で、かわいそうだなと思って観てしまうのですが、この作品は、そのようなシーンでも淡々と観せることで、やはり、自然においては、そのような感情は、人間の勝手で傲慢な思い込みではないのかと、改めて思い知らされます。
また、トレーラーでも観ることが出来るシーンなのですが、クジラが小魚(たぶんカタクチイワシだと思うのですが)を捕食するために、大きな口をあけて、水面に向かって、すごい勢いで上昇する映像を水中から見上げて撮っている映像は、実に迫力があり、ほんの数秒ですが、少なくともトレーラーだけでもチェックする価値があると思います。
そして、わたしの大好きなペンギンも登場します。
エンペラーペンギン(*1)のオスが、ブリザードが吹き荒れる冬の南極で、約3ヶ月間、絶食して卵を温め続ける(*2)シーンでは、ペンギンの可愛さと、彼らが生きている自然環境のギャップを観て頂いて、多くの方が持っているであろう、可愛くてユニークなだけのペンギン像が少しでも変わってくれることを、ひとりのペンギンファンとして強く望みます。
他にも、多くの生き物が登場しますし、また、海の美しさも存分に堪能できます。
音楽を演奏しているのは、ベルリン・フィルハーモニーで、聴いていて心地よく、ときには効果的にシーンを盛り上げてくれます。
ただ、登場する生き物に、名前が表示されないのが、少し難点かなと思いました。
この作品を観て、興味を持った生き物を、家に帰った後で、より詳しく調べるということがしにくいのです。
これは、制作側が、観客に海洋世界により深く入っていってもらえるよう、なるべく、画面上の情報を排除した結果なのかもしれませんが、やはり、生き物の名前は表示して欲しかったです。
*1
劇中のナレーションでは、「コウテイペンギン」と呼んでいましたが、ここでは、青柳昌宏氏と上田一生氏が、訳書「ペンギンになった不思議な鳥(1988)」で用いた、新称のペンギン和名である、「エンペラーペンギン」を用いました。
*2
実際にオスが卵を温めている抱卵期間は64日間です。オスが繁殖地に到着して、メスが産卵後、海に戻り、再び繁殖地に戻って、育雛を交代するまでにかかる期間が115日です。そして、今度はヒナをメスにまかせて、オスが採食に行くのですが、これまでの間、オスは絶食しています。
この作品を観て、もし、ペンギンにご興味を持たれた方は、下記のアドレスにある書籍をご参考にされたらと思います。
http://www.jttk.zaq.ne.jp/zentoryoen/penguins/osusume.htm(自サイト内リンク)
「ディープ・ブルー」オフィシャルサイト
http://www.deep-blue.jp/
(オフィシャルサイトにある壁紙は、是非ダウンロードしましょう♪)